皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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まさむねさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 1282件 |
| No.322 | 5点 | 魔王城殺人事件- 歌野晶午 | 2012/10/09 22:11 |
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| トリック自体は,敢えて云々言うまでもないレベルなのですが,ミステリーランドの趣旨を勘案すれば非常に「正しい」作品であり,好感を持ちました。(注:私がこれまで読んだミステリーランド作品は麻耶氏の「神様ゲーム」のみであるため,何をもって「正しい」とすべきなのかは,自分でもよく分かりませんが…。)
多くの皆様のおっしゃるとおり,なるほど,ミステリーランドは様々に楽しめますねぇ。どんどんノベルス化・文庫化されているようですし,今後,積極的に読んでいくことになりそうです。 |
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| No.321 | 4点 | 人形館の殺人- 綾辻行人 | 2012/10/06 20:26 |
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| 館シリーズの中でも,ひときわ異彩を放つ作品ですねぇ。好き嫌いがはっきり分かれそうですが,私にとっては相当に期待はずれ。「館シリーズに求めているのはソコではない」とでも言いましょうか…。
館シリーズを順に読むとすれば,コレを飛ばして時計館ってことでもOKですね。と,言いますか,個人的にはコレを館シリーズに分類すべきなのか,悩ましさすら感じます。 |
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| No.320 | 3点 | 殺人現場は雲の上- 東野圭吾 | 2012/09/30 18:47 |
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| スチュワーデスの通称エー子とビー子が遭遇する事件を扱った短編集。
ミステリ的に中身が薄いうえに,登場人物の設定や描写に相当な「やっつけ感」を抱いたため,ちょっと読み進めるのが辛かったですねぇ。作者に期待するレベルとの落差が凄かったので,マイナス1点ですな。(既読の氏の短編集の中で,ワーストのような気がします。) |
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| No.319 | 7点 | 迷路館の殺人- 綾辻行人 | 2012/09/24 23:14 |
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| 全体構成(特に作中作の使い方)が絶妙です。結構キワドイ面もあるのですが,個人的にはセーフかな。建物のトリック自体は「うーん…」といった印象なのですが,後半の畳掛け具合は流石に巧いと思いますね。ある意味で「新本格」の王道か?
ちなみに,時計館を先読していたため,かなり損をした気分(完全に個人的な事情であって作者に非はないのですが…)。その事情なしにこの作品に出会っていれば,さらに高評価にした可能性が大です。 |
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| No.318 | 6点 | 陽気なギャングが地球を回す- 伊坂幸太郎 | 2012/09/21 21:33 |
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| 伊坂作品で初めて映画化された作品。展開もスピーディーだし,爽快感もあるし,確かに映像向きですね。
全体的に伊坂ワールド全開です。「はいはい,ココ伏線ですよ~」ってな具合に分かり易すぎる面もあるのですが,とにかくサクサク読み進めるべし。エンタメ小説として結構楽しめると思いますね。 |
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| No.317 | 5点 | チヨ子- 宮部みゆき | 2012/09/16 22:38 |
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| 巷の評判から予測していたよりは,悪くなかった印象。作者の気持ちは,何となく理解できます。
しかし,全体的に中途半端な感じは否めず,ちょっと残念。 |
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| No.316 | 6点 | ジュリエットの悲鳴- 有栖川有栖 | 2012/09/11 22:41 |
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| ノンシリーズものの短編集(一部掌編を含む)。
作者の十八番たるロジックを期待された方にとっては,おそらく肩透かし感を抱くものと思われます。しかし,個人的には,バラエティ豊富で,むしろ好ましく感じました。 「夜汽車は走る」が個人的なベストで,雰囲気と全体構成に味わいがあります。一転して,「登竜門が多すぎる」はパロディもの。これも良かった。ショートショートの中では,「世紀のアリバイ」が秀逸。イマイチと思った作品も正直ありましたが,全体的には楽しめましたよ。 |
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| No.315 | 5点 | 腕貫探偵- 西澤保彦 | 2012/09/09 13:53 |
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| 櫃洗市を舞台にした安楽椅子探偵モノの短編集。
内容としてはまずまず楽しめたのですが,探偵役を「腕貫」をした地方公務員(市民サーヴィス課臨時出張所担当?)に設定した趣旨がイマイチ分からないですなぁ。 |
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| No.314 | 7点 | 退職刑事1- 都筑道夫 | 2012/08/22 23:12 |
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| 国内の安楽椅子探偵モノの嚆矢とも言える作品ですね。
ロジックを積み重ねた上での,事実の反転ぶりがなんとも楽しかったですねぇ。まさに安楽椅子探偵モノの醍醐味ですな。 ちなみに,個人的には前半4作品(写真うつりのよい女,妻妾同居,狂い小町,ジャケット背広スーツ)が粒揃いでオススメです。 |
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| No.313 | 5点 | 新・日本の七不思議- 鯨統一郎 | 2012/08/22 00:18 |
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| 前々作「邪馬台国は~」で取り上げたネタの検証又は補強もあったりして,インパクトという面では,どうしても一段落ちるかなぁ…と。
むしろ,二人はいつの間に?…ってコトの方が気がかりでしたね。結構二人のバトルが好きだったのだけれども(笑)。 |
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| No.312 | 7点 | 十八の夏- 光原百合 | 2012/08/18 20:19 |
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| すべて恋愛をからめた短編で構成されています。個人的にはかなりの好印象。
1 十八の夏 推理作家協会賞(短編部門)受賞作らしく,纏まった作品。青春小説としても読ませます。 2 ささやかな奇跡 ミステリ的には弱いのですが,ストーリーそのものは相当楽しめました。弱いんですよねぇ,こういうの。 3 兄貴の純情 これもミステリ的にはパンチが足りないのですが,兄貴の愛すべきキャラは楽しめます。 4 イノセント・デイズ 最もミステリ要素が強いですね。ともすると救いようのないネタを,読後感よく締めているのは素晴らしい。 |
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| No.311 | 6点 | 陽だまりの偽り- 長岡弘樹 | 2012/08/14 15:14 |
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| 横山秀夫氏を彷彿とさせる短編集(そういえば,文庫版の解説にも同様の記載がありました)。
人間の弱さと優しさの織り込み具合は確かに巧いです。多少,オチが見えやすい面もありますが,全作品ともきっちりまとめています。第一作品集としては水準以上であると思いますね。(内容的には好き嫌いがあるかもしれませんが。) これが日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作の「傍聞き」に繋がって,ブレイクしたのだと思うと,新たな短編の名手と呼ばれるのも,私は素直に首肯できますね。 |
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| No.310 | 2点 | 増加博士の事件簿- 二階堂黎人 | 2012/08/11 09:19 |
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| 二階堂氏としては初と思われる,ショート・ショート集。
正直,決してオススメできません。いくらパズル雑誌の依頼に基づく作品とはいえ,これはないだろう…って感じです。「頭脳刺激系ミステリー」って言われてもなぁ。 |
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| No.309 | 4点 | 「白鳥」の殺人- 折原一 | 2012/08/05 23:11 |
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| 着目点は面白いと思うのですが,あれだけの長距離列車となると,結構キビシイと思うなぁ…。それと,グイグイ引っ張っていく魅力的な謎がないところも辛い。
まぁ,読みやすかったし,嫌な感じは受けなかったのですが。 |
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| No.308 | 5点 | 嫉妬事件- 乾くるみ | 2012/08/03 21:58 |
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| 長めの中編(表題作)+読者挑戦モノの短編(ボーナストラック)で構成。
表題作の方は,オチが相当に微妙。ちょっとタイトルに騙されました(確かに「シット事件」なんだけど…)。しかも,内容に比して長すぎる印象です。ちなみに,オチを含めてコレを「日常の謎」に分類することには相当な違和感が(笑)。 逆に,ボーナストラックは結構好み。これもタイトルに…。 総合して,ギリギリこの点数でしょうか。 |
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| No.307 | 5点 | ルームメイト- 今邑彩 | 2012/07/29 21:57 |
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| 非常に読みやすい作品だし,楽しめたのですが,多重人格モノは個人的にはあまり…。何でもできちゃいますしねぇ。
ちなみに,モノローグ4は衝撃って程でもなく,ちょっと蛇足っぽいかなぁ。 |
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| No.306 | 6点 | 春から夏、やがて冬- 歌野晶午 | 2012/07/26 22:36 |
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| タイトルから,どうしても「葉桜~」を念頭に読んでしまいますねぇ(私だけ?)。結果,ソッチ系ではなく,反転レベルも期待ほどではなかったものの,残念感は抱きませんでした。淡々とした書きぶり,そして悲しさと切なさと優しさが入り混じった読後感は記憶に残りそうです。この作品の本質は,反転ではなく,その後の余韻にあるような気がしますね。(好き嫌いはありそうですが…。) | |||
| No.305 | 5点 | 死にぞこないの青- 乙一 | 2012/07/22 22:43 |
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| ミステリーでもないし,ホラーとも言い難いような感じなのですが…。でも,S県O市の事件が毎日のようにマスコミに取り上げられている状況で読むと,結構怖い。私自身は出会ったことがないのだけれども,こんな馬鹿教師,いそうな気がします。一番怖いことってなんだろう,そして一番大切なものって何だろう…そんなことを考えさせられるお話。
ちなみに,主人公の「男気」は分からないでもないケド,そこまでの芯があるのならもっと前に何とかなったような気が。 |
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| No.304 | 9点 | 神様ゲーム- 麻耶雄嵩 | 2012/07/21 19:20 |
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| ジュヴナイル・ミステリの姿を借りた,麻耶雄嵩サンならではの衝撃作(問題作?)です。流石と言うべきなのか,やってくれますねぇ。とにかく多方面(真相のみならずロボのネーミングなども…)で衝撃を受けました。
私はノベルス版で読んだのですが,ミステリーランド版で読めば,さらに楽しめたでしょうねぇ。挿絵とかあるなら,是非見たい。 (以下,未読の方はご遠慮を) で,真相ですが,純粋に「神様」の言った(行った?)とおりなのだと自分を納得させています。確かに,「けっこう小さい」と序盤で述べています。この「けっこう」に疑義は抱きますが,まぁアレの中に隠れられたのだろうと。 ただですねぇ,共犯複数説(つまり二人とも…って説)ってのも成り立ち得るのではないかとモヤモヤしているのです。実はラストの後,神様はもう一人に燃え移らせた…という可能性はないのかと。うーん,誰かこの説を打ち消していただけないでしょうか(涙)。 |
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| No.303 | 6点 | 噂- 荻原浩 | 2012/07/17 23:36 |
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| 警察小説として読めば,リーダビリティも含め,間違いなく水準以上であると思います。流れるままに,素直に読むべき作品ですし,それが最も楽しめる読み方です。
(以下,未読の方は注意) これは決して作者の責任ではないのですが,「衝撃の結末」というコピーが頭の中にあると,私は,どうしても「オチ」を探したくなるのですねぇ。何ともツマラナイ読者です。で,この作品をソッチ系の目で見ると,ラストのキーパーソンに関する伏線は相当に分かりやすい。したがって,驚けなかった…。かなり損をした気分になりました…。 |
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