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八二一さん
平均点: 5.76点 書評数: 425件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.145 7点 夏に凍える舟- ヨハン・テオリン 2021/01/12 19:04
四部作の味わい深さといったらない。四季それぞれの島の光景が目に浮かぶ、描写の鮮やかさ。登場人物たちの来歴と人生の、果てしない奥行き。錯綜し意外性も具備しつつ、落ち着くべきところに落ち着いたと思える、ストーリー展開の質実。そしてあの、人生の条理と不条理を同時にたっぷりと味わえるような、これ以上ないほど見事で確かな読後感。

No.144 5点 虚構の男- L・P・デイヴィス 2021/01/12 18:57
ジョン・ブラックバーンみたいなことを考える変わり者がまだいたとは。あれよあれよという間にとんでもない光景に辿り着く怪作だが、実に愛らしい。

No.143 8点 ささやく真実- ヘレン・マクロイ 2021/01/12 18:54
読み心地の良い的をえた描写、ウィット溢れる会話などのマクロイの特徴はそのままに、飲めば誰でも真実を語ってしまう自白剤という魅力的な小道具を象徴的に用いて、真実と嘘というミステリの本質に正面から挑戦している。

No.142 7点 ラスト・ウェイ・アウト- フェデリコ・アシャット 2020/12/25 20:43
万華鏡を回していくように展開される「テッドの世界」は幻想的な装いを纏って鮮やかに移り変わる。展開の読みようがない奇書。

No.141 7点 チューリップ : ダシール・ハメット中短篇集- ダシール・ハメット 2020/12/25 20:37
この作品に添付された十篇の中短篇集が、いつもながら饒舌をそぎ落とした作品であるが、「チューリップ」では原作者の心理描写など、長々と述べられていて、いわゆる従来のハメット節と異なる点が面白い。

No.140 5点 過ぎ去りし世界- デニス・ルヘイン 2020/12/25 20:34
主人公は犯罪集団に入り、階段を駆け上って頂上を射止めた男の引退後の物語。一度トップを極めた男の身辺は安穏ではいられない。終局の悲しみは秀逸。

No.139 7点 彼女がエスパーだったころ- 宮内悠介 2020/12/08 15:00
もともと持っている、どこか渇いた文体と疑似科学を取材するという題材が程よく合わさって生まれた妙な迫真性が、強烈に記憶に残った。

No.138 5点 クララ殺し- 小林泰三 2020/12/08 13:53
不思議な国と地球、ホフマン宇宙という三つの世界のリンクやそのカギとなるアーヴェタールの設定が秀逸。

No.137 6点 希望荘- 宮部みゆき 2020/12/08 12:56
各々の苦難を背負って人生を生きる登場人物たちの哀愁や葛藤の描写が見事。

No.136 5点 倒叙の四季 破られたトリック- 深水黎一郎 2020/11/26 18:18
全4編にわたる倒叙形式で犯行の様子が詳細に描かれており「犯人はどこでミスを犯したのか?」という謎解きがフェアに楽しめる。

No.135 6点 アンデッドガール・マーダーファルス1- 青崎有吾 2020/11/26 17:51
空想世界に作者得意のクイーンばりのロジックが組み込まれており、ホラー・SF的要素を含みつつ、ミステリとして十分に魅力的。

No.134 6点 誰も僕を裁けない- 早坂吝 2020/11/26 17:43
館・密室・連続殺人等、ミステリの定番が多く登場し、それが終盤の怒涛の展開で鮮やかに纏め上げられている。

No.133 5点 棺の女- リサ・ガードナー 2020/11/09 18:17
監禁小説にしてスケールの大きな追跡小説。怒涛のような展開に圧倒される。

No.132 5点 アメリカン・ウォー- オマル・エル=アッカド 2020/11/09 18:13
近未来のアメリカを遠くない過去の出来事として描き、戦慄を誘う。アメリカの内戦を長引かせようとする黒幕的人物は、伊藤計劃の「虐殺器官」に出てくる謎のアメリカ人、ジョン・ポールの造形と双子的だ。

No.131 5点 ハティの最期の舞台- ミンディア・メヒア 2020/11/09 18:06
ありがちなストーリーながら、緻密な構成と丁寧な人物描写が効いていて、深く心をえぐられる作品。

No.130 5点 いまさら翼といわれても- 米澤穂信 2020/10/23 20:34
シリーズものであることを活かし切った短篇集。シリーズの世界を広げるサイドストーリーを高度な謎解き作品にしてしまう手腕に驚かされた。

No.129 6点 その雪と血を- ジョー・ネスボ 2020/10/23 20:06
主人公の無垢で純粋な美しさと残酷さ、そしてラストシーンの鮮やかさと切なさが胸に残る。

No.128 7点 青鉛筆の女- ゴードン・マカルパイン 2020/10/23 19:33
並列された三種の文章を追っていくうちに、やがてテクストとテクストとの間に「青鉛筆」で塗り消されたある人物の姿が浮かびあがり、胸を打つ。メタフィクショナルな手法がテーマと密室に結び付いた成功例。

No.127 7点 傷だらけのカミーユ- ピエール・ルメートル 2020/10/01 20:43
今回視点となるカミーユが恋する男と警察官の境目で揺れ動く上、事件全体が「あやつり」構造となり、事件の構図が刻々と変わるのに舌を巻く。

No.126 5点 月明かりの男- ヘレン・マクロイ 2020/10/01 20:39
キーボード・ブラインドタッチ・胸腺異常などのツールを極限まで活用する手腕が見事すぎて、その分リアリティで損している。

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八二一さん
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