皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
| 27799. | ユダの窓! 弾十六 2020/08/04 01:31 [雑談/足跡] |
バードさま はじめまして 書評を拝見して、法廷シーンを中心に据えたので分かりやすい!って気付かなかったなあと感服。それにバードさまが重度のJDC/CDマニアになりそうな資質が見えて、前の書評を拝見したら、重要作の『曲った蝶番』とか『三つの棺』(かつて読んだ印象が素晴らしいんだが、再読するのが気が重い。なんかね…)とか『緑のカプセル』とか、あとなんだっけ?まあ色々、を未読のようなので、ホントーに羨ましい。 まあ騙されたと思って、読んでみていただければ幸いです。(ホントに騙された!ヒドイ!という作もあるけど、そーゆーのも振り返ると楽しいJDC/CDです。多分、このふざけたペンネームも、出版社が全面的に悪かったことになってるけど、JDCがなんかやらかしてカチンとなった編集がいい加減にやった、とか著者側に問題あり、の気がしてます。だって普通に考えてカー・ディクスン(当初のやつ)なんてアホな名前選ばんでしょ? 今後ともJDC/CD道に励んでいただければ(←お節介!) |
| 27779. | 死刑囚の逆パラドックス 弾十六 2020/08/01 00:33 [雑談/足跡] |
ダムコップさま、ありがとうございます。 バリエーション考えるのって楽しいですよね。 ダムコップさまの日にちを正しく把握してる前提は、全く気づきませんでした。なるほど… 実は某シミルボンには、調子に乗ってパラドックス小噺シリーズを数回書いています。 死刑囚の逆パラドックスの続きも書いたんですよ。 ついでに披露してしまいましょう。 あらゆる全ての可能性を考慮するなら、今しか確実に私を死刑に出来ないのです!」 囚人はまっすぐ大臣の顔を見据える。証明の意味を理解し、王の顔が輝く。 虚を突かれた顔の大臣。だがすぐに嫌らしい狡猾な表情に変わってゆく。 囚人の表情が曇る。証明の何処かに穴が? 「大臣。聞こえたであろう。見事な証明だ。囚人を解き放て」 大臣は意に介せず「賢明なる王さまでも、このような低劣な屁理屈に騙されてしまうとは。実に嘆かわしい」 不安顔の囚人を睨みつけ「まさに女子供が思いつきそうな愚論だ。法は日常言語で書かれ、運用されている。全ての例外事項をいちいち記していたら、百万言あっても足りぬわ。」 「何を言う。人は死すべきもの、というのは自明の理であろう」と王は反論するが、囚人は痛いところを突かれた、と言う表情。 「ほれ、あ奴も自覚しております。わしの言う全ての可能性とは「常識的に起こりうる」のが当然の前提。元気な者が突然死ぬなぞ、考慮の外」 「だが死ぬ可能性はあるだろう、急な病気とか…」 「百歩譲りましょう。王さま。奴が死刑執行の日まで生きておれるか、待つだけで良いのですから」 ここで王も気づく。囚人は今解放されなければ生き延びるチャンスはない。死刑執行の日まで待たれてしまえば、大臣の明言通り「確実に」死刑が執行されるか、死刑執行前に不慮の死を遂げるかの選択肢しかなくなる。 囚人の顔が歪む。絶望の色。 大臣は得意げに「理論的には別の可能性もありますな。万一わしが死ねば死刑は中止…」 「その通りだ」王は懐からピストルを取り出し、躊躇なく全弾を大臣の身体に撃ち込んだ。 死んでいるのを確かめ、呟く。「初めて意見が一致した」 衛兵が飛び込んできた。王は銃を隠し「賊にやられた。我を庇って名誉の死だ」 衛兵は王を見つめ、周りを見渡し、状況を素早く理解した。 「見張りが寝ておりましたから、その隙に侵入したのでしょう」直ちに賊の捜索に出て行った。 王が囚人の両手の枷を優しく外すと、囚人は束ねた長い髪を解き頭を振った。 「犯人を目撃してしまいました」 「君は証言できまいよ」王は囚人の細い腰に腕を回した。 「なぜ?」 「余の配偶者になるのだから」 「ああ、王さま」 (暗転) ※ 配偶者に不利な証言を拒否できる権利は英米法だけ?日本も同じようだが…よく知りません… |