皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
viviさん |
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平均点: 6.50点 | 書評数: 327件 |
No.31 | 7点 | 火村英生に捧げる犯罪- 有栖川有栖 | 2008/11/27 17:51 |
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携帯サイトで配信された非常に短い掌編もあるので、
タイトル数は多いけれど、軽いものも多かったです。 でも、その作品が非常にバラエティに富んでいて、 キャラクターのファンも満足できたんじゃないでしょうか。 表題作が、やっぱり面白かったですね。 一番ロジカルで、物語的にも盛り上がりました。 |
No.30 | 8点 | 妃は船を沈める- 有栖川有栖 | 2008/07/28 18:36 |
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中編をくっつけて長編にしたものとは聞いていましたが、
幕間を接着剤にして、並べただけでした(^^; でも、かえってこのまとまりの方がいい気もします。 何故なら、ロジック炸裂の作品だから。 特に後半の章は、『スイス時計の謎』を念頭に置いたようなロジック。 容疑者が決まってからの謎解きだから、カタストロフは薄いけど、 なかなかの力作で楽しめました♪ |
No.29 | 6点 | 壁抜け男の謎- 有栖川有栖 | 2008/05/27 02:27 |
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全編が質のよいミステリというわけでもないので減点。
ただ、犯人当てはロジカルで面白く読みました。 先達へのオマージュ作品などは、 文体も含めて、作者の新しい面を堪能。 遊び心満載の作品群でした♪ トリック云々は別にして、一番読めて嬉しかったのは、 「猛虎館の惨劇」でしたけど(笑) |
No.28 | 6点 | 虹果て村の秘密- 有栖川有栖 | 2008/05/06 01:33 |
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ジュブナイルなので、ムキになって読むのは無しです(笑)
ロジックを書きたかったんだな~という姿勢は分かりますし、 ここで『スイス時計』みたいな論理を書いたら、 子供は理解できないでしょうから(^^; でも、読後感が非常に清清しくて、 「もう一度子供になってミステリ読みたい」と思いました。 いい物語です♪ |
No.27 | 9点 | 女王国の城- 有栖川有栖 | 2007/10/05 01:40 |
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15年ぶりの江神シリーズ。
当然期待値もマックスになっているのですが、 期待を裏切らない、アドベンチャー&ロジック全開の作品でした。 大きく読者の考えを裏切る演出は無いけれど、 「犯人当て」小説としては、高レベルだと思います。 長大な作品ではありましたが、最後まで楽しく読めました。 途中「読者への挑戦」が挿入されます。 現在のミステリの状況の中で「挑戦」を入れることに多少の遠慮を覚えたのか、 かなり控えめな挑戦ではありましたが、 私自身は、こんな本格がいつまでもあってほしいと思いました。 |
No.26 | 7点 | 乱鴉の島- 有栖川有栖 | 2007/07/30 22:51 |
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久しぶりの火村シリーズの長編です。
孤島が舞台ではあるけれど、おどろおどろしい演出は無し。 犯罪自身はどこでも起きうるものでしたし。 ただ、この島にこの時築かれた世界の意味が、 作品全体の核になっています。 非常にロジカルな解決はいつもの通りですけど、 アクロバティックというには迫力不足だったかも(^^; |
No.25 | 7点 | モロッコ水晶の謎- 有栖川有栖 | 2007/06/03 02:23 |
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世間にとっての真実が個人にとっての真実ではないというズレを見事についたのが表題作。
世間の目で見たら見えないことも、個人の立場になって見ると見えてくるのでしょう。 後書きを見ると、もっと長く書き込みたかった作品らしいですね。 ロングバージョンを読んでみたい気がします。 シリーズもここまで来ると、火村のキャラクターにかなり同調して読んでしまいますね。 素敵な探偵役です。もちろんアリスも。 |
No.24 | 7点 | 白い兎が逃げる- 有栖川有栖 | 2007/06/03 02:12 |
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火村シリーズの短編集。
『不在の証明』は非常にロジカルな作品。ああいう風に言われたら、言い逃れはできないですね。 表題作はアリバイトリックもので、中編とも言える作品。 ドラマがよく書かれていて、とても面白かったです。 火村と犯人の対決前で物語が終わると言うのは、かなりカッコいい構成でした♪ |
No.23 | 10点 | スイス時計の謎- 有栖川有栖 | 2007/06/03 02:02 |
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これは表題作の素晴らしさだけで満点です。
残念ながら短編集なので、本格ミステリ大賞を逃したのだと思います。 しかし、表題作は短編だからこその作品でしょう。 これをだらだら長編にしたら、いかにも間延びしてしまう。 ロジックの行き着く先は、まだまだ奥が深いと感じました。 叙述トリックや大掛かりな機械的トリックと違って、 ロジックは元来長編に向かないんじゃないかな。 本1冊分の長大なロジックを読みきれる読者はまずいないだろうし、 小さなロジックやトリックの組み合わせで作品を構成するしかないでしょう。 そのロジックが短編向きなら、短編で書くほうがいい。 これを読んで有栖川作品の作風の謎が分かったような気がしました。 |
No.22 | 5点 | まほろ市の殺人 冬- 有栖川有栖 | 2007/06/03 01:49 |
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あまりにも低い評価に苦笑。
まあコンセプトがコンセプトなだけに、仕方ない部分もあります。 枚数も舞台も決まっているわけですし。 しかも「まぼろし」じゃないといけないんですから。 現実味に欠けているのは、演出・・・と考えましょう(^^; これは謎解きの論理を中心に据えた本格推理ではなく、 主人公の幻惑を体験するミステリなのです。 |
No.21 | 8点 | マレー鉄道の謎- 有栖川有栖 | 2007/06/03 01:41 |
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実際の殺人事件の謎と、大きな意味の仕掛け。
ミステリ界では乱発気味の叙述トリックほど派手な展開にはならないけれど、 小さなトリックの積み重ねで構成された作品の上に、もう1つひねりが。 個人的には「端正」という一言で片付けられてしまうのは納得できませんね。 激辛にない味を持った作品ですから。 |
No.20 | 7点 | 絶叫城殺人事件- 有栖川有栖 | 2007/06/03 01:28 |
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暗い読後感の物語が多かったですけど、後味が悪いと言うのとはちょっと違います。
ミステリを読むときの楽しみ方は人によって様々だと思いますが、 謎があって、トリックが意外で、犯人が意外で、びっくりして終わり。 というだけがミステリじゃないと私は思います。 純文学とは別のアプローチで「人間」を描けるのがミステリ。 そんな趣向にはぴったりの作品集でした。 |
No.19 | 6点 | 作家小説- 有栖川有栖 | 2007/06/03 01:20 |
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ミステリではない・・・かもしれませんが。
実際「奇妙な味」の分類はミステリの範疇だからいいのでは? 作家という職業の「謎」に取り組んでいるのでしょう。 スリラーあり、幻想小説あり、お笑いあり。 最後の『夢物語』にこそ、この作品集のメッセージがこめられていると思います。 |
No.18 | 7点 | 暗い宿- 有栖川有栖 | 2007/06/03 01:14 |
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館シリーズならぬ、宿シリーズ。
これはその宿の持つ空気のようなものが作品のミソですから、ロジックがどうのというのはあんまり考えてはいけません。 『ホテル・ラフレシア』の明るいのに怪しいムードがたまりませんね。 『201号室の災厄』では、ダイハード火村が見られますが、 ある意味一番ロジカルな作品だったかも。 |
No.17 | 9点 | 幽霊刑事- 有栖川有栖 | 2007/06/03 01:05 |
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これはファンタジー本格ミステリ恋愛小説とも言うべき作品。
とっても欲張りな意欲作ですね。 幽霊だから何でもアリと言うのではないのがいいです。 むしろ不自由で何もできないからロジックに頼るしかないわけで。 伏線もしっかり書かれているし、謎も興味深いものだし。 何より「幽霊」気分が味わえるというのが、楽しすぎます。 多分、題名で損をしてるんだと思います(ちょっと恥ずかしい^^;) |
No.16 | 6点 | ペルシャ猫の謎- 有栖川有栖 | 2007/06/03 00:59 |
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火村シリーズの中でも異色作ばかりの作品集。
火村というキャラクターを別の角度から見るには興味深いと思います。 キャラクターというのは、小説には必要なもの。 本筋では語られない部分を知ることで、より小説世界を楽しむことができる気がします。 そのための、手引書のようなものかな。 |
No.15 | 8点 | ジュリエットの悲鳴- 有栖川有栖 | 2007/06/03 00:53 |
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ノンシリーズ。しかも純然たるミステリの範疇ではないです。
ですが、だからこその色んな試みが楽しかったです。 ショートショートやギャグ、悲劇、奇妙な味の物語。 ロジックは薄くても、素敵な「謎」の一場面を楽しめる作品集でした。 |
No.14 | 9点 | 朱色の研究- 有栖川有栖 | 2007/06/03 00:46 |
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ミステリは単なるパズルで終わってはならないという作者の挑戦かと。
ジグソーパズルのピースの数が多ければそれでいい、という人はあんまりいないでしょう。 1000ピースでも2000ピースでも、出来上がった図柄から予想外の感銘を受ければ、なお嬉しい。 これは組みあがった後の余韻に浸れる作品だと思いますよ。 |
No.13 | 7点 | 英国庭園の謎- 有栖川有栖 | 2007/06/03 00:40 |
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ジャバウォッキーのスピード感は素敵でした。
こういうスピード感を「すがすがしく」描ける人は少ないと思います。 このあたりから火村&アリスのコンビも定着してきたので、キャラ好きな人には楽しめる作品かな。 キャラを記号に置き換えてでもロジックに徹したい読者には、物足りないかもしれません。 |
No.12 | 7点 | ブラジル蝶の謎- 有栖川有栖 | 2007/06/01 02:21 |
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一番唖然としたのは『人喰いの滝』ですね。
ちょっとすごすぎてコメントしにくいほど。 足跡トリックの好きな有栖川氏ですが、これは普通ばれるのでは?? 好きなのは『蝶々がはばたく』です。 これは心にしみる名作です! |