皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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バードさん |
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平均点: 6.14点 | 書評数: 324件 |
No.8 | 4点 | 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 | 2020/08/08 12:32 |
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作中でも指摘されていたが、本作は、殺人事件を扱っているにも関わらず、犯人が安全圏にいて緊張感が皆無である。そのせいで、質の悪い演劇(学祭とかでやってそうな)のような感じ。
個々の推理ゲームで面白いネタはあっただけに、設定で大損してる作品という印象。本作の設定でやるなら、いいとこ中編かな。流石に文庫本で520ページ分もやる内容じゃない。 <推理ゲームに対するコメント> aXeの問題 : 開幕から長々としたミッシリングで、退屈だった。本作の第一印象が悪い主要因。 ザンギャ君の問題 : 「ピースは全て回収しろ」の件は好き。実際、「生け頭」の意味もあったし、面白かった。 伴道全教授の問題 : 可も無く、不可も無く。 044APDの問題 : いい意味で一番力技な(ミステリらしい)問題だった。ザンギャ君の出題パートでまかれた伏線の回収も気持ち良く、5人の問題の中で一番好き。 頭狂人の問題 : 作者(歌野さん)としては、おそらく一番驚いて欲しい問題と思うが、頭狂人の家庭環境への言及が度々あったため、この事件はぶっちゃけ予想できた。ほぼ予想通りだったので今一つ。被害者の正体についてだけは、意表を突かれたが。 最終章 : いいオチが思いつかず放り投げた感がある。(半端に終わっているが、一応続くのかこれ?)私はこのオチ嫌いよ。 |
No.7 | 5点 | さらわれたい女- 歌野晶午 | 2019/12/21 13:57 |
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一番面白い作品がデビュー作という人は多いが、歌野さんはデビュー作の『長い家の殺人』から、『葉桜』にかけて明らかに実力を伸ばした作家と思っている。
本作であるが、話の筋は悪くないと思うし、メインの人物誤認ネタは素朴だがgood。 ただ、多くの箇所で表現や人物描写がこなれてなく、今一つ物語にのめりこめないまま読み終わった。作家として跳ねる前の助走作品だなという出来。 あと、本作の仕掛けはシンプルで良いのだが長編のメイントリックとしては少し弱い気もする。100~150ページの中編向けのトリックと思った。 さっと読め、楽しめはしたが、他人に歌野作品を勧める場合にわざわざ本作を選ばないかな。同時期の歌野作品同士で比べても『死体を買う男』の方が好きです。 |
No.6 | 7点 | 死体を買う男- 歌野晶午 | 2019/05/07 11:15 |
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昔予備知識なしで50ページほど読み、これは頭を乱歩作品脳にした上で読んだ方がいいなと悟り、いったん読むのを止めた。最近乱歩の傑作選を読んだので、ちょうどいいと再挑戦した。
二転三転する構成に興奮し、8点をつけたい気分だったが、少し冷静になるといくつか気になる点(個人的には作品を評価する上で重要な点と思う)も見つかったので、一点引いた7点とすることに決めた。 ・良かった点 1 塚本父の自殺に見せかけた理由が上手い。 2 塚本兄弟の入れ替わりの伏線がきちんとしていて違和感がない。 3 最後に当事者が告白するため、結論の曖昧さがない。(入れ替わりネタは真実をぼかすケースも多々あるので) ・気になった点 1 作中作が乱歩節な理由が単に作者(西崎君)の好みだけだった点。 2 上手く書いてるけど実は双子の入れ替わりネタという、超古典的ネタに終始しており、そこにオリジナリティが少なかった点。 |
No.5 | 8点 | 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 | 2014/01/20 06:08 |
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歌野さんの作品の中では1、2を争う高評価を受けている作品なのでハードルはけっこう高めに設定した、しかしそんな高いハードルもこの作品は悠々と越えていった。
なぜおもしろいと思えたかと言われれば自分が典型的な中途半端に考えようとするミステリ読者だったからだろう。2章で古木節子がの話がでて以降中々本編とリンクしてこない、そこで麻宮さくら=古木節子かなと考える人が多数で自分もそのように考えたがさくらの登場するシーンで妹より若いとある。てことは違うかと思わせてからのラスト手前でのタネあかし、きれいに騙されたね。 元々話自体も面白く特に謎のない序盤から中盤にかけても退屈せずに読めた、それにくわえて肝のトリックが良く思えたからかなりの高評価につながった。ぱっと思いついた点数は9点だったがミステリとしては叙述一本だのみなところが唯一残念なところ、その分の1点を引かせていただいた。 |
No.4 | 4点 | ガラス張りの誘拐- 歌野晶午 | 2013/08/05 16:31 |
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事件の順番が時系列どおりになっていないのに何か仕掛けがあるのかと思いきや特になかった、事件の解決もたいした面白みもなく凡作以下だと思った。ただ登場キャラクターは好みだった。 |
No.3 | 6点 | 動く家の殺人- 歌野晶午 | 2013/07/10 11:21 |
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前の二作品よりも登場人物のなりがイメージしやすかった、そのかいあってか製作をこなす信濃には妙な違和感を感じてはいた。和や風間といった脇キャラもよく表現されていたと思う。そういった点では前二作よりも高評価をつけたい。
しかし本物の信濃が出てきてからの謎解きがなぁ・・・、無しではないけど好みじゃなかった。あとやはり違和感こそあったものの信濃が偽者だという伏線が足りなくて終盤の本物登場が唐突すぎた気がする。 |
No.2 | 6点 | 白い家の殺人- 歌野晶午 | 2013/06/20 20:33 |
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長い家の殺人からあまり間隔をあけずに読んだ、結論としては雪の密室、アリバイ作り、不本意な密室など本格物の基本的な内容を押さえているなぁと思った。衝撃的な真相はなかったが無難に面白かった、ただ自分は共犯物は若干フェアじゃないイメージはあるが・・・。
あとこれは内容には関係ないけど嵐の山荘が書きたかったとあったわりにはほとんど孤立してないように思えたのだが歌野さん的には満足いったのだろうか? |
No.1 | 6点 | 長い家の殺人- 歌野晶午 | 2013/06/09 10:59 |
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容疑者の人数が無駄に多くなく犯人当てやトリック当てをする気になれたのは良かった。ただトリックはかなり簡単な部類だと思ううえゲミニーハウスの部屋数ならまだしもライブハウスの方では流石に気づかれるだろうと・・・。
まぁ楽しめはしたのでこの点数で、5点かどうかでは迷うところだが。 |