皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
kanamoriさん |
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平均点: 5.89点 | 書評数: 2426件 |
No.1826 | 7点 | 深い疵- ネレ・ノイハウス | 2012/11/07 20:31 |
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北欧ミステリに続いて、昨年ぐらいからやたらと翻訳が増えてきたドイツ・ミステリの今年の注目作。
”ドイツミステリ界の女王”とも称されるネレ・ノイハウスの本邦初訳、オリヴァー・フォン・ボーデンシュタイン主席警部シリーズの3作目です。 ドイツミステリというと、英米ものとは一味違った型破りのミステリというイメージがありましたが、本書は意外とオーソドックスな警察小説でした。(ただし、ネタはドイツならではですが)。 序盤は視点人物と場面をころころ変えるカットバックの多用と、慣れないドイツ人名や人物関係が把握できないこともあって読むのが少々もたつきましたが、名門カルテンゼー家を中心とした構図が明瞭になってからはなかなかの面白さ。オリヴァーの部下の女性警部ピアをはじめとする警察内部の恋愛関係を絡めた展開は、同じ女性作家エリザベス・ジョージのリンリー警部シリーズを連想させるところがあります。 |
No.1825 | 6点 | デッドマン- 河合莞爾 | 2012/11/05 13:53 |
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今年の横溝正史ミステリ大賞作品(ダブル受賞のうちの1冊)。
まず、軽快なテンポでリーダビリティが高いのがいいです。 連続殺人の6人の遺体のパーツをつなぎ合わせる”アゾート殺人”の動機の部分は、必然性という点でいまいちなんですが、「占星術~」というよりも、歌野晶午の某作を連想させるミステリ趣向が面白いと思いました。刑事の符牒とか伏線もうまく張られています。 警察小説として見た場合はリアルさには欠けるが、特別捜査班4人の面々のそれぞれ個性が魅力的であり、続編が書かれてもおかしくない。 |
No.1824 | 6点 | 北村薫のミステリー館- アンソロジー(国内編集者) | 2012/11/02 20:50 |
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「ミステリー」の範囲をかなり広義に捉えていて、読書の達人・北村薫氏らしい”よくこんなもの見つけてきたな”というような作品が含まれていますが、ここではミステリーのプロパー作家の作品を中心に寸評します。
ベイジル・トムスン「フレイザー夫人の消失」は、有名な都市伝説”パリ万博綺譚”をほぼ忠実に小説にしたもの。大昔に学習雑誌の付録かなにかで読んで、魅力的な謎と意外な真相で忘れられない物語です。ただ、本書では母娘の旅程がナポリ経由となっているが、記憶ではインドだったような気がする。 ヒュー・ペンティコーストのデビュー作「二十三号室の謎」もホテルの部屋からの人間消失という点で同じだが、こちらはガチガチの不可能トリックものの本格パズラー。錯覚の使い方がディクソン・カーの某作に通じるものがある。 あと、ともに再読ですが、ヘンリ・セシルのメルトン先生ものの落語の様なオチや、パトリシア・ハイスミスの最後の一行の衝撃度も印象に残ります。巻末対談で、宮部みゆき氏のこのハイスミス作品に対する感想「どっちかにしてあげてくださいー」には笑った。 |
No.1823 | 5点 | 魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?- 東川篤哉 | 2012/10/31 19:56 |
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魔法使いの少女と被虐趣味?の若手刑事による連作ミステリ。
全4編とも倒叙形式のため、アリバイなどの犯人による偽装工作が如何にして暴かれるかという発覚の契機の面白さで読ませるものが多かった。そのなかで、”チャイナ橙”風の1話目「魔法使いとさかさまの部屋」だけは、ハウダニットのキモの部分を読者に明らかにしておらず、そのトリックがなかなかユニークです。ただ、本格ミステリと魔法という組み合わせのなかで、少女の役割がいまいち中途半端だったかなという印象。 ところで、巻末の定番の断り書き、「この物語はフィクションです」というのは本書に必要か?それともギャグなのか? |
No.1822 | 6点 | 償いの報酬- ローレンス・ブロック | 2012/10/29 21:20 |
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断酒を始めた頃の30年前の事件について、老境に入ったマット・スカダーが友人ミック・バルーに夜通し語り明かすという回想譚のシリーズ最新作。
禁酒集会仲間で幼なじみの元犯罪常習者ジャック・エラリーの殺害事件に関わったスカダーが、残されたリストをもとに5人の”関係者”を訪ね歩くプロットは、懐かしの私立探偵小説の様相です。ただ、同様の回想譚だった「聖なる酒場の挽歌」の謎解きミステリ+ハードボイルドといった趣向と違って、本書の結末のつけ方は消化不良でやや疑問が残ります。 リアルタイムのシリーズ愛読者には、女性彫刻家ジャン・キーンやジョー・ダーキン刑事などの懐かしい人物が登場するのがうれしいし、いつもながらの淡々とした語り口は読み心地がいいのですが。 |
No.1821 | 6点 | 体育館の殺人- 青崎有吾 | 2012/10/26 18:40 |
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今年の鮎川哲也賞作品。出版前からベタなタイトルで綾辻”館ミステリ”のパロディかと、あちこちでネタにされていましたが、ライトな学園ミステリに緻密なロジックを持ち込んだ意外とオーソドックスな本格パズラーでした。
ロジックは確かに強引で粗もありますが、現場に残された黒い傘という一つのアイテムから、密室状況下の殺人の”ハウ”だけでなく、真犯人を絞り込んでゆくロジック展開はクイーンの国名シリーズを髣髴とさせます。かなり漫画チックな探偵役の設定や意味のないアニメネタの連発には苦笑を禁じ得ないものの、現役大学生だという作者の将来性に期待して採点はやや甘めに。 なお、重大なネタバレがあるので選評を先に読んではいけません。 |
No.1820 | 7点 | 無罪 INNOCENT- スコット・トゥロー | 2012/10/24 18:03 |
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リーガルサスペンスの名作「推定無罪」のまさかの続編。前作の真相には触れずに物語が展開されていますが、ラスティ・サビッチ再登場ということ自体がある意味ネタバレかも。
被告人サビッチ、弁護人サンディ・スターン、検察側トミー・モルトという配役や、事件の背景にサビッチの愛人関係がある点など、前作の相似形のようなプロットながら、前回の悲劇から20年以上経っているので、各人環境の変化があり単純なリターン・マッチになっていません。また、サビッチの視点だけでなく関係者の多視点で語られることもあって、前作の様な鬱々とした重苦しい雰囲気が軽減されているように感じました。 本書も、屈折した人間ドラマと、予測不可能などんでん返しというミステリ趣向とが巧く融合した読み応え十分な作品だと思います。 |
No.1819 | 4点 | 社内殺人- 中町信 | 2012/10/22 18:20 |
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酔いどれ課長代理・深水文明が周辺で起った殺人事件の謎解きに乗り出すシリーズの第1作。
会社内での大金盗難事件と並行して発生した女子社員の墜落事故の謎がメインかと思いきや、後半は作並温泉行き社内親睦ツアー連続殺人という展開で、重要証人の記憶喪失にダイイングメッセージも出てきて、シリーズが変わっても結局いつもながらの中町ミステリでした(笑)。そんなこんなで、ミスリードの手法が基本的に過去作と同じパターンなので真相は分かりやすかった。 (しかし、この工夫のないタイトル、なんとかならなかったのか・・・) |
No.1818 | 6点 | 追われる男- ジェフリー・ハウスホールド | 2012/10/20 14:18 |
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ジュリアン・シモンズ選定の”サンデータイムズ・ミステリーベスト99”(1959年)にも選ばれた英国冒険小説の古典。
独特の雰囲気をもった小説です。普通の冒険小説であれば某国の要人暗殺計画・実行をメインに構成するところを、本書は”その後”から始まります。しかも主人公「わたし」の行動原理は、祖国のためでも金銭のためでもなく、スポーツ感覚で要人狙撃を計画したというもの。 時代や状況設定を理解するための情報が小出しなため読むのにストレスを感じますが、出版が1939年ということを考えるとナチスドイツやヒトラーの名前を明示することが憚れたのでしょう。 逃亡サスペンスからサバイバル小説と展開するなかで主人公の造形が明らかになるところがいいです。のちのディック・フランシスなどに連なる英国冒険スリラー伝統の主人公の造形です。 |
No.1817 | 6点 | アルカトラズ幻想- 島田荘司 | 2012/10/18 22:34 |
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奇想の騙り部・島田荘司の本領が発揮された傑作だと思いますが、御手洗シリーズ路線を期待する人には好みに合わないかもしれません。
米国を舞台にした猟奇殺人を追う捜査小説から、恐竜絶滅に関する新説論文、地球空洞説、監獄島アルカトラズからの脱獄計画、異世界を舞台にした幻想風の物語と、各章で小説のテイストが変転しネタが次々と繰り出され、作者のストーリーテリングの上手さに翻弄されます。全体の構成から前段の部分が書き込み過多でバランスが悪いのですが、その無駄と思えるパートも面白いです。 ミステリ的な仕掛けは「眩暈」のソレを思わせますが、読後感は「追憶のカシュガル」収録のある短編に通じるものがありました。 |
No.1816 | 5点 | ジャックは絞首台に!- レオ・ブルース | 2012/10/16 18:33 |
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病後の静養のため温泉町を訪れていた教師ディーンは、老婦人の連続絞殺事件に巻き込まれ、またまた探偵活動に乗り出す、という歴史教師キャロラス・ディーン・シリーズの7作目です。
現代教養文庫の”ミステリ・ボックス”は、修道士カドフェル・シリーズは別格としても、ディヴァインの本邦初紹介をはじめ、イネス「ある詩人への挽歌」、ステーマン「ウェンズ氏の切り札」など、マニアックな作品選定が好ましかったレーベルです。レオ・ブルースも例に洩れませんが、ただ訳出されたのが本書というのはどうだったかなと思います。 メイン・トリックに有名な先例がある点はあまり気にならなかったのですが、ディーンが目立たず解決の手法もいまいちぱっとしません。他のレギュラー陣のゴリンジャー校長や生徒のルパート、温泉客の面々は個性的でやり取りは面白いのですが。 |
No.1815 | 5点 | 死の花の咲く家- 仁木悦子 | 2012/10/15 18:07 |
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ミステリ短編集(角川文庫版)。
表題作は、長編「殺人配線図」の探偵役・新聞記者の吉村駿作シリーズの1編で、仁木兄妹が扱うような遺産相続がらみのミステリ。収録作の中ではもっとも本格っぽいが真相は分かりやすい。 「空色の魔女」は、園児が書いた不自然な白雪姫の絵から、幼稚園の保母が推理を展開していくプロットが面白い。子ども視点の作品2編のうち「夏雲の下で」は、お得意の小学生探偵による謎解きもの、「鬼子母の手に」は子供が窮地に嵌るサスペンスものとテイストは違うものの、ともに子供の描写が活き活きとしており読み心地がいいです。 松本清張や鮎川哲也などの短編集は出版社によって収録短編の編集がバラバラでコンプリートを目指すのが大変なのに対して、講談社文庫と角川文庫が競うように出していた仁木悦子作品は、両出版社で収録作品の重複がないというのはありがたいです。 |
No.1814 | 6点 | 革服の男- エドワード・D・ホック | 2012/10/14 18:44 |
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光文社文庫の”英米短編ミステリー名人選集”シリーズの5巻目。
今でこそ創元推理文庫から続々と出ているホックですが、早川の怪盗ニックぐらいしか簡単に読めない時期があり、そういう時期に出た本書は当時ファンに喜ばれたに違いありません。 ホック入門に最適な「ホックと13人の仲間たち」に倣ったような、多くのシリーズ探偵ものを中心に編まれていますが、サム医師もので、”パリ万博綺譚”を元ネタにした魅力的な謎の表題作や、オカルト探偵サイモン・アークものなど、いくつか後発の創元文庫と被るのは止むを得ないでしょう。 「不可能夫人」のギデオン・パロ卿(フェル博士+ポアロのパロディ?)、「七人の露帝」の暗号解読専門家ジェフリー・ランド、「ジプシーの勝ち目」のジプシー探偵ミハイ・ヴラドなど、マイナーなシリーズ探偵ものが入っているのは嬉しい。 |
No.1813 | 6点 | キリオン・スレイの復活と死- 都筑道夫 | 2012/10/13 13:10 |
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自称・前衛詩人の変なアメリカ人、キリオン・スレイが探偵役の連作シリーズ第2弾。
ミステリ的には不可解で魅力的な謎の提示に対して、解決が肩透かし気味なものも散見されますが、スタイリッシュで都会的雰囲気が読み心地がいいですし、覚えたての日本語の慣用句を誤使用するスレイのとぼけたユーモア部分も面白いです。 収録作の中では、警察監視下のバーのトイレが現場の三重密室もの「密室大安売り」がハウダニットものの良作。伏線の出し方が巧妙です。 「なるほど犯人はおれだ」は、殺人現場の証拠物件からキリオン・スレイを犯人と指摘する大学生によるダミー推理のほうがロジカルなような(笑)。 |
No.1812 | 6点 | 旅人の首- ニコラス・ブレイク | 2012/10/12 18:20 |
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私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズ登場のシリーズ9作目。今まで読んだ作品ではそんな感じを受けませんでしたが、ニコラス・ブレイクがセイヤーズから強い影響を受けたといわれるのが分かるような作品です。
”数ヶ月前に歓待を受けた平和な村を探偵役が再び訪れ、今度は身元不明の死体の事件に関わる”という、物語の幕開けは「ナイン・テイラーズ」を意識しているように思えます。ナイジェルの心情描写もいつも以上に深みがあり、最後はある理由で悩める探偵になっています。 事件の中心人物である著名な詩人シートンの存在感も作品の深みに寄与していて、これは作者の本職が影響しているのかもしれません。首なし死体が出てきますが猟奇的雰囲気はなく、むしろ叙情的な物語になっているのが不思議です。 |
No.1811 | 5点 | 天空の少年探偵団- 秋梨惟喬 | 2012/10/10 18:08 |
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桃霞少年探偵団シリーズの2作目。今回は連作短編ではなく、山奥に建ち老人たちが集う屋敷”天空館”を舞台にした長編です。
塔の上の展望台という不可能状況の密室殺人トリックは、島荘の「流氷館」、森博嗣の「三ツ星館」、東川篤哉のアレなどに連なるタイプの〇〇トリックで、この種の仕掛けはあまり好みではありません。伏線は巧みに張られてはいるのですが・・・・。 ”犯人”の動機を含め事件の構図はちょっとユニークですが、その相手が小学6年生の少年少女というところにやはり無理があるように思います。 |
No.1810 | 8点 | 世界をおれのポケットに- ハドリー・チェイス | 2012/10/08 17:50 |
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特殊合金製の現金輸送装甲車で運ばれる百万ドル強奪計画を描いたクライム・サスペンスの古典的名作。
ギャングの頭目、キザ男のチンピラ、老金庫破り、元ボクサーに謎めいた女を加えた、男女5人組の犯行グループの面々が魅力的です。多視点描写のため、中盤までは誰を主人公に据えているかも分からないのだけど、チェイスらしい”容赦のない展開”によって徐々に明らかになります。 計画・実行・犯行後と物語が進むにつれて、犯行に対する温度差が生まれ、それぞれの個性が書き分けられてゆくところが巧いと思う。同類の襲撃小説・悪党パーカー・シリーズと一番違う点は恋愛を上手く犯行に絡ませている所だろうか。ぶった切りのようなラスト・シーンが非常に印象に残る作品。 |
No.1809 | 6点 | ついてくるもの- 三津田信三 | 2012/10/06 18:45 |
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ホラー短編6作収録の作品集、それだけだと営業的に苦しいので刀城言耶シリーズ1編付けました、といった感じの短編集です。
ただ、その唯一のミステリ作品「椅人の如き座るもの」は、密室状況下の人間消失を扱っているのですが、かなりトホホな真相。タイトルそのマンマじゃん、とツッこんでおきます。 一方で、ホラーのほうは秀逸な作品が揃っていて、こちらは楽しめた。雛人形の呪いで一家が陰惨な結末を迎える表題作の「ついてくるもの」、小学生五人組が禁断の森に入り込み遭遇する怪異「八幡藪知らず」、一軒家に共同入居するうちの一人の様子に異変が...「ルームシェアの怪」が、読後ゾクゾクした作品個人的ベスト3。 |
No.1808 | 7点 | 巡礼者パズル- パトリック・クェンティン | 2012/10/04 18:32 |
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”パズル・シリーズ”最後の6作目。といってもダルース夫妻は(ちょい役で登場の「わが子は殺人者」を含め)この後も3作品に登場しますが。
前作「悪魔パズル」が本格ミステリ要素の少ないスリラー寄りだったので今回も同様路線かと思っていましたが、いい意味で予想を裏切る出来です。 闘牛やカーニバルなど異国情緒豊かなメキシコを舞台にし、複数の男女の愛憎劇を主軸にした緊張感のあるミステリ趣向十分の謎解きモノでした。主要人物はダルース夫妻を含め6人で、シリーズ初期作と比べると、パズルのピースが少ないシンプルな構成ながら、一癖も二癖もある4人の男女の中で犯人候補が三転四転する多重解決的な展開が面白い。 しかし、パトQ作品が新訳を含め年3作も出る時代が来るとは思わなかった。ダルース夫妻シリーズの残りもそのうち出るみたいだから、この勢いでスタッジ名義のウェストレイク医師シリーズも訳出してもらいたいものです。 |
No.1807 | 5点 | 天才は善人を殺す- 梶龍雄 | 2012/10/02 17:23 |
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キャッシュカード紛失で大金を詐取され自殺したと思われる父親の事件を究明するため、主人公・芝端敬一ら大学生4人組は探偵活動に乗り出すが、といったストーリー。
事件の性質がはっきりしないまま物語が進行する中盤まではモヤモヤ感があって面白味に欠ける。カード犯罪と銀行のコンピュータ(天才)というテーマも扱いが中途半端です。ただ、密室殺人、電話トリック、操りの構図など、後半以降に次々と繰り出されるトリックはなかなか面白いと思います。 チェスタトンの逆説にたとえて、女子銀行員のなにげない行為と大金を引きだした意外な犯人を結びつけるくだりも秀逸です。 |