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ミステリーオタクさん
平均点: 6.97点 書評数: 171件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.71 7点 カンタベリー・テイルズ- 真梨幸子 2020/03/18 23:50
「聖地巡礼」というタイトルで講談社ノベルスから刊行された作品を、改題して文庫化された短編集。

マリちゃんの短編集といえば連作がお約束で、本作も連作短編集といえなくもないが各々のストーリーの関連性は申し訳程度なのでバラで読んでも全く問題なし。
その各々のストーリーも決して悪くはないが、マリちゃんミステリとしてはさほど悪臭度が高くない。でも文章はとても読みやすいので余剰時間の消費には最適。
少しビクっとしたのは、ノベルスは2011年発行なのに最終話で「新型糖尿病」や「テセウスの船」というワードがキーになるところ。

No.70 8点 Dの殺人事件、まことに恐ろしきは- 歌野晶午 2020/03/10 00:03
江戸川乱歩の有名短編の数々を、現代を舞台に翻案した短編集。
全7編のうち6編は歌野流イヤミスで、人間の狂気的執念の恐ろしさや絶対的悪意、日常に潜む異常な行動原理などをミステリに絡めて味わわせてくれる。

自分は第4話「お勢・・」からはノンストップだった。

No.69 7点 人生相談。- 真梨幸子 2020/02/17 22:43
連作短編集の体をとっているが実質長編。

理屈ぬきで読みやすくて面白い。

ただ全9話のうち7話目ぐらいまでのリーダビリティは絶大だが、終盤はそれまでに出てきた人物や後出し人物やエピソードが時系列のボードにおいてモグラ叩きのように出てくる。作者としては多くの事象の混乱の糸をほぐしている「解答編」のつもりなのだろうが、こちらとしては記憶を掘り起こす作業を強いられるため結構エネルギーを要することになる。
読後も「ん?、これで全部解決したんだっけ?」とイマイチすっきり感に欠ける。
でも相変わらず多かれ少なかれどこかバカっぽい登場人物たちの言動は笑えるところが多いし、俗物心をくすぐりながら進むストーリーはマリちゃんならでは。

No.68 8点 ずっとあなたが好きでした- 歌野晶午 2020/01/30 20:53
本書を今後読むかもしれない人は、以下読まない方が宜しいかと。

13のストーリーが収録された短編集だが、10作目までは読みながら「とにかく長い」「そんなネタでこんなにダラダラ引っ張るなよ」「こんなんでポケットにも入りにくい分厚い文庫にすんじゃねえ」・・・・・
全て恋愛絡みだが、訓話っぽい御託も入ってたりするし、『正月十一日、鏡殺し』のような血も涙もない残酷さは微塵もなく、「晶ちゃんも歳をとったのかな~」と少し淋しさすら感じてくる。
例外的に第5話「ドレスと留袖」は秀作ミステリーと感じたが、表題作などは最後の一行まで騙された読者がどれほどいるのだろう。
全く意味不明あるいは意図不明の作品もある。

し・か・し、第11話「女!」のラストで「ん!?☆」と来る。
そして最後の2話。本書のタイトルの意味が分かった気にさせられた上で、更に裏切られる。

やはり歌野は晶午であった。(何のこっちゃ)

No.67 9点 往復書簡- 湊かなえ 2019/09/18 06:39

湊作品マイベスト3
①十五年後の補習(本短編集に収録)
①ムーンストーン(短編集「サファイア」に収録)
        以上順不同
③少女

しかし湊さんは娘さんが高校生になった今でも、都心の高級住宅街に出てくることもなく兵庫県の都会とは言えない地に在住しているのが凄いと思う。

No.66 6点 ポイズンドーター・ホーリーマザー- 湊かなえ 2019/09/17 22:50
今後本短編集を読むかもしれない人は以下読まない方がいいと思われる。


・マイディアレスト:作者らしいイヤミス
・ベストフレンド:ミステリ的にはこれがベストかな
・罪深き女:読ませてくれるが、結末というか真相はあまり「らしく」ない
・優しい人:これも面白いが、女性主人公の人間性は入念に書き込まれているのに対し男の人格描写は飛躍気味の気がする。作者が女性だからか。
・表題作2話:もっとミステリチックな話を期待していたがシビアでシリアスな母娘の物語。しかしリアリティは乏しい。

全て女性の心理描写が中心のストーリーだから、女性読者の方が作者の真意に近づけるのではないかな。

No.65 7点 鸚鵡楼の惨劇- 真梨幸子 2019/08/30 12:46
さすがマリちゃん、読ませてくれる。
ただミステリーとしての完成度は初期の作品に比べて高くなっていると思うが、個人的には「フジコ」や「孤虫症」のような比類なき生臭さと絶大なリーダビリティをもう少し期待したかった。

No.64 8点 赤い博物館- 大山誠一郎 2019/08/30 12:39
自分もベストは「死に至る問い」。
『アルファベット・パズラーズ』の「Yの誘拐」に並ぶ驚愕作。

No.63 7点 イヤミス短篇集- 真梨幸子 2019/08/06 21:58
この作者でこのタイトル・・・当然期待値が跳ね上がり、小汚ない雑多料理屋の裏の特大生ゴミポリバケツの蓋を開けた時のような生臭さが味わえるかと思ったが、せいぜい腐りかけた青カビチーズ程度だった。
マリちゃんにはもうデビュー作やドロドロ三部作の頃のパワーはないのだろうか。

No.62 8点 ミステリー・アリーナ- 深水黎一郎 2018/08/31 17:58
発刊当初から読みたかったが、基本文庫派なので・・・と思っていたら今年の6月に文庫化された様子。

うん、面白かったですよ。私が好きな〇〇をメインにいろいろなトリックが語られていて。
ミステリーを知り尽くしすぎた作家が書いた作品という感じかな。
ミステリー読書歴が浅い人にはあまり向かないかも。

No.61 7点 母性- 湊かなえ 2018/08/17 13:25
率直に感想を述べるとどうしても結末に触れてしまうのであまり語れないが、とにかく深い作品。
作者の作品群の中ではメジャーな方ではないかもしれないが、湊かなえの魂が最も込められた作品ではないだろうか。

「娘」がウチの小学生の娘と少しダブる感があったところも個人的には印象深かった。

No.60 4点 高校入試- 湊かなえ 2018/08/17 13:19
あまりの退屈さに60ページほどで放り出す。

No.59 7点 サファイア- 湊かなえ 2018/06/01 15:56
作者の味がよく出ている短編集。
「ムーンストーン」:驚いて泣いた。

No.58 6点 境遇- 湊かなえ 2018/05/16 16:43
ミステリーとしてのデキはともかく、さすが湊さん、時間を潰せる読み物としてはハズレがないなー、という感想。

No.57 4点 証拠は語る- マイケル・イネス 2018/05/12 15:37
何か冗長で退屈

No.56 6点 我が家の問題- 奥田英朗 2018/04/11 10:24
ずば抜けた読みやすさは相変わらずだが、ミステリーファン、奥田サスペンスファンとしては、ほのぼのファミリー系は一冊でよかったかな。

No.55 8点 クリスマス・プレゼント- ジェフリー・ディーヴァー 2017/12/24 16:54
皆さん、メリークリスマス!
どんなイヴを過ごしていますか?

私は午前中、家族でフラワーミュージアムに行きクリスマス仕様にショーアップされた館内で雰囲気を満喫し、帰ってからは昨日市場で買ったマグロとカキ(絶品!)とシャンパンでプチパーティー。その後昼寝して、今はワイフが夜の本チャンの準備中です。

おっと、本作の感想・・・ポーカーレッスンの書評でも書いたとおり、やはり「三角関係」には完全にやられましたね。

今宵は未だサンタを信じている子供たちの枕元へ・・・クリスマス・プレゼントを。

No.54 9点 過ぎ行く風はみどり色- 倉知淳 2017/11/13 08:52
まぁ固いこと言わずに肩肘張らずに読めば、適度なミステリアスとグリーニッシュな読後感を味わえる楽しい読み物でしょう。

No.53 8点 生存者、一名- 歌野晶午 2017/09/30 10:03
文字どおり絶海の孤島でのサバイバル物だが、この短さと読みやすさで、このスリルを味わえれば、ほぼ満足。
オチも独創的。

No.52 9点 わが一高時代の犯罪- 高木彬光 2017/08/21 13:04
亡き祖父から旧制高校の話はよく聞かされたが、そのエッセンスと時代背景に各種寮歌が彩りを添える不可思議ミステリーの表題作は素晴らしい。
他の作品も昭和中期のレトロなミステリアスに包まれた佳作集。

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γーが3桁に突入してから週3日禁酒すると強く心に決めているが、なぜか週2日あるいは1日になってしまうことが多い。(仕事上週1で「泊まり」があるため0にはならない、ていうか休肝目的で泊まりを始めました。貴...
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