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文生さん
平均点: 5.85点 書評数: 456件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.17 6点 鏡は横にひび割れて- アガサ・クリスティー 2024/04/13 09:30
事件のシチュエーションがミステリーあるあるパターンなので犯人はすぐに見当がつきました。一方、分かりやすいフーダニットに対してホワイダニットはなかなか巧妙。パーティーでの毒殺で意外な動機といえば同著者の『三幕の殺人』を彷彿とさせますが、それとは全く異なる意外性を演出してみせたのが見事です。ただ、これは晩年のクリスティ作品全般にいえることですが、とにかく展開が単調すぎて退屈。特に、ミスマープルものはその傾向が顕著でそこが個人的には評価を下げる原因となっています。

No.16 7点 三幕の殺人- アガサ・クリスティー 2024/04/03 04:24
善良な牧師はなぜ殺されたのか?というホワイダニットに対する解答は、現代の読者には大きな驚きを与えることはできないでしょう。しかし、当時としては読者の意表を突くものであり、また、いろいろな角度から動機を検討していくくだりもなかなかにスリリングです。三幕仕立てのプロットもよく出来ており、古き良き時代の探偵小説として読み応えがあります。

No.15 5点 火曜クラブ- アガサ・クリスティー 2024/04/01 07:02
『黒後家蜘蛛の会』の雛型ともいえる推理合戦ものですが、今読むとたわいもないものが多くて物足りません。そのなかにあって「舗道の血痕」の巧妙さはなかなか

No.14 4点 象は忘れない- アガサ・クリスティー 2024/03/23 09:18
トリックはありふれていても巧みなミスディレクションによって読者の意表を突くのがクリスティの真骨頂ですが、晩年の作品においてはそのテクニックにも衰えがみられます。本作も過去の事件の真相を探っていくという物語自体は結構引き込まれたものの、トリックはバレバレでした。ミステリーの場合、物語はそれなりに面白くても真相があまりにもバレバレだとさすがに興が削がれてしまいます。デビュー時から晩年まで一貫して当たり外れの少ない作家といわれるクリスティですが、個人的には『ポケットにライ麦を』や『葬儀を終えて』を発表した1953年までが全盛期でそのあと20年は衰えが目立つという印象。

No.13 6点 ひらいたトランプ- アガサ・クリスティー 2023/12/03 21:02
ポアロの推理にどの程度の妥当性があるのかは正直分かりませんが、ブリッジの手や得点表から容疑者たちの心行動を読み取っていく趣向はスリリングでした。物語自体は地味ながらもぐいぐいと引き込まれていきました。ぶっちゃけ、それ以前に読んだ『カナリア殺人事件』のポーカー勝負に伴う推理が単純すぎて不満だったことが本作の印象を押し上げている面もあります。ただ、冷静に考えると本格ミステリとしてそこまで高い評価は出来ないので、点数はこのくらいで。

No.12 5点 愛国殺人- アガサ・クリスティー 2021/10/06 09:50
歯科医院を舞台にした殺人はなかなかユニークですし、複数の小粒なトリックを上手く活用した仕掛けもクリスティらしくて悪くないのだけど、なぜかのれない作品でした。やはり、クリスティのミステリーに政治的なテーマはそぐわないということでしょうか?機会があれば再読に挑戦してみたい作品です。

No.11 7点 終りなき夜に生れつく- アガサ・クリスティー 2017/11/08 09:54
1967年の発表のクリスティ晩年の作品であり、あまり期待していなかったのですが非常に面白かったです。ミステリー要素はあまりないものの、恋愛サスペンス風なストーリーにぐいぐいい引き込まれていきました。タイトルも秀逸で皮肉なラストも印象深いものがあります。ただ、メイントリックが自著の使い回しだったのが残念。

No.10 6点 ABC殺人事件- アガサ・クリスティー 2017/11/07 17:15
新しいジャンルを確立したという意味で「アクロイド殺し」や「そして誰もいなくなった」と並ぶ重要作品であり、全体のプロットもよく練られている。しかし、現代の読者にとっては初歩的すぎて作者の狙いはバレバレだろう。

No.9 5点 シタフォードの秘密- アガサ・クリスティー 2017/11/07 17:07
江戸川乱歩の「帽子収集狂事件」推しと並んで不可解な坂口安吾絶賛の本作。トリックの新境地と言っているがどこにそんな要素があるのかと首をかしげてしまう。クリスティの作品としてはせいぜい中の下ぐらいの作品ではないだろうか。

No.8 4点 ゴルフ場殺人事件- アガサ・クリスティー 2015/03/06 20:06
デビュー2作目にして後年ミステリの女王と呼ばれるにふさわしい物語運びのそつのなさは垣間見られるのですが、ミステリとしては特にひねりもなく凡作の域を出ていません。

No.7 5点 スタイルズ荘の怪事件- アガサ・クリスティー 2010/01/23 14:48
クリスティーのデビュー作で、ある有名なトリックが使われている。
ただ、このころのクリスティにはまだ作家としての超絶技巧なテクニックを持ち合わせておらず、中期以降の作品に比べると面白みに欠ける。

No.6 5点 予告殺人- アガサ・クリスティー 2010/01/20 16:28
私もこの作品がなぜクリスティの代表作のひとつに挙げられているのかが理解できない。
それなりのうまさは感じますが、これといって特筆すべき点がないように思います。

No.5 7点 白昼の悪魔- アガサ・クリスティー 2010/01/20 16:24
クリスティの作品全般に言えることですが、トリック自体はたいしたことがない。
しかし、容疑者全員にアリバイがあって、そのアリバイをひとつひとつ崩していく多重推理的な趣向が楽しい。
トリックの扱い方のうまさはさすがである。
クリスティ中期を代表する作品。

No.4 7点 ナイルに死す- アガサ・クリスティー 2010/01/20 16:11
あまりの評価の高さにびびりました。
そこまで凄い作品とは思いませんが、クリスティのストーリーテラーぶりと巧妙なプロット、そしてトリックの使い方のうまさが光る佳品だと思います。

No.3 6点 アクロイド殺し- アガサ・クリスティー 2010/01/20 14:09
あのトリックの先駆者的作品としては評価すべき作品だが、クリスティの作品としては決して完成度は高い方ではない。
アリバイトリックも今となってはさすがに古すぎる。
ただ、小さなトリックの扱い方には光るものがあり、
さすがはクリスティといったところ

No.2 10点 そして誰もいなくなった- アガサ・クリスティー 2010/01/20 13:59
最高峰としか言いようのない作品。
冒頭の謎、中盤のサスペンス、結末の衝撃とすべてが完璧な空前絶後の傑作です。
さすがにトリックは今となっては古いですが、それを隠蔽するミスリードの手腕は見事。
余計なエピソードを盛り込まず、最小限の枚数でこの大作を書き切った事実にも凄みを感じます。
強いて難を言えば、動機にもうひとつヒネリがほしかった所ですが、そこまで求めるのは酷というものでしょう。

No.1 8点 葬儀を終えて- アガサ・クリスティー 2010/01/19 14:28
派手なトリックや複雑なロジックがなくても優れたプロットがあれは一流の本格ミステリが書けるという好例。
事件の真相を実に巧妙に逸らしていくミスリードの手腕に脱帽。
クリスティー晩年の円熟の味を感じさせる傑作。

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文生さん
ひとこと
本格脳なので本格度が高いほど評価も高くなります。ただし、本格好きと言ってもフェアプレーなどはどうでもよい派なのでロジックだけの作品は評価が低めです。トリックやプロットを重視した採点となっています。
好きな作家
ジョン・ディクスン・カー、土屋隆夫、竹本健治、山田正紀
採点傾向
平均点: 5.85点   採点数: 456件
採点の多い作家(TOP10)
ジョン・ディクスン・カー(18)
アガサ・クリスティー(17)
横溝正史(12)
エラリイ・クイーン(11)
西尾維新(11)
カーター・ディクスン(11)
森村誠一(10)
東野圭吾(10)
米澤穂信(10)
竹本健治(9)