皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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kanamoriさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 2460件 |
| No.2020 | 6点 | このミステリーがすごい!2014年版- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2013/12/12 12:03 |
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| 「このライトノベルがすごい!」を買うつもりが、間違って「このミス」のほうを購入してしまった(嘘)。
今年の目玉企画は、なんといっても”復刊希望!幻の名作ベストテン”投票。 国内編で小泉喜美子、梶龍雄、飛鳥高がランクインしているのがうれしい。さっそく東京創元社の企画会議では梶龍雄の復刊を検討していることだろうw 泡坂妻夫や連城三紀彦がもう”幻の”というのは困ったものだけど。 海外編では、参考作品リストに載ってもいない「魔術師が多すぎる」がブッチギリの1位というのには驚いた。大学ミス研の投票が多いから、これは「折れた竜骨」の影響だろうか。 マーガレット・ミラーの「まる天」は早川での復刊は期待薄だから、いっそのこと創元で全部揃えてくれればありがたい。 こういう企画は、ベストテン以外の個々の投票者が挙げているレア作品を眺めるのが楽しい。ジョン・ブラックバーンやタッカー・コウ、エクスブライヤ、ジョイス・ポーターなどを挙げている人には親近感を覚える。(なかには、自身の著作に投票している人もいた。切実な復刊希望なんだろうか) 恒例の”わが社の隠し玉”では、カール・ハイアセンのスキンク・シリーズ(文春文庫)、マーガレット・ミラーの本邦初訳作品(創元文庫)、リチャード・ニーリイの延び延びになっていたやつ(扶桑社文庫)が個人的注目作品。載ってないけどフィリップ・カーのグンター・シリーズ(PHP文庫)も楽しみ。論創社のウィザーズ&マローンは言及がないけど大丈夫か? 巻末の収録小説、今回は海堂尊の田口&白鳥シリーズ「カレイドスコープの箱庭」一編のみだが、ボケ~と読んでいたから最終ページで驚いた。(こんなサプライズ・エンディングはいらない) |
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| No.2019 | 5点 | 雀蜂- 貴志祐介 | 2013/12/09 20:20 |
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| 八ヶ岳の雪の山荘で目覚めたミステリ作家の”俺”が見たものは、次から次へと襲ってくるスズメバチの大群だった。一緒にいたはずの妻の姿は消えており、蜂毒アレルギー体質の”俺”は一人で蜂と死闘を繰り広げることに------。
角川ホラー文庫の200ページ余りの書下ろし長編。 雪の山荘を舞台に、そこで手に入る小道具を巧みに利用しながら、蜂の襲撃に対抗するアイデアが多彩で面白く、途中まではサバイバルもののサスペンスとしては上出来の部類です。 しかし残念ながら、ホラーとミステリを強引に融合させようとしたため、ラストの処理でぶち壊しにになっているように思います。そのままストレートにサスペンス小説として終わらせたほうがまだよかった。 |
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| No.2018 | 6点 | 警官の騎士道- ルーパート・ペニー | 2013/12/07 20:19 |
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| ロンドン警視庁のビール主任警部を探偵役とするシリーズ第3作。
この前に邦訳出版された「警官の証言」は、密室トリックにあるアイデアを利用した構成上の仕掛けがユニークでしたが、本書は本格ミステリの王道を往くような非常に正攻法のパズラーです。 密室状況の屋敷見取り図や、容疑者のアリバイ確認のためのタイムテーブルを付け、推理のディスカッションを経て、読者への挑戦状を挟み、大団円で容疑者を集めた謎解き披露と、本格ミステリのガシェットを取り揃えたフーダニット&ハウダニットが堪能できます。物語がやや起伏に欠ける点はあるものの、今回は「〜証言」と比べて文章も意外と読みやすい。 ただ、犯行時に予想外の事態が発生して...というキモの部分がもう少し効果的に使われていたらと思わなくもありません。また、動機も機会もある疑わしい人物が、感じがいい女性ということだけで無実を前提に推理を展開するのはロジカルとはいえませんw |
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| No.2017 | 5点 | 探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2- 東川篤哉 | 2013/12/05 18:32 |
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| 鯉ヶ窪学園の探偵部副部長・霧ヶ峰涼シリーズの連作短編集、「放課後はミステリーとともに」につづく第2弾。
今回は、鯉ヶ窪学園・長編シリーズの探偵部三人組との初のコラボとなっています(というか、なぜこの三人は前作で登場してこなかったのだろうw)。 本作で扱われている謎は、密室状況下の盗難や足跡のない犯行現場からの犯人消失、消えた凶器など、不可能トリックを中心とするものですが、体育祭や文化祭など学校行事に絡めたトリックとなっている点に工夫が見れるものの、総じて脱力系のものが目立つ。前作より出来は落ちる印象。 なかでは、探偵部とライバル関係にあるミステリ研究会から推理ゲームの挑戦を受ける「霧ヶ峰涼への挑戦」がまあ面白かったが、ややアンフェアな感じもする。 |
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| No.2016 | 8点 | 三秒間の死角- アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム | 2013/12/03 18:41 |
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| スウェーデン警察の潜入捜査員ホフマンは、犯罪組織から、囚人となって刑務所内に麻薬密売の拠点をつくるという新たな任務を与えられる。一方、麻薬取引に絡む殺人の捜査で、グレーンス警部の追及の手は刑務所内のホフマンに迫っていく-------。
ストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部シリーズの5作目(邦訳は4作目)。 警察上層部の秘密工作を知らされず捜査を続けるグレーンス警部の視点で描く警察小説風のパートと、犯罪組織の中枢まで潜り込み、刑務所内で苦境に立たされる元犯罪者の潜入捜査員ホフマン視点のスパイ冒険小説風のパートが、交互に描かれる構成が巧みです。 ともに魅力的なダブル主人公が交差するクライマックス場面も非常にスリリングですが、物語がどう転がるか見当がつかない前半部が読み応え十分で、今年読んだ警察小説のなかでは断トツに面白かった。 ただ、タイトルが平凡で工夫がないうえに仕掛けの部分のネタバレにもなってしまっているのが少々もったいないです。 |
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| No.2015 | 6点 | 目黒の狂女(創元推理文庫版)- 戸板康二 | 2013/12/01 22:32 |
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| 歌舞伎の老俳優・中村雅楽の探偵全集3巻目。昭和50年代に創作された23編が収録されています。
シリーズのワトソン役?竹野記者が何度も同じ場所で遭遇する女性にまつわる謎を、雅楽が解き明かす表題作「目黒の狂女」をはじめ、ほとんどが歌舞伎界周辺の人間関係がからむ”日常の謎”を扱っていてます。そもそも、梨園で何度も殺人事件を発生させるのは不自然ですし作者としても抵抗があるでしょうから、これはやむを得ないでしょう。 初期作のような殺人がからむ派手な事件がないのは少々物足りない感もありますが、独特のゆったりした語り口は味があり、ミステリー版「ちょっといい話」という趣があります。まとめて読むと飽きてくるので、少しづつ時間をかけて読むのが吉だと思います。 中編の「淀君の謎」は、淀君が大坂の陣で逃げ延びなかった謎を扱ったいわば歴史ミステリで、編中では一番の異色作です。 |
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| No.2014 | 7点 | ミステリ・ベスト201- 事典・ガイド | 2013/11/30 18:38 |
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| 多くの出版社が翻訳ミステリ市場に参入し、毎年大量の海外作品が書店の棚に並びはじめた’80年代から90年代の初め。本書は、そんな時代の読者のために、古典名作ではなく、80年以降翻訳されたものの中で「94年のいま、なにが面白いのか」に的を絞った海外ミステリのガイドブックです。
瀬戸川猛資氏の責任編集で、同氏を含め7名の精鋭書評家による選定と中身の濃い作品紹介が本書の魅力です。すでに初出から20年近く経って若干古臭くなりましたが、現在でも充分参考になるのではと思います。 個人的にも、これを参考に多くの名作に巡り合った記憶があります。ただし、勢いで購入していまだに積んどく状態のものも少なからずありますがw (レン・デイトン「SS-GB」、ジョゼ・ジョバンニ「犬橇」などが気になる) ”「東西ミステリーベスト100」は保守的でスタンダード過ぎて面白くない”、または”「このミス」発刊のちょっと前はどんな傑作があるのだろう”と思われるツワモノ読者は図書館などで探して眺めてみては? |
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| No.2013 | 7点 | 祈りの幕が下りる時- 東野圭吾 | 2013/11/28 21:28 |
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| 警視庁捜査一課の松宮は、担当している小菅アパートの女性殺害事件が、小岩井の河川敷で見つかった焼死体と関連する可能性に気付く。聞き込み捜査のなか、事件関係者の女性演出家が松宮の従兄で日本橋署の刑事である加賀と知り合いと判り、また加賀の亡き母親と焼死体の人物との繋がりも浮かんできた--------。
相変わらず物語の進め方が巧い。あえて内容紹介などで加賀恭一郎シリーズの一冊ということを強調しないで、序盤の登場シーンで軽くインパクトを与え、あとはグイグイと読者を引き込んでゆくような構成になっている。加賀が事件に関わることになるのが偶然ではなく必然だったという仕組みも巧く練られていると思います。 東野圭吾版「砂の器」という評もありますが、半倒叙の形で語られる彼らの過去は「白夜行」の雰囲気、「赤い指」の父親のエピソードや「新参者」であえて日本橋署に異動した理由に加え、「容疑者X」を連想させる部分もあり、良くも悪くも東野"人間ドラマ”ミステリの集大成という感を持ちました。 |
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| No.2012 | 7点 | ガラスの鍵- ダシール・ハメット | 2013/11/26 18:04 |
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| 賭博師のネッド・ボーモントは、路地端で地元上院議員ヘンリーの息子の死体に出くわす。次の市政選挙が控えるなか怪文書が関係者たちに届き、やがて彼の友人で市政の黒幕でもあるマドヴィッグに殺人の容疑がかけられる事態になる。ボーモントは親友の窮地を救うため、事件の解明に乗り出すが-------。
「海外ミステリーマストリード100」からのセレクト。早川版で読んでいましたが、今回は光文社古典新訳文庫で再読しました。 実は「マルタの鷹」も「赤い(血の)収穫」も評価されるほどの面白さが分からず(訳が古いせいだったかもしれませんが)、歴史的意義以上のものを感じることができませんでしたが、本書は古さを感じずノワールなストーリーも面白く納得のいく名作です。 事件の真犯人という謎解きとともに、三人称一視点による登場人物の内面描写を排した徹底した客観描写のため、主人公ネッド・ボーモントの心情も推し測って読む必要があり、本物のハードボイルドを読む面白さを堪能できました。 なお、主人公の名前は早川版(小鷹信光訳)では”ネド・ボーモン”ですが、本書は従来の”ボーモント”になっていました。 |
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| No.2011 | 7点 | オーブランの少女- 深緑野分 | 2013/11/25 18:43 |
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| ミステリーズ!新人賞佳作の表題作をはじめ5編の中短編を収めたデビュー作品集。さまざまな国や時代を背景にしていて、作風も個々の作品で異なりますが、いずれも”少女”に纏わる謎を描くという点で共通しています。
なんといっても表題作の「オーブランの少女」が印象に残る。外界から隔離された美しい庭園がある施設を舞台にしたゴシック小説風の物語のなかの、秘められた真相はかなり衝撃的。 中世ヨーロッパをイメージさせる架空の厳寒の王国を舞台にした中編「氷の皇国」も物語性豊かで、非情な裁判劇がスリリング。長編で読みたいと思わせる濃密さがあった。 他の作品は、ヴィクトリア朝の英国、昭和初期の日本の女学校を背景にしたもの、場末の安食堂を舞台にした小品な一幕劇と、バラエティ豊かでいずれも新人とは思えない筆力を感じた。(今後の期待値込みで+1点) |
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| No.2010 | 6点 | 極楽の鬼 マイ・ミステリ採点表- 事典・ガイド | 2013/11/24 18:52 |
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| 評論家・石川喬司氏による'60年代の海外ミステリ新刊書評集。『ハヤカワ・ミステリ・マガジン』に連載された時のタイトルは「極楽の鬼」(1964〜65年)「地獄の仏」(66〜69年)と変遷しているが、構成に大きな違いはなく、エッセイ風の軽妙な語り口で、毎月新刊数冊を怒涛のように紹介しています。
巻末索引の作品一覧でざっと数えてみると500冊以上の作品が取り上げられていて、60年代の翻訳もののジャンル傾向が俯瞰できる。本格モノは少なく、主流はスパイ冒険小説やハードボイルド、それもB級、軽めのものが目立つ。あとは、警察小説、仏産サスペンス小説も多い印象。当時は海外ミステリの出版社も限られており、ほとんどが早川書房か東京創元社、特に当時のポケミスの新刊は全て取り上げられている感じです。当然ながら大半は絶版となっているが、他では知ることのできない作品の寸評が読めるのは個人的に嬉しい。 ロバート・L・フィッシュ「亡命者」、ユベール・モンテイエ「帰らざる肉体」、ヘンリイ・セシル「あの手この手」、C・P・スノウ「ヨット船上の殺人」、ハワード・ブラウン「夜に消える」、デビッド・マクダニエル「人類抹殺計画」などがちょっと気になる。 |
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| No.2009 | 6点 | 貴族探偵対女探偵- 麻耶雄嵩 | 2013/11/23 18:38 |
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| 推理と真相の開陳を使用人に任せ、自分は女性と楽しむという貴族探偵シリーズの2作目。今回から登場の女探偵が事件を推理し、貴族探偵(の使用人たち)がそれをひっくり返すという二段構えのプロットが連作の基本的パターンです。
第1話から第3話までは、消去法によって犯人を特定するロジックで読ませるオーソドックスな内容で特筆するような出来ではないように思うが、第4話が作者らしい仕掛けに満ちた”二度読み”必至の怪作。 二つのトリックを併せることで、虚偽の(アンフェアな)描写を回避するという狙いもあるのだろうか。 これまでのパターンを外さざるを得ないと思えた、貴族探偵の使用人が一人もいない孤島での殺人を扱った最終話の皮肉なオチも面白い。女探偵がちょっとかわいそうな感がありますが。 |
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| No.2008 | 7点 | 読み出したら止まらない! 海外ミステリー マストリード100 - 事典・ガイド | 2013/11/22 22:39 |
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| 書評家・杉江松恋氏選定による”今読める”をコンセプトにした必読海外ミステリの読書ガイド。
「読書は好きだけど翻訳ミステリはあまり読んでいない」という初心者や、「本格だけでなく色々なジャンルのミステリを読んでみたい」人に適した作品選定のガイドブックになっているように思う。 100選には絶版・品切れ作品を除いているが、作品ごとに「さらに興味を持った読者へ」として、同じサブジャンルの作品や類似テーマの作品などの紹介があり、結果として多数の作品名が挙げられている。いわば100選はとっかかりで、自然と読書の幅が広がる仕組みになっているのがいい。 さらに個人的に嬉しかったのは、第2部の後半部で「読めなくなった名作たち」と題して、絶版で忘れられた名作が少ないページ数に怒涛のごとく紹介されていること。できればこのパートを大きく膨らませ、第2弾として絶版本名作ガイド「海外ミステリー・フラッシュバック」なるものを出してもらいたいものだ。 |
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| No.2007 | 5点 | シュークリーム・パニック Wクリーム- 倉知淳 | 2013/11/21 18:26 |
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| 「シュークリーム・パニック 生チョコレート」の姉妹編。本書も中短編3作収録されていて、一応いずれも謎解きモノになっています。(かなりヌルい謎ですが.....)
「限定販売特性濃厚プレミアムシュークリーム事件」は、断食セミナーの合宿に参加した中年男性4人が、シュークリームを盗んで食べた犯人を捜す話。消去法による犯人特定ロジックがまずまずですが、タイトルも長いが話も無駄に長く、真相にも脱力。 「通い猫ぐるぐる」は、猫好きだけが楽しめる凡作。 「名探偵南郷九条の失策」は、かなり既視感のあるトリックながら、一番作者らしい仕掛けがある作品。”アンフェアだろうが何だろうが、知ったこっちゃねえ”と開き直られても、という気がするが。 |
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| No.2006 | 6点 | お熱い殺人- ロバート・L・フィッシュ | 2013/11/19 20:30 |
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| 前回の事件で思いがけない大金が転がり込んだ老作家三人組は、念願の豪華客船での遊覧に旅立つ。ところが、詐欺師夫婦とのいかさまカード・ゲームの揉め事から、メンバーの一人は強姦未遂で、もう一人は殺人容疑で拘禁されるはめに-----。
”殺人同盟”シリーズの2作目は全編船上ミステリになっている。 2作目ということもあって、老ミステリ作家三人それぞれの個性も明確になっていると思う。三人組と因縁浅からぬパーシヴァル弁護士も相変わらずのくせ者ぶりを発揮していて、機知とユーモアも快調、前作以上に楽しめる。とくに終盤の、仮設法廷の審問の場面で、即席の速記役を割り振りされた女性の振る舞いは爆笑もの。 ミステリ的には、容疑者候補が少ないこともあって謎解きの部分はやや弱い感じがする。 |
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| No.2005 | 5点 | シュークリーム・パニック 生チョコレート- 倉知淳 | 2013/11/18 18:48 |
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| 中短編3作を収録した作品集。それぞれテイストが異なりバラエティに富んでいて楽しめましたが、いずれも結末にもう少しインパクトがあればと思わなくもありません。
「現金強奪作戦!(但し現地集合)」は、借金苦の”僕”が競馬場で知り合った男から銀行強盗の計画に誘われる話。泡坂妻夫の”亜流”のようなロジックと、タイトルにある”現地集合”にニヤリ。 「強運の男」は、バーで隣り合わせた男から賭けゲームを持ちかけられ、段々それがエスカレートする話。よくある設定ながら、結末までの展開がなかなかスリリング。 中編の「夏の終わりと僕らの影と」は、高校生男女5人が夏休みに自主映画を製作中にヒロイン役が消失する話。人物消失のトリックは真相がミエミエでアレですが、どのキャラクターも活き活きと描かれており青春ミステリとしては秀逸。これが個人的ベスト。 |
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| No.2004 | 6点 | 薔薇の環- ジョン・ブラックバーン | 2013/11/16 21:24 |
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| 東ドイツを通過中の夜行列車からイギリス陸軍少佐の息子が消えた。英国の機密情報を得んがための東側の拉致工作だと疑ったイギリス情報局のカーク将軍は、ソ連内務省のペトロフ部長に接触を図るが------。
幕開けは東西冷戦を背景としたスパイ小説の様相ですが、そこはブラックバーンのこと、ナチスの遺物やオカルト風民間伝承、バイオホラーなど色々な要素を絡めながら、事態はどんどん意外な方向に進展していきます。 今回カーク将軍は脇役で(緊急事態時なのにソ連の部長とチェスを指してますw)、以降のシリーズでタッグを組むことになる細菌学者レヴィン卿が主役ですが、”国家規模の脅威”に対するためソ連側と手を組む設定などがいかにもB級で面白いです。ただ、他の作品を読んでいると、脅威の正体や後半の展開がどれも似ておりマンネリ感も否めませんが。 なお、タイトルは少年の体に浮き出たバラ模様の発疹を表しているようです。 |
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| No.2003 | 6点 | 星籠の海- 島田荘司 | 2013/11/14 18:50 |
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| 四国松山沖の島湾に複数の死体が流れ着く謎めいた事件の依頼を受けた御手洗と石岡は、古来からの瀬戸内海航路の要衝である福山・鞆の浦に事件の核心があることを突き止める--------。
”時計仕掛けの海”こと瀬戸内海を舞台にした、歴史ロマンと冒険スリラーを併せたような大作です。全盛期の完成度には遠く及ばないですが、謎の水死体から始まり、信長の鉄板船や黒船対策にも関係したとみられる村上水軍の秘密兵器「星籠」の謎、新興宗教団体の暗躍、赤子誘拐事件など、ネタが次々繰り出される島荘節が楽しめた。ただ、地元青年を巡る男女のサブストーリー的な物語が長々と語られることでリーダビリティを損なう構成上のバランスの悪さが気になりました。 御手洗シリーズ国内編の最終章ということもあってか、主舞台が作者の出身地福山に近い港町・鞆に設定されていますが、個人的にも思い出のある地なので、風景描写に懐かしさを覚え読後感は良好。(よって+1点加算しましたw) |
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| No.2002 | 6点 | 消しゴム- アラン・ロブ=グリエ | 2013/11/12 18:05 |
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| 特別捜査局のヴァラスは、殺人事件の報せを受け運河と跳ね橋のある街にやってきた。しかし犯人も被害者の遺体も見当たらず、関係者たちの曖昧な証言に迷宮のような街を右往左往するのみ-----。
戦後フランスにおきた文学革命”ヌーヴォー・ロマン”の旗手、アラン・ロブ=グリエの処女作です。解説を読んでもボンクラ頭にはそれまでの文学とどう違うのかいまいち分かりません。捜査の合間にヴァラス刑事が文房具屋で消しゴムを買い求める場面が何度か挿入されるなど意味不明で、こういった何を象徴する描写なのか読者に委ねる試みは前衛的なのかもしれません。ただ、実験的・前衛的といっても、文章自体は平明で、新訳ということもあって非常に読みやすいです。 本書はミステリ(のパロディ)のある趣向を取り入れた文学となっていて、解説では「黄色い部屋」や「アクロイド」を引き合いに出していますが、この仕掛けで一番に連想したのはピーター・アントニイの「衣裳戸棚の女」でした。 |
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| No.2001 | 5点 | 連続殺人枯木灘- 梶龍雄 | 2013/11/10 18:39 |
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| 和歌山県に新種の虫を採取に来た昆虫マニアが何者かに狙撃され死亡する。友人の宇月は犯行に使用された特殊な銃弾に不審を抱き、事件の背後関係を捜査するが、事態は思わぬ方向に発展していく-------。
序盤は連続殺人を主題とした本格ミステリの様相で物語が進みますが、終戦直前の憲兵将校による新型銃器強奪計画という陰謀話が出てきたり、多数の少年たちを人質に謎の武装グループが南紀・枯木灘に浮かぶ島を乗っ取る事件が発生するなど、かなり大風呂敷を広げた展開で、まるで伴野朗の冒険小説を読むような謀略モノに変調する異色作です。その割にサスペンス性はそれほどありませんがw そんな動機で?と思わなくはないものの、本格ミステリ作家らしく、最後は意外な犯人の正体で締めています。 |
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