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斎藤警部さん
平均点: 6.69点 書評数: 1304件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.184 9点 獄門島- 横溝正史 2015/07/09 13:28
相撲で言う心・技・体の充実を感じる作品です。

読んでみると、意外とあっさり爽やかな口当たりに驚かれる方も多いのでは。

それにしても、島の雰囲気が最高にいいですよね。。。 (住みたくはありませんけど) 

No.183 4点 交換殺人- フレドリック・ブラウン 2015/07/09 13:03
(ネタバレ気味)

見え見えでもいいからドンデン返しよ来てくれ! と願いつつ読んだんだが。。 
ドタバタするばかりでカタルシスの無いラストでした。 ブラウン先生もこんな”落ちる”本書いてる時間あったらSF短篇かショートショートの名作を一篇でも多く、世に放り投げて欲しかった。。 

とは言えご本人が好きだったんだろうなあ、こういうの書くの。

No.182 5点 3、1、2とノックせよ- フレドリック・ブラウン 2015/07/09 12:54
(最後の方ネタバレ)
『痴漢』と呼ばれる人物の押入り強姦殺人事件が連発する中、博打好きで女好きなクソ駄目オヤジが自業自得でがんじがらめの夜の街を彷徨うシーン中心の前半はちょっと退屈。 知恵遅れのヒーローかと思われた街の新聞売りが登場してから物語は活気を呈し、何人かの脇役達も(チョイ役達まで)男女共に存在感たっぷりの動きを見せる。このへんの描写は流石だね。 さて借金返済等々で進退窮まったクソ駄目オヤジは徐々にトチ狂った行動をとり始め、そうしているうち酒場で『痴漢』らしき人物に出くわすが。。 ハーフハッピーエンドとも見える皮肉なエンディングの余韻はともかく、『痴漢』の正体がまさか主要登場人物の誰でもなかっただなんて! そりゃ意外だよ肩透かしもいいとこ!! ま往年のそういう流儀の変質者(サイコ)スリラーって事なんですかね、でもこりゃミステリの流儀じゃないよな。やはりFブラウンさんは短篇の方が、それもSFの方が本領発揮出来るんじゃないでしょうか。(その割に長篇ミステリのラインナップがやたら目立つんですが)

No.181 8点 さよならドビュッシー- 中山七里 2015/07/09 11:58
略して「さよッシー」か。
(以下、途中からネタばれ気味)
音楽の美しさの描写に半端でない臨場感があり、楽器を扱う肉体感覚にもリアリティがある。 火傷やリハビリのくだりは本当に痛々しい。 物語の紡ぎ出しがスムーズだなぁ~~  と思って読んでたら、まさかの!! 火災事故で一人生き残りって設定あまりにベタ過ぎて逆に疑いもしなかったよ~ そしてあまりに堂々たる青春小説ぶり、音楽小説ぶりも大きなミスディレクションでしたね。 陳腐なトリックだけど見せ方が良かったね。

No.180 5点 盲目の理髪師- ジョン・ディクスン・カー 2015/07/09 06:58
題名に惹かれ、とてもとても若い頃手にしたもの。ごちゃごちゃドタバタしているばかりでしたが、、船上のざわざわした雰囲気は愉しめましたし、謎解きも驚きは特に無いものの雰囲気勝負でまずまず。 高い評価こそ付けられませんが、良い想い出の一作です。

No.179 3点 アラビアンナイトの殺人- ジョン・ディクスン・カー 2015/07/09 06:51
長いのは構わん、博物館という舞台装置も魅力だが、何しろ話が複雑すぎる上に詰まらんから読めないこと読めないこと! 頑張って結末に辿り着けば犯人は意外な人でも何でもないし、残念でしたお疲れ様! 構成の凝り様には新味があって、目次だけ眺めるには何やら愉しそうなんだけどね。。。 カーなのに、変に真面目に走っちゃった感が有る。 大きなこけおどしが欲しかった。

No.178 10点 - F・W・クロフツ 2015/07/08 08:02
とてもとても若い頃、玉砕承知で手に取りました。クロフツでは4冊目でした。
ところがですね、読み始めてみると豈図らんや、このさっぱり子供向きでなさそうな地道な捜査の物語が面白くて面白くて、予想外のスピードで読み切ってしまった次第! 捜査は地味でも犯罪そのものは派手(特にそれが樽の中から露見する冒頭シーン)で動きもダイナミックでスケール大きい、というのが助けになったのかな。 とても頭のいい樽の動かし方はクールなパズルの様でありながらそこには必ず海の匂い、鉄と油の匂い、微かながら屍体の匂い、、が生々しく付き纏うのが堪らない。やっぱり小説描写が上手いんだな。 名作中の名作と思いますよ。「黒いトランク」という忘れ形見も残したね。きっと再読するだろうなあ。

No.177 8点 秘密パーティ- 佐野洋 2015/07/08 07:08
暗闇の中、卑猥な映像が映し出されて始まる、男女入り乱れた怪しいパーティー。。その中で一人の女性が殺害されるが、参加者の中に政治家がいた事もあり、事を小さく収めるため病死という扱いに。ところがその「インチキ」を脅迫する者が現れた。。
若い時節に読み、その結末に うぁっ! となった忘れ得ぬ作品です。

No.176 7点 大密室- 佐野洋 2015/07/08 06:59
舞台がけれん味に溢れた表題作は、漆黒の闇で音も響かない完全密封の部屋(音響機器会社の実験室)に閉じ困られた男女、片方は屍体で発見され。。と始まる企画色の強い特異な密室モノ。 他にも、殊更に探偵小説の何らかの古典的テーマ、一人二役とか変装とか怪奇心霊現象とか、を現代社会(もうかなり昔ですが)を背景に仕立て直したりナニしたりして強力な個性を備えた六つの現代ミステリ小説群。ブラックユーモアの度合いも強い、興味津々の短篇集。

大密室 / 温かい死体/ 別人になる / 汚れた手 / 完璧な賭け / 妻の肉を喰った…
(徳間文庫)

No.175 6点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ- エドワード・D・ホック 2015/07/08 00:09
主人公の風貌通り、サラっとヒョロっと爽やかに謎が解けて行く。が、物足りない感じがしないのは何故だろう。やはりそれなりに深い謎と深い解決がずらりと並んでいるからか。好きな雰囲気の短篇集だ。ゆったりした田舎町で次々と起こる不可能犯罪。。(って。。。) 
さてすっかり忘れていましたが、本シリーズは老医師サム・ホーソーンが若い頃の探偵譚を若者に語って聞かせるという、まるで半七捕物帳みたいな形式だったんですね~
シリーズ番外篇「長い墜落」も、何だか熱いぜ。

No.174 5点 亜愛一郎の狼狽- 泡坂妻夫 2015/07/07 23:56
詰まらないと言うのは違うが、ぬるいね! スリルが無いよ!!
主人公が、変人は変人でも愛され変人というか、実生活で近くにいても全然オッケーなキャラクターってのがね、言わばゆるキャラみたいでね、それがストーリー全体に伝わって、緊張感を消してしまうのかな。
でもまあこういうのもあってこその泡坂さんなのでしょう。 推理クイズ集だと思えば、ちょっと悪くない。 

ただ「ホロボの神」の真相は、ちょっと胸に来るね。

No.173 4点 動く家の殺人- 歌野晶午 2015/07/07 18:39
面白かった「長い」、詰まらなかないがもう一ひねり欲しかった「白い」と来て、、 「動く」はただただ青臭い文章ばかり鼻についてちょっと不快。 つまり、外観はともかく内容で魅了ないし納得させてくれる代物、ではなかったということ。 とは言え4点くらいはキープ。 このぎりぎり大崩れしない信頼感は重要。

No.172 5点 白い家の殺人- 歌野晶午 2015/07/07 18:32
「長い」はなかなか良かった。。 それなりの期待を持って望んだこっちは若干の肩透かし。でも詰まらないって事もありません。 本格ミステリへ向かう筆者の意気込みが買えますね! 

No.171 7点 長い家の殺人- 歌野晶午 2015/07/07 18:29
青臭くて嫌いな類の文体にも関わらず、このお話は面白かったんだよなぁ~ 何がそんなに良かったんだろう? 大胆過ぎる一本勝負のトリックか? 「マリ」の目くらましか?? 

No.170 8点 渡された場面- 松本清張 2015/07/07 06:57
旅荘にて、中堅の小説家が残した捨て原稿。小説家はその後死亡し、原稿の中身は作家志望の青年にちゃっかり盗用される。 青年の小説は同人誌に載り、盗まれた部分の内容が、ある疑惑を呼び、ある手掛かりを紡ぎだし、物語は大いに躍動する。。
文壇の生態をちらりと絡め、旅情たっぷりに展開する魅惑的サスペンス。 過去犯罪と現在の犯罪の立体交差ぶり、そのインターチェンジぶりが見事。 短い小説だが充実の噛み応え。

No.169 7点 不安な演奏- 松本清張 2015/07/07 06:39
エロテープと来たか。。 悪くない権力筋覗き見サスペンス。 愉しく読める一冊。

ところでこの本の題名を見るといつもファン・ダリエンソというアルゼンチンタンゴのアーティストを連想します。その人の演奏が不安定なのではなく、語呂が似ているので。 

No.168 9点 異人たちの館- 折原一 2015/07/06 19:39
バカ叙述に墜ちない、硬質な読み応えを感じます。振り返れば中身が有って無いような不可思議な感覚と構造の物語ですが、読んでいる間はひたすら楽しめる。めくるめく謎の旋回と増殖を目の当たりにして、ロジックを追うとはまた異なる知的興味がぐいぐいと引っ張られ続けるのです。最後の叙述ギミックたたみかけは途中からやり過ぎと感じましたが、、それでも読了後もあのざわついた感触と不可解なきらめきは記憶の尾を引く。素晴らしいエンタテインメントでしたね。。

No.167 8点 高層の死角- 森村誠一 2015/07/06 19:29
題名通り、シャープに都会的な冴えを見せる一品。 高層ホテルを舞台に連関した二つの殺人事件。一方は二重密室(の中で当ホテルの社長が!)、一方は容疑者に強靭なアリバイの壁(殺られたのは前事件の第一容疑者にされた社長秘書!)。ホテルの構造(ハ―ド、ソフト両方)を踏まえたトリック構築とその瓦解に至るプロセスが実直ながら実にスリルに満ちて興味津々。専門事項の解説も巧みで分かりやすい(少なくともミステリの雰囲気を壊さず分かった気にさせる)。 ホテルの外で労される大規模物理的アリバイトリック(?)は、少なくとも現在の常識では、瞬殺で見えてしまう類だが、それですら「いつ気付くんだ、いつ気付くんだ!!」と面白いほどの切迫型リーダビリティ。
トリックに関しては明瞭に 密室<アリバイ の私ですが、この作はどちらも同じくらい良かった!!
でも一番の美点はやはり読ませるサスペンスであり、滋味有る事件捜査の描写だと思います。たとえトリックが古びてもその古さが小説の彩りに化けるタイプの古典名作ではないでしょうか。

No.166 3点 ビロードの爪- E・S・ガードナー 2015/07/06 19:03
どうも自分とは肌が合わないと憂いつつ、その題名の面白さに惹かれ、思い出した頃にまたリトライしてみるこの作家。 この第一作、またしてもダメだった。。 それなりに読めるけどイマイチ、ってのではなく、ズバリ面白くなかったな。。 それでも最悪とは程遠い。

No.165 4点 奇妙な花嫁- E・S・ガードナー 2015/07/06 19:00
相変わらず題名(特に邦題)付けは清張並みに秀逸で実に興味をそそる。だがしかし矢張りどうしても最初から最後まで強く引き込まれるものが無い(退屈で本を投げ出したくはならないけど)。 量産型に転向して以降の西村京太郎などは導入部から必ずどこかしら読者を捕らえて離さない強烈なミステリ興味の網を投げ掛けて来るが、この量産作家さんからは個人的にそのような挑まれ方を感じない。文化の相違も大きかろう。
ひょっとして、冒頭、必ず事務所への依頼で始まるという余計な安心感が良くないのかしら?

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斎藤警部さん
ひとこと
昔の創元推理文庫「本格」のマークだった「?おじさん」の横顔ですけど、あれどっちかつうと「本格」より「ハードボイルド」の探偵のイメージでないですか?
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鮎川 清張 島荘 東野 クリスチアナ 京太郎 風太郎 連城
採点傾向
平均点: 6.69点   採点数: 1304件
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