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kanamoriさん
平均点: 5.88点 書評数: 2475件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.1375 6点 獣たちの庭園- ジェフリー・ディーヴァー 2011/01/07 21:43
ナチス政権下のドイツを舞台にした歴史冒険サスペンス。
これまでのディーヴァーの作品と全く異なる設定ながら、ベルリン・オリンピックなどの情報を多く取り入れた当時の雰囲気創りは◎。なれないジャンルに取り組んだ意欲は評価したいです。
一方、そのため物語のテンポはやや悪いように感じました。主人公の経歴はユニークで面白いものの、こういった要人暗殺ものは過去に多く書かれており、先達の傑作には及ばないように思います。

No.1374 5点 ホペイロの憂鬱- 井上尚登 2011/01/07 18:31
相模原にあるJFL所属のサッカー・チームのホペイロ(用具係)坂上青年を主人公にした連作ミステリ。
どの作品も、たわいのない”日常の謎”が提示されており、ミステリ的には些か弱いのでこの点数ですが、Jリーグ昇格をめざすチームの裏方、サポーターなど登場人物が皆魅力的で、読み心地がよかった。

No.1373 6点 証拠が問題- ジェームズ・アンダースン 2011/01/07 18:06
殺人容疑で逮捕された夫の潔白を証明するため、被害者女性の兄とともに調査に奔走することになる妻・アリソン。
「黒い天使」を連想させるプロットで、天使の顔・アルバータと本書のヒロインが重なるところですが、アイリッシュ風の叙情性はなく、アリソンは現代的で芯の強い女性として描かれていて、小説のテイストも明るめです。
登場人物が限られており、途中真相はなんとなく見えてきますが、巧妙な叙述のテクニックで核心はうまく隠蔽されています。
小粒ながらスマートな叙述トリックものでした。

No.1372 6点 T.R.Y. - 井上尚登 2011/01/06 18:48
20世紀初頭、革命の気運高まる中国と日本を舞台に、日本人の天才詐欺師・伊沢を主人公にした謀略・コンゲーム小説。
プロットが複雑すぎるきらいはありますが、実在の人物を多数登場させ、虚実取り混ぜた構成と騙し合いの連続は、デビュー作とは思えない軽快なエンタテイメントに仕上がっています。
ラストの逆転につぐ逆転のドンデン返しは、お約束気味とはいえ、なかなか痛快でした。

No.1371 6点 音もなく少女は- ボストン・テラン 2011/01/06 18:16
聾唖に生まれた娘イヴ、ろくでなしの夫に耐えるその母親、ナチス・ドイツからの移民で女店主のフラン、この3人の女性を中心に、援け合い慰め合いながら40年に及ぶ女たちの非情な運命との闘いを綴った物語。
これはミステリか?と問われれば、答えに窮しますが、短く区切られた120以上の章立てのひとつひとつのシーンが、後に写真家になるイヴの手による写真のように思えてくるその筆力に圧倒されます。とくに、ラストの”創造者””保護者””破壊者”の聖三位一体像に見立てた表現が感動的。

No.1370 5点 南部殺し唄- 都筑道夫 2011/01/05 18:53
滝沢紅子シリーズ、長編の第4弾。
シリーズ最終作となった本書は、メゾン多摩由良団地の集団探偵ものではなく、岩手県の旧家を巡る殺人事件に紅子と春江が巻き込まれるという本格編。
横溝風というか、旧家土蔵の密室殺人などの設定はどこか物部太郎シリーズを思わせますが、ロジックは例によって軽めでした。

No.1369 6点 聖なる怪物- ドナルド・E・ウェストレイク 2011/01/05 18:35
ドタバタ・コメディの早川書房に対し、文春文庫は「斧」、「鉤」に続く本書と、いずれもノワールなクライム小説で対抗しているようだ。
隠退した老優がインタヴューに応える構成で語られる酒とドラッグにまみれた半生は、映画界の裏話・暴露話を交えて、むしろユーモアを感じさせるストーリーですが、そこはウエストレイク、最後にきて読者に戦慄を与えるトリッキーな仕掛けが炸裂します。
小粒ですが、読んで損はないクライム・ミステリだと思う。

No.1368 5点 踊るひと- 出久根達郎 2011/01/04 20:16
なんとも”奇妙な味わい”のある短編7作が収録された作品集。
ホラー&怪談噺が中心で、ミステリといえないものも含まれていますが、それぞれ内容に合わせて語り口を変え、読者を迷宮に誘う技巧を見せてくれています。
ミステリ的には、長期不在中に友人から届いていた複数の手紙文で構成しラストに戦慄をもたらす「踊るひと」と、女子高生二人の交換日記のみで構成し最後に二重のどんでん返しを用意した「くっつく」が印象に残った。

No.1367 7点 愛しき者はすべて去りゆく- デニス・ルヘイン 2011/01/04 19:08
ボストンの私立探偵パトリック&アンジー・シリーズ。
このシリーズは現在まで5冊邦訳されていますが、1冊おきに出来不出来の波があるような気がする。第4弾の本書が個人的にシリーズ最高傑作だと思います。
毎回テーマは重たい。今作は児童虐待・親権問題を内包した4歳の少女誘拐を扱いながら、プロットを二転三転させて、予想外の着地を見せてくれます。探偵二人の関係にも大きな転機が訪れるという意味でもシリーズの分岐点の作品といえます。

No.1366 5点 殺人鬼2- 綾辻行人 2011/01/03 22:08
今回はミステリ的仕掛けを半分放棄して、スプラッタ・ホラーに重点を置いた作品。
嫌いではないが、岡嶋二人の「クリスマス・イヴ」のスリル感には及ばない。

No.1365 5点 殺人鬼- 綾辻行人 2011/01/03 22:04
スプラッター・ホラーに叙述トリックを使用した意欲作。
ホラー部分は面白かったが、大技トリックのサプライズ効果は微妙です。

No.1364 5点 鳴風荘事件- 綾辻行人 2011/01/03 21:59
殺人方程式シリーズの第2弾。
シリーズ・キャラクターは前作より馴染み安く感じましたが、今回は事件そのものに魅力がなかった。

No.1363 5点 殺人方程式- 綾辻行人 2011/01/03 21:55
純粋なパズラー長編に物理トリック付きですが、パズラーなら法月綸太郎に遠く及ばず、物理トリックなら島荘のバカバカしさの比ではなかった。
物語にプラスアルファがなく、ロジック一本やりの作品が好みの方にはお薦めかも。

No.1362 5点 黄昏の囁き- 綾辻行人 2011/01/03 21:38
囁きシリーズの3作目。
シリーズ最新作なのに、他の2作ほど内容を思いだせなかった作品。
幻想的雰囲気は、相変わらず好みですが、ホラーとミステリの融合というよりも、ともに中途半端な印象。

No.1361 6点 暗闇の囁き- 綾辻行人 2011/01/03 21:31
囁きシリーズの2作目。
トライオンの「悪を呼ぶ少年」を意識して書いたというとおり、別荘地を舞台にしたある少年がキーとなるホラー・サスペンス。
前作同様に幻想的雰囲気創りに長けた佳作だと思う。

No.1360 7点 緋色の囁き- 綾辻行人 2011/01/03 21:09
囁きシリーズの1作目。
全寮制の女子高を舞台にしたホラー風の本格ミステリというだけで嗜好のド真ん中。
読者の恐怖を煽るような、意味深な描写の挿入などやりすぎと思わせるところもありますが、雰囲気が好きなものでしょうがない。

No.1359 7点 霧越邸殺人事件- 綾辻行人 2011/01/03 20:51
幻想的雰囲気の”館ミステリ”、シリーズの番外編。
作者は、パズラーよりもホラーのほうの嗜好が強いのではと思うほど、美しい幻想物語に仕上がっていると思います。
本格ミステリの形で閉じる寸前の反転は、ディクスン・カーのあの名作を意識しているのではないでしょうか。

No.1358 4点 びっくり館の殺人- 綾辻行人 2011/01/03 20:39
館シリーズの8作目。
ミステリーランドの作品ですから止むを得ませんが、だいぶ他のシリーズ作品とテイストが異なり楽しめませんでした。
密室に関する誤認トリックはまさに子供だましレベル。

No.1357 6点 暗黒館の殺人- 綾辻行人 2011/01/03 20:29
館シリーズの7作目。
どこかゴチック風で幻想的な雰囲気はいいのですが、事件が発生するまでが長すぎました。無駄とも思える描写が多過ぎるように思います。
叙述トリックによる大仕掛けは、完璧に見抜けないにしても、これまでの作品と比べると判りやすいのではないでしょうか。

No.1356 6点 黒猫館の殺人- 綾辻行人 2011/01/03 20:16
館シリーズの6作目。
メイン・トリックが、同じ年に刊行された某巨匠の作品と偶然同じだったという話題性は充分(笑)。
しかし、ほぼその一発ネタだけで成り立っているミステリなので、あっさりした内容は物足りなさを覚える。

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