皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
虫暮部さん |
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平均点: 6.22点 | 書評数: 1848件 |
No.288 | 5点 | 新しい十五匹のネズミのフライ- 島田荘司 | 2016/01/26 11:43 |
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バウチャーことメリーウェザーが親しく付き合い始めた女性がワトソンの義姉だった、という偶然は許容範囲内か? ちょっと受け入れがたいなぁ~。 |
No.287 | 7点 | 凪の司祭- 石持浅海 | 2016/01/20 09:56 |
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第七章で、三枝が百代を追って走り出した時、それを放置して他のメンバーは別方向へ歩き出す。これが防犯カメラに映っていれば充分に不自然な行動だと思うが、メンバーの誰も問題視していないのはおかしい。 |
No.286 | 6点 | 月は幽咽のデバイス- 森博嗣 | 2016/01/06 08:15 |
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登場する諸々のガジェットは面白い。但し水槽は存在自体が不自然だなぁ。うっかりすると床が水浸しになる設備を、敢てオーディオ・ルームに置くか。部屋の仕組みと連動して水路を遮断するような細工も可能でしょう?
ところで、再読して記憶違いに気付いた。パラボラ・アンテナについて犀川先生が解説するシーンがあると思っていたけど、そもそもシリーズが違うわ。記憶なんてあてにならないものだ。 |
No.285 | 7点 | ぺてん師と空気男と美少年- 西尾維新 | 2016/01/04 10:17 |
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“ライバル校の企みを暴け!”て少年漫画か! ミステリ的には薄味だが面白い。この世界設定でこそアリなネタを上手く使っていて、まぁそういう芸風って事で。私は好きです。 |
No.284 | 8点 | 掟上今日子の退職願- 西尾維新 | 2015/12/30 11:08 |
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ここまで思い切って色々な要素を省いて骨格だけにしてもちゃんと成立するのは、ミステリのお約束的な部分が実は単なる形式に過ぎないと言っているようだ。どうせダミーに決まっている容疑者のプロフィールとかアリバイとかダラダラ読むのは確かに無駄だよなぁ。それで尚、単なる推理クイズに堕することなく“小説”として読ませる西尾維新の筆力は見事。 |
No.283 | 5点 | 人形式モナリザ- 森博嗣 | 2015/12/10 12:24 |
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“犯人は誰を騙そうとしたのか”という問いは魅力的だが、あのトリックでどうしてソレを騙したことになるのか判らない。あと、探偵役は提示されている手掛かりでどのようにその解答(犯人の内面)に辿り着けたのか。探偵役が直感で作者の言いたいことを代弁してしまうのはズルだと思う。 |
No.282 | 6点 | 人間の顔は食べづらい- 白井智之 | 2015/11/27 09:32 |
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基本設定は凄いツボ。しかし、登場人物の動きが不自然に感じられる箇所は多々ある。
因みに、“柴田和志(通称チャー坊)”というのは“村八分”のヴォーカリストの名前そのまま。同バンドのギタリストは“山口冨士夫”。タイトルは“ヒカシュー”の♪人間の顔は面白い~、という歌をもじったものか。 |
No.281 | 6点 | その可能性はすでに考えた- 井上真偽 | 2015/11/17 12:34 |
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ひとつ違和感があるのは、ギロチンや閂について、少女は体力的に動かすのは無理、と断定していること。ちょっと基準がファジィではないか。もっと物理的な根拠を用意して欲しかった。 |
No.280 | 7点 | 記憶破断者- 小林泰三 | 2015/11/02 11:50 |
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前向性健忘症の田村二吉(!)が、特殊能力を持つ殺人鬼と対決する(!)という話。雲英(きら)というネーミングから察するに『デスノート』へのオマージュ? スピード感のあるストーリーの途中に結構込み入った論理が組み込まれていて引き止められてしまうのが難だが、作品の性質上仕方ないか(止まっちゃうのは私の理解力の問題だし)。
気になった点。第2章で、コンビニでせいぜい2000円程度の品物のためにアレコレやっているが、それは効率が悪い。「能力」でいくらでも他人からカネを引き出せるのであれば、万引きをする必要は無いだろう。こういう能力の持ち主は、カネに頓着しない性格になるのでは? |
No.279 | 7点 | 美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星- 西尾維新 | 2015/10/26 11:45 |
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西尾維新、なんか色々やりたい放題である。狙ってるなぁと思いつつ乗せられれば爽快。まぁ冷静に見れば一発ギャグみたいなコアのまわりにラノベ的な彩りをぐるぐる巻き付けて長編に仕立てたもの。ぶちこまれるオマケの要素は典型的ではあるが、巧みな文体によってラノベに対する批評にもなっている、とは愛読者の欲目か。〈物語〉シリーズがハーレムものだったのでバランスを取るために美少年山盛りのシリーズを立ち上げたのかと愚考します。 |
No.278 | 8点 | 愚物語- 西尾維新 | 2015/10/22 11:46 |
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まだ続く〈物語〉シリーズ、ファイナルシーズンのあとのオフシーズン第一弾だそうです。第一話「そだちフィアスコ」はハードボイルドの新参者ネタを青春小説風にソフトに書いたようなもの。第二話「するがボーンヘッド」は暗号ものなのでミステリと言えなくもない。あくまで西尾節であってミステリとしての面白さとは違うけれど。 |
No.277 | 5点 | 署長・田中健一の憂鬱- 川崎草志 | 2015/10/22 11:43 |
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これはまた思い切った新機軸。田舎のお飾りキャリア警察署長が活躍しないユーモア小説。ミステリ味は薄い。お約束的な部分は多々あるが、そこを上手く読ませるセンスは感じる。こういう路線を更に何冊も望むかと言われれば否だが……。 |
No.276 | 7点 | 美森まんじゃしろのサオリさん- 小川一水 | 2015/10/22 11:41 |
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イマドキの過疎地を舞台にした軽妙な連作。ミステリ的には地味だが登場人物が生き生きとしていて読ませる。過度に説明せず少々判りにくい書き方も、回りくどいと感じる手前で抑えており良い塩梅(“武者烟”のメカニズムはもうちょっと説明が欲しかった)。作品世界にずっと浸っていたくなる佳品。 |
No.275 | 6点 | 誰がカインを殺したか- 篠田真由美 | 2015/10/16 10:46 |
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ミステリ的にはさほどピンと来ないが、キャラクターの良さで読ませる。行動が不自然に感じられる部分もあるが、そもそもシチュエーションが不自然だから仕方ないか。「コックリさんと喫煙と十四歳の研究」が最も面白かった。
将=すすむ、征=まさし、というネーミングは紛らわしい。“将”を“まさし”と読みそうになって“えーっと、そうじゃなくて読みは……”と何度も止まった。 尚、巻末の謝辞でやや曖昧な説明になっているが、“三つの箱の選択問題”は“モンティ・ホール問題”と呼ばれアメリカのテレビ番組が元ネタとされる。 |
No.274 | 8点 | 掟上今日子の遺言書- 西尾維新 | 2015/10/11 11:14 |
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遺言少女の心情が、私には非常に腑に落ちるものであるのが良かった。
表紙イラスト、読み終わって見返してみると結構な仄めかしになっている。 気になった点。松葉杖は、一本だけであれば、怪我をした足(右足)と反対の側に突くのが本来の適切な使い方だが、今日子さんが「右半身に」寄り添ってきた、とある。ギプスに触りたいから(笑)? |
No.273 | 6点 | あぶない叔父さん- 麻耶雄嵩 | 2015/10/07 10:50 |
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『化石少女』で味を占めたか……。 |
No.272 | 4点 | 教会堂の殺人〜Game Theory〜- 周木律 | 2015/09/24 10:31 |
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シリーズの一冊、大きな謎の一部、としては面白いのだが納得出来ない点も多い。
①82ページの図版を見ると良く判るが、天井のハッチの縁に手を掛けて懸垂の要領で身体を引き上げるだけの体力が無いと、これ以上先に進めないのでは。 ②宮司司は、午前二時に脱出のチャンスが訪れることを発見しながら、何故その時に逃げなかったのか。 ③数学者(&新聞記者)と警察関係者は、同じ“真実を探す”といってもその行動原理というか気の持ちようは違うはずで、後者(船生や毒島)の一匹狼的な追跡行はしっくりこない。 |
No.271 | 5点 | ゼロの迎撃- 安生正 | 2015/09/08 11:55 |
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それなりに面白くはあったけれど、紋切り型の人物像や時々出て来る妙に大仰な文章には困った。ここまでの緊急事態に主人公がこんなに孤立した状態で対処するのもピンと来ない。 |
No.270 | 5点 | 怪盗グリフィン対ラトヴィッジ機関- 法月綸太郎 | 2015/09/07 09:29 |
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旭ハジメのイラストがナイスな素敵な本。
やけに伝聞の多い構成が、量子論的な世界の曖昧さの表現に一役買っている。 trotter =早足(トロット)の調教を受けた馬。ということは、P・K・トロッターというネーミングは、ディックが馬並みという洒落か。まあ下品。 |
No.269 | 5点 | ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件- 七尾与史 | 2015/09/03 08:51 |
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描写のリアリティの無さゆえに荒唐無稽なストーリーは却って(辛うじて)成立。発想は面白い。ラストの五点界のくだりにはもう少しページを費やして欲しかった。 |