皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1660件 |
No.20 | 8点 | そして名探偵は生まれた- 歌野晶午 | 2023/09/18 10:09 |
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①そして名探偵は生まれた 8点 山荘のホールでの殺人事件。外は雪で足跡なし。本作の評価のポイントは「密室のトリック」の良し悪しではなく、如何に「名探偵が生まれたか」の経過と動機にあります。その点、ブラックでユーモアに満ち、言うことなし。お見事!
②生存者、一名 9点 単行本で書評済 ③館という名の楽園で 8点 単行本で書評済 |
No.19 | 7点 | 正月十一日、鏡殺し- 歌野晶午 | 2023/05/22 05:54 |
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①盗聴 6点 「カチカチドリを秋葉原で飛ばせ」という意味不明な会話を傍受・・・童話(盗聴を兄に知られ笑える)
②逃亡者大河内清秀 7点 女の子に声をかけられ好きになってしまう。友人は詐欺というが・・・逃亡者の手記(コミカルで楽しめる) ③猫部屋の亡者 7点 猫好きな彼女を殺してしまった。翌日から彼女の声が聞こえ始めた・・・悪霊妖気退散(気がおかしくなっていく様子がうまい) ④記憶の囚人 5点 主婦が錆びた玄関の鍵を握って殺されていた・・・アルコール依存症(読者を混乱させる幻想的な詩は微妙) ⑤美神崩壊 8点 マンションを訪ねると彼女の顔は傷だらけであった。病院へも警察へも行きたくないという。レイプ?・・・美貌(「最後の一行」物が好きなもんで) ⑥プラットホームのカオス 7点 問題児の中学生が担任教師と同級生の目の前で電車に撥ねられた・・・告発された同級生(遠くから見るとそうなるか) ⑦正月十一日、鏡殺し 8点 夫を事故で亡くしてからは、義母が疎ましくなってきた・・・鏡餅(やるせなく、救いのない物語) |
No.18 | 6点 | Dの殺人事件、まことに恐ろしきは- 歌野晶午 | 2021/04/13 17:36 |
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どのように現代風にアレンジしているのかが見ものです。近未来的なハイテクも登場
①椅子?人間! 6点 元カレがストーカーに・・・まことに恐ろしきは「人間椅子」 ②スマホと旅する男 6点 スマホに写っている女性は誰?そして旅する男の正体は・・・夢か幻か? ③Dの殺人事件、まことに恐ろしきは 7点 娘が上半身裸で死亡。背中には鞭の痕。犯人はSM愛好者?”D坂の殺人”でないところがミソ ④「お勢登場」を読んだ男 4点 茶箱に認知症の義父を閉じ込めることを思いつくが・・・ ⑤赤い部屋はいかにリフォームされたか? 6点 「赤い部屋」の舞台劇の千秋楽であるが、この劇は永遠に終わらないの?・・・ ⑥陰獣幻戯 8点 女性をみては妄想する男。ある女性にアプローチしたところ・・・著者らしいオチのどんでん返し ⑦人でなしの恋からはじまる物語 5点 「人でなし」で始まり「二銭銅貨」で終わる。「人でなしの恋」がダブルミーニングであったことを今頃気がついた(笑) |
No.17 | 7点 | ディレクターズ・カット- 歌野晶午 | 2017/12/30 20:09 |
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シリアル・キラーが、TVの「やらせ番組」で無軌道な行動をとる若者を襲った。TVディレクターは、若者を囮にし殺人鬼の逮捕劇を生中継することを計画するのだが・・・。題名から予想されるどんでん返しを期待していたら、まったく別方向からの一撃が待っていました(笑)。ラストで、「ディレクターズ・カット」の真意が明らかにされるあたりはうまい。 |
No.16 | 6点 | 安達ヶ原の鬼密室- 歌野晶午 | 2016/11/20 11:11 |
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著者の特徴といえば、バラエティーに富む作品を提供してくれるということでしょうか。本作では、それを一冊の中に閉じ込めたといった印象を受けました。そして、読み終えるとある共通点が”浮かび上がる”といった洒落た作品になっていると思います。表題作は長編で読んでみたい気もしましたが、やはりトリックを隠す点では難しいのかもしれません。如何せん「痕跡」を隠しとおすことには、かなり策を労することになるでしょう。作中作の「密室の行水者」の題名について。著者は小学生の頃読んだロナルド・ノックス氏の「密室の行者」(未読)に衝撃を受けたそうです。そこからのヒントでしょうか?。 |
No.15 | 6点 | 春から夏、やがて冬- 歌野晶午 | 2014/03/07 12:39 |
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救いようのない残酷な物語でした。ミステリー要素は薄いが、題名は秀逸。 |
No.14 | 8点 | 館という名の楽園で- 歌野晶午 | 2014/02/14 08:31 |
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館の主人に「夢が叶ってよかった・・・」と言ってあげたい気持ちになりました。自分が登場人物以上の年齢であるから、感情移入ができたのでしょう(苦笑)。ラストの描き方をみると、著者の原点(館)から、その後の変貌(ミステリーの多様性)にかかる過渡的な作品のように思えます。トリックと伝説がうまく融合していました。余談「夢」について・・・野球少年が甲子園の土を踏みたいのと同様に、サッカー好きの私は天然芝の球場で試合をしたいが夢でした。この歳までサッカーを続け、やっと最近念願が叶いました。なので次の夢は「ハット・トリック」(笑)。評価はトリック6+物語性(夢)2と甘くしました。 |
No.13 | 6点 | 動く家の殺人- 歌野晶午 | 2014/02/08 17:31 |
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題名からして、トリックはあまりにも簡単すぎるので、その裏に何かあるのか?と期待してしまいました(笑)。別の意味で裏があったわけですが・・・。名探偵・信濃譲二シリーズを読む初めての読者にもわかるような伏線があればよかったのでは?と思います。登場人物が出演する舞台のドタバタ喜劇?部分は笑えないのですが、なんとなく不思議な魅力がありました。 |
No.12 | 6点 | コモリと子守り- 歌野晶午 | 2013/06/20 17:31 |
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舞田ひとみシリーズは、そのキャラクターを想像してしまい、食指が動かず未読でした。やはり、予想通りのキャラクターで、会話のテンポ、思考回路にはついてゆけませんでした。次回作?20歳のひとみなら読みたいかな(笑)。ということは、さておき本体の誘拐事件は、十分楽しめましたね。 |
No.11 | 6点 | 魔王城殺人事件- 歌野晶午 | 2012/08/12 17:37 |
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(ミステリーランド)子供の視点で描かれていて好印象です。トリックはばかばかしい?けど、島田荘司氏の屋敷もの、東川篤哉氏の館ものを彷彿させてくれます。この手のトリックは好みなので甘めの採点で。デジカメに写っているはずの被写体が消えるトリックには騙されてしまいました(笑)。 |
No.10 | 6点 | 絶望ノート- 歌野晶午 | 2012/05/28 15:33 |
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なんとなく予想していたので驚きはそれほど感じませんでしたが、読みごたえはありました。主人公、ジョン・レノンかぶれの父親、主人公を嫌う女子学生、異常に主人公に声をかける先生等々の性格がうまく描かれていたと思います。ブラックな味わいでした。 |
No.9 | 6点 | 死体を買う男- 歌野晶午 | 2012/01/15 10:37 |
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作中作で過去と現在が入り乱れ、複雑な展開となっています。ラストの方は、頭を整理してからでないと、題名「死体を買う男」の意味を理解するのに時間がかかります。 |
No.8 | 5点 | 長い家の殺人- 歌野晶午 | 2012/01/15 10:36 |
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著者のデビュー作。プロローグからミスリードしますよと力が込められているのが初々しいです。トリックは、題名から推測されやすいと思いますし、またA7のコードに関するメッセージはかなり苦しい感じがしました。しかし、本格へ取り組む姿勢みたいなものは感じることができました。 |
No.7 | 4点 | 女王様と私- 歌野晶午 | 2012/01/15 10:36 |
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叙述のオンパレードといった感じで楽しめました。但し、ラストは好みでないのでこの評価としました。しかし、まあ、この著者はいろんなパターン(作風)をよく提供してくれますね。 |
No.6 | 5点 | ガラス張りの誘拐- 歌野晶午 | 2011/12/21 18:51 |
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親心(刑事)、子(娘)知らず。その後、この親子はどうなったのでしょうか?誘拐事件でマスコミ(TV)を巻き込むものは、今まで読んだ中で「大誘拐(1978)」「模倣犯(2001)」「犯人に告ぐ(2004)」がありましたが、ミステリー度は本作品(1990)が一番高いと感じます。 |
No.5 | 6点 | Rommy- 歌野晶午 | 2011/12/11 18:36 |
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著者の転機になる作品らしいのですが、今一つROMMYに感情移入ができませんでした。それは、ROMMYの隠された真実に要因があるような気がしています。単なる好き嫌いの問題ですが・・・。ミステリーとしては面白いものでした。 |
No.4 | 7点 | さらわれたい女- 歌野晶午 | 2011/10/12 18:00 |
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1991年作品ということで、自動車電話が出てきたり、懐かしい感じがします。初期?の作品らしく正攻法で書かれているという印象を持ちました。題名、本文1行目にインパクトがあり、内容も楽しめました。 |
No.3 | 10点 | 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 | 2011/08/18 16:37 |
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「そして誰もいなくなった」「オリエント急行の殺人」「本陣殺人事件」は「なるほどそういうことか」と感心。「弁護側の証人」「イニシエーション・ラブ」は「うん???ああなるほど」と感心。これは「えっ~?!そういうことだったの」とビックリ仰天。 |
No.2 | 9点 | 世界の終わり、あるいは始まり- 歌野晶午 | 2011/08/18 16:17 |
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題名からして哲学的。哲学とは「少し考えること」と、どこかの大学教授が言っていたけれど、これは、たくさん考えさせられました。終わり方もこれで良し。満足です。 |
No.1 | 9点 | 生存者、一名- 歌野晶午 | 2011/08/18 16:05 |
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きっちりと騙してくれると思いながら読んで、きっちりと騙されました。発想がいい。 |