皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
風桜青紫さん |
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平均点: 5.62点 | 書評数: 290件 |
No.10 | 4点 | 追想五断章- 米澤穂信 | 2015/12/19 09:07 |
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なんか予想に反したオチとかがあるかと思えばそんなことはなかった。導入部の発想なら本ミス大賞の候補になっても違和感はないんだけど。作中作のリドルストーリーもみみっちい自称文学だし、こんなもんに感心してるのはよほど普段文学に触れない輩だろう。文章と話のスジはまともなので4点にしておく。 |
No.9 | 5点 | 犬はどこだ- 米澤穂信 | 2015/12/19 09:01 |
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軽いタッチのハードボイルドもので、まあ、サクッと読めた。……としか言いようがない。事件のインパクトがうすいんだよね。米澤本人はこんなとってけたようなオチでも「連城三紀彦的」とか思ってそうだけど。紺屋くんのどうしようもなさとか、ネットで絡んでくる奴の怖さとか、けっこう楽しめるところもあったから5点。 |
No.8 | 5点 | ボトルネック- 米澤穂信 | 2015/12/19 08:55 |
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舞台やキャラクターの設定は面白いけど、ミステリーとしては弱いかな。主人公がなにやら苦悩しまくってるけど、共感しづらい(キャラの性格よりは作者の手腕のせい)から、「どうぞ好きにして」としか言いようがない。彼女かわいいし、兄貴もけっこういい奴じゃん。こんないい人たちをバカにするとは、嵯峨野リョウは死んでよし。うどんがうまそうだし、まあまあ楽しめたので5点。 |
No.7 | 6点 | さよなら妖精- 米澤穂信 | 2015/12/19 08:47 |
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米澤穂信を多少は見直そうと思ったのがこの作品。ミステリとしては弱いって意見が多いけど、途中のショボい日常の謎はともかくとして、ラストの生存確率推理に関しては、解決の行方を気にさせるという点で絶妙な盛り上げかたでしょう。「密室なんてなんかトリック使ったんだろ?」ってな白けモードにはならない。キャラの動きに関しても、守屋くんのガキっぽい健気さとか妙にじんとするし、マーヤも無性に儚げで可愛らしいから守屋くんの行動に説得力が生まれるんだよね。センドーや剣道部の顧問やホットドッグ屋のおっさんみたいな脇役もいい味出してる。というわけで、米澤作品でも別格(それでも6点だけど)。これデビュー作にすりゃよかったのに。 |
No.6 | 5点 | 夏期限定トロピカルパフェ事件- 米澤穂信 | 2015/12/19 08:37 |
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米澤穂信ってこの作品で一気にミステリランキングに名をつらねたんだけど、いまいちどこがすごいのはわからん(そこまで上位じゃないから、別にすごいわけでもないんだろうけど)。『シャルロットだけはぼくのもの』とか面白そうな事件設定なのに解決がしょうもなさすぎてがっかりしてしまった。ジョーゴロもゆきもあまり好きじゃないからキャラ読みできない(ゆきはもっとボコボコにされるべきだった)し、前作のが面白かったな。とはいえ安定した読み心地だったし、5点ぐらいはつけてもいいだろう。 |
No.5 | 5点 | 春期限定いちごタルト事件- 米澤穂信 | 2015/12/19 08:30 |
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ゆき嫌いなのよね。ああいう、ロリキャラなのに中身は凶暴――ってなキャラつけはそこから胡散臭さを感じる。この作品を評価する人に「キャラな魅力うんぬん」という人がいるけど、果たして、ジョーゴロやゆきやジョーゴロの元同級生の人に、作品ひとつ支えられるだけの魅力ってあるのか? ちなみに私はアンチ米澤だけど、この作品集はそんなに嫌いじゃなかったりする。日常ミステリとしての道具仕立てが面白いのだ。『おいしいココアの作り方』とか普通に感心しちゃったし。米澤穂信は文学を書く才能がないんだから、「青春のほろ苦さ〜」とか「人間を書く(書けてないっちゅうの)」とかやらんでいいと思う。こういう仕掛け重視の作品を多く出してりゃ、割と好きになれるかもしれないんだけどね……。 |
No.4 | 1点 | 愚者のエンドロール- 米澤穂信 | 2015/12/19 08:20 |
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我孫子武丸がかわいそうになってくる。自信作のアイデアをこんなせこい作品にこんなみみっちいパクられかたをされりゃ、それは怒りたくなるわな。ホータロの解き明かすひっかけトリックは綾辻の使い捨てをパクったただけ。真相や推理合戦もしょうもないし、これで『毒入りチョコレート事件』とか米澤はぜったいにラノベ読者をなめてるだろう。あと意図的に書いてるんだろうけど、千反田とホータロ姉のキャラクターが無理。いっぺん酷い目にあっちまえ。「あたしゃひとごろしの話なんて書きたかないのよー・゜・(つД`)・゜・」などと、ぶっ倒れる女は、優しいお方というより、すごく太宰治的なクズっぷりを感じちゃう(千反田も同類ってのがまた……)。こういう女はホータロが一発ビンタして目をさまさせてやらなきゃいかんのだ。彼は今回失敗したようだが、これからがんばってほしい。
(2016.2.15 追記) 「青春の挫折をミステリにからめてて上手いと思った」の一文で済むような感想を長々水増ししたあげく他の真面目な採点者の方々を愚弄する残念な採点者も中にはいるようだ。ところどころ文章が日本語になってない上に、作者の名前を間違えるという体たらく(さらに言えば『愚者のエンドロール』は群像劇ではない)でよくそんな真似ができるものだと感心してしまうが、まあ、作品を擁護する気持ちよりも、「ラノベを頭いい感じに解説できるかっこいい自分」を見てもらいたい気持ちが上回ってしまっているのだろう。 登場人物に好感が持てなければ、彼らが挫折しようが立ち直ろうが何も思わん。私はホータロも千反田もその他の登場人物も人間として気に入らないのだ。だから『愚者のエンドロール』を小説として面白いと思わないし、これまで読んだ中でもっとも嫌いな作品の一つだと思っている。勝手に「最後まで読んでない」などとテキトーなことを抜かさんでほしい。 |
No.3 | 2点 | 氷菓- 米澤穂信 | 2015/12/19 08:12 |
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ホータロのキャラが無理。腹立つもん、あいつ。ちくしょう。陸上部をバカにしやがって。でもそれ以上にトリックもストーリーも地味であくびが出てしまう。どこを楽しめばいいのかわからんまま読み終えてしまった。でも友だちには『氷菓』が好きって子が多い。理由を聞けば、答えはだいたい決まって、「千反田えるの声がかわいいから」。 |
No.2 | 3点 | 紅玉の火蜥蜴- 秋月涼介 | 2015/12/19 08:05 |
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いくら前作が売れなかったからって挿絵をつけるとは。アッキーにはプライドというものがないのか。でも、この鈴見敦の作画、わりといい。ユーリたんも翔子もやけにかわいらしく見えてくるので、「次の挿絵を見てえ! 」という思いが押し寄せて絶妙なリーダビリティを生む。要するに挿絵がよけりゃ中身なんてどうでもええのだ。アッキーはどうしてどうでもいいような脇役含めてひとりがたりをさせてしまうのか。全キャラの立場を平等にしたいのか知らんが、ただでさえどうでもいいストーリーがさらにうむむやになる気がする。そのくせ肝心のオッドアイの人は謎の存在のままだし(挿絵ぐらいにつけてやってよ……)。でも、話のまとまりとしては前作より上っぽい。消防隊員のトラウマ解消物語とか嫌いじゃないぞ。挿絵もいいし、適度に流し読みすれば、楽しめるかも。てか、つまんないんだけど、やっぱアッキーの作風好きなのよね。妙な手作り感に親近感を覚える。新作が売られてたら、つまんないの覚悟で買っちゃいそう。 |
No.1 | 2点 | 月長石の魔犬- 秋月涼介 | 2015/12/19 07:52 |
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結末には拍子抜け。大袈裟な表現の文章には白けるばかり。ただグロを書いとけば厨二病患者がひきつけられるだろ的なせこい考えの小説。先生にしろユーリたんにしろ言ってることが中学生の妄想レベルに月並みだから、厨二病患者がひきつけられるかは疑問だけど。風桜さんの存在意義ってマジでなによ。オッドアイのキャラを出したかっただけちゃうんかと。そのうえキャラもすごく月並みで薄いときた(冴葉みたいな脇役のがずっとキャラ立ちしてる)。ただ、こういうしょうもない小説を書いてしまうアッキーが妙に愛くるしいし、ネタ小説としては結構盛り上がるので2点。「これがメフィスト受賞作なとはお笑い草だ」とおっしゃってる方がいるが、森や流水みたいな連中を世に送り出してる時点でメフィスト賞なんて全てがお笑い草の新人賞じゃないかと思える。そういう意味ではアッキーは実にメフィストらしい作家なんじゃないだろうか。 |