皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
Tetchyさん |
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平均点: 6.73点 | 書評数: 1602件 |
No.202 | 6点 | 魔術師- 江戸川乱歩 | 2008/03/24 23:26 |
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公開処刑に、遊園地を舞台にしたクライマックスシーンと乱歩印てんこ盛りの作品。
しかし、そのあまりの通俗さは読書を選ぶ事だろう。 手放しにお勧めできないのが玉に瑕。 |
No.201 | 10点 | 心理試験- 江戸川乱歩 | 2008/03/23 10:49 |
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初読は小学生の時。
だからこの点数はその時の感動した点数になっている。 ポプラ社の少年探偵団シリーズを読んでいた中の1冊に織り込まれたこの短編。 あのときの衝撃は忘れらない。 これほどまでの苦労をしても犯罪って見破られるのなら、やはり悪い事はしない方が絶対いい!と子供心に刷り込まれてしまった。 今思うと、この短編って子供の情操教育のいいんじゃないか? 今読むと、もはや擦れからっしの読者になっているので色んな粗を探してしまいそうなので、再読はしないでおこう。 やはり想い出は美しいままにしておくのがいいだろうから。 |
No.200 | 5点 | 黄金仮面- 江戸川乱歩 | 2008/03/22 19:32 |
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本典のルパンを読むと、やっぱり乱歩の描くルパンは違和感がある。
怪人二十面相ならば黄金仮面をつけるだろうが、ルパンはそんなものつけないもの。 ルパンシリーズでそんな怪人めいた変装はしないし。 なぜ怪人二十面相にしなかったんだろう? |
No.199 | 7点 | 黒蜥蜴- 江戸川乱歩 | 2008/03/21 17:10 |
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本作は小説で愉しむよりも映像や演劇で愉しむのがいいでしょう。
小説で読むとあまりに通俗すぎてベタな感じがしますが、映像や演劇だと逆にこれがよい演出効果を生み、ドラマチックになるからです。 「黒蜥蜴」のキャラクターも現代に繋がるファム・ファタルのいい原形ですね。 |
No.198 | 10点 | 孤島の鬼- 江戸川乱歩 | 2008/03/20 23:27 |
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乱歩の長編の中では一番好き!
謎めいた導入部、海水浴場での衆人環視の中での殺人、終盤の洞窟の中で繰り広げられる一進一退の攻防などなど、乱歩の通俗趣味がいい方向に出た作品だ。 特にあの姉妹が可哀想で、可哀想で・・・。 |
No.197 | 10点 | そして夜は甦る- 原尞 | 2008/03/18 22:48 |
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意外とみなさんの評価が低いのにビックリ!
デビュー作にしてこのクオリティにまず瞠目。 チャンドラーの諸作を読んでいるとところどころニヤリとする演出が散りばめられている事が解ります。 とにかく名文、美文のオンパレード! この良さ、解らない人たちが可哀想。 |
No.196 | 8点 | 二の悲劇- 法月綸太郎 | 2008/03/17 22:33 |
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二人称叙述を使用した試みは買います。
だってかなり難しいもの。 ある意味作者=探偵という構成のシリーズの根底を揺るがす作品。 でも悩んでますね、このときはまだ。 |
No.195 | 9点 | 法月綸太郎の冒険- 法月綸太郎 | 2008/03/16 19:32 |
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みなさんあまり好評でない「死刑囚パズル」と「カニバリズム小論」がツボ。
点数のほとんどはこの2編に献上! 沢田穂波・法月綸太郎コンビのビブリオ・ミステリシリーズは、最初のこの2編が圧倒的な熱を持っているのに対し、トーンダウンした感は否めない。 |
No.194 | 5点 | 螺旋館の殺人- 折原一 | 2008/03/15 23:56 |
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タイトルとは裏腹にやっぱりこの作家特有の創作叙述トリック物。
確かに作中作として『螺旋館の殺人』が挿入されているが、あまり大した事ないなぁというのが正直な感想。 当時は綾辻作品に傾倒していたので、これで綾辻氏が螺旋館という舞台で超絶トリックを思いついても書けないではないか!と逆恨み的に憤った覚えがあります。 |
No.193 | 6点 | D坂の殺人事件- 江戸川乱歩 | 2008/03/15 00:01 |
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こういう作品を読むと、つくづく乱歩は短編作家だと思う。
本当に書きたかった本格探偵小説は短編でしか成しえてなかったようだし。 一連の長編は通俗犯罪小説の域を脱していないし。 |
No.192 | 5点 | ふたたび赤い悪夢- 法月綸太郎 | 2008/02/24 12:43 |
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『頼子のために』が好きだった私はその後遺症が残る探偵法月綸太郎に辟易した。
ずっと悩んでばっかりで、エンタテインメントに徹していない。 作者のセラピーのために書かれたような作品だ。 |
No.191 | 6点 | 天井裏の散歩者 幸福荘殺人日記- 折原一 | 2008/02/20 14:26 |
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平成五年にその年だけ行われた「角川ミステリコンペ」に出展された文庫書下ろし作品。
『倒錯のロンド』の系統に連なる作家志望の主人公が織り成す虚実入り混じった叙述ミステリで、本作も縦横無尽に現実と虚構との間を練り歩く。 初めての人なら結構驚きがあるかもしれないが、何作か読んだ人なら既に免疫が出来ている折原パターンミステリ。 |
No.190 | 7点 | 一の悲劇- 法月綸太郎 | 2008/02/19 23:55 |
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ロスマク風悲劇は大好きなのでストーリーは好き。しかし、やはりこういう一種ハードボイルド的趣向の作品に密室殺人は合わない。
意外な犯人も『誰彼』同様、途中で興味を失ってしまった。 |
No.189 | 10点 | 頼子のために- 法月綸太郎 | 2008/02/18 23:12 |
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前3作でもやもやしていた割り切れない何かがこの作品でパッと眼の前から消え去った感じがした。
この作品がなければ、法月綸太郎は、新本格ムーヴメントの荒波に呑まれてそのまま、浮上せず、終わってしまっただろう。 この作品があったからこそ、新本格の旗手の1人として並び称されるようになったのだと思う。 みなさんの云う、あの後味の悪い最後が自分は好きである。 結局、何が恐ろしいのかというのをまざまざと見せつけてくれたからだ。 この作品がきっかけでロス・マクドナルドの諸作にも手を出すことになった。 しかし、その後の法月綸太郎を悩める探偵にした諸悪の根源のような作品でもあるのだが・・・。 |
No.188 | 4点 | 誰彼- 法月綸太郎 | 2008/02/17 13:58 |
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コリン・デクスターをやりたかったとのことだから、度重なる仮説のひっくり返しは覚悟していたが、これほどとは・・・。
みなさん同様、真相が解っても、「へぇ~・・・」って感じでした。 法月初体験には向かない小説。 |
No.187 | 4点 | 雪密室- 法月綸太郎 | 2008/02/16 22:49 |
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題名も内容もトリックもフツーの本格ですな。
2作目がこれとはちょっと痛い。 >マニアさんへ ぬいぐるみの「ぐりもお」はジョン・ディクスン・カーの作品『三つの棺』に出てくるグリモー教授から来ていると思われます。 |
No.186 | 6点 | 密閉教室- 法月綸太郎 | 2008/02/15 22:27 |
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今の法月作品からは考えられない青春ミステリ。
とはいえ、この作者特有の斜に構えた、皮肉な視点はすでにありますが。 学生の頃、信用できる大人として拠り所だった先生が、実は汚い大人の1人だった、そんなことを知ってしまう大人の世界を垣間見る作品ですかね。 主人公は、はっきり云って嫌いですが。 |
No.185 | 6点 | 地獄の奇術師- 二階堂黎人 | 2008/02/14 23:06 |
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古き良き探偵小説の香り漂う本格推理小説。
二階堂氏本人が読みたかった小説を誰も書かないならば俺が書くっていった感じで書かれたような小説だ。 とにかく乱歩作品のオマージュのオンパレード! みなさんのおっしゃっているように、犯人は簡単に割れますね。私もそうでした。 あと、終章に蘭子の口から語られる神学的推理、形而上学的推理ははっきり云って蛇足だと感じた。 もう作者の趣味で書いたような文章だ。 |
No.184 | 4点 | 探偵はバーにいる- 東直己 | 2008/02/14 00:02 |
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ススキノ探偵<俺>シリーズ第1作。
ススキノで便利屋稼業=トラブル回収業を請け負う俺がススキノの街で仲間と悪友との間を行き交いながら人捜しをする。 う~ん、ちょっと合わなかった。 文章がふざけすぎて情緒が感じられなかった。 想像していたのと違ったわ。残念! |
No.183 | 7点 | 虚無への供物- 中井英夫 | 2008/02/12 23:05 |
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ヒヌマ・マーダー・ケース。
サロメとか色々なガジェットが楽しかった本書。 『黒死館殺人事件』、『ドグラ・マグラ』と並んで3大ミステリと評される本書だが、確かに意外と読みやすい。 でも内容はちょっと古めかしいかな。 二階堂黎人の作品を読み慣れた人なら、そうは思わないかもしれない。 ただ殺人現場の真相が図面もないのに、アレでは納得が行かないんだけど・・・。 |