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E-BANKERさん
平均点: 6.01点 書評数: 1812件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.72 7点 終戦のローレライ - 福井晴敏 2009/09/15 22:28
太平洋戦争を舞台とした一大スペクタクル小説。
まさに福井版「沈黙の艦隊」といった趣きで、読んでいる間、自分がまるで当時の潜水艦の中にいるかのような臨場感を味わえます。
「亡国の・・・」は上官と部下の信頼・友情をテーマにしていますが、本作はラブストーリー的要素も結構入っています。(映画では妻夫木と香椎由宇でしたね)
個人的には、「亡国」の方が好みなのでこの点数としましたが、時間のあるときに一気読みすることをお勧めします。

No.71 8点 亡国のイージス- 福井晴敏 2009/09/15 22:14
乱歩賞受賞後第1作目。圧倒的スケールで描く、エンターテイメント小説の秀作。
日本推理協会賞受賞作。
~自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。1人息子を国家に撲殺され、それまでの人生を投げ打ち鬼となった男。祖国に絶望して謀反の牙を向く孤独な北朝鮮工作員。男たちの底深い情念が、最新のシステム護衛艦を暴走させ、1億2千万の民を擁する国家が成すすべなく立ち尽くす。圧倒的筆力が描き出す、慟哭する魂の航路~

これはスゴイ小説だ!
とにかく、何とも言えないパワー。これでもかというように、読者に迫ってきます。
イメージ的には、イージス艦版「ダイ・ハード」というのが分かりやすい(?)かもしれませんね。
(とすると、「ホワイトアウト」とも同種?)
紹介文にもあるとおり、登場人物たちそれぞれの思いが、最新鋭のイージス艦という舞台でぶつかり合う、そして・・・ドラマだよねぇ。
そして、たった1艘のイージス艦を前にきりきり舞いさせられ、立ち往生させられる政府。これなんて、現実に起こっても多分こうなるんだろうと思わされる。

終盤にかけては、圧倒的スピード感で、感動のラストまで一直線。
(これなんて、なんだかハリウッド映画を見てるようです)
とにかく、時間を忘れてのめり込んでしまうこと間違いなしの作品。お勧め。
(ただ、まぁミステリーとは呼べないなぁ)

No.70 5点 螺鈿迷宮- 海堂尊 2009/09/13 18:04
本作はこれまでの田口医師は登場せず、代りに医学生、天馬を主人公に話が展開します。
「終末医療」という本来は重いテーマを主軸としていますが、作品のタッチは相変わらずギャグを織り交ぜながら、スピーディーに進んでいき、新しいキャラ“氷姫”の初登場など、読者へのサービスも忘れていません。
ただ、いわゆる「謎解き」の要素はほとんどなく、作者の導く方向へ読み進めていくだけ、という感想。読み物としては水準以上ですが、点数はこれくらいが妥当ではないでしょうか。

No.69 8点 シャイロックの子供たち- 池井戸潤 2009/09/13 17:53
作者得意の連作短編集。
とある銀行の1支店の中で、つぎつぎと事件?が起こっていきます。
氏の作品のほとんどは銀行を舞台としており、本作もそうですが、テーマとしては「ごく普通の人間が持っている嫉妬や欲、狂気という感情を要因として起こる事件・犯罪」であり、それが銀行という組織や銀行員という人間性というフィルターを通すことで、一層魅力的な作品になるんじゃないか・・・という感想です。
本作は一気読み必至の良作という評価でいいと思います。

No.68 7点 硝子のハンマー- 貴志祐介 2009/09/13 17:38
防犯コンサルタント・榎本を主役とするシリーズ第1弾。
ホラー小説の雄である作者が初めて書く「本格ミステリー」。
~見えない殺人者の底知れぬ悪意。日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。弁護士・青砥は久永の無実を信じ、防犯コンサルタント・榎本ももとを訪れるが・・・~

「よくできてる」ミステリー。
ここまで堅牢な「究極の密室」。それも、現代科学の粋を集めたセキュリティ技術で作られた「密室」。
これまでよく出てきた「準密室」といった中途半端なものではありません。
そこに、作者独自のアプローチを感じ取るわけです。

終盤、突然犯人側視点に切り替わるのがどうかというところですが、そんなに違和感なく読めるのでは?
防犯コンサルタントという探偵役の設定もいいトコロ突いてるでしょう。
まずは、作者の力量を十分に感じさせてくれる良作。

No.67 2点 新・寝台特急殺人事件- 西村京太郎 2009/09/12 23:41
トラベルミステリーの元祖とでもいうべき、氏の「寝台特急殺人事件」刊行25周年を記念して発表された作品。(だから、「新」がついてます)
はっきり言って、読むだけ時間の無駄でしょう。旧作とは比べ物になりません。

No.66 6点 光る鶴- 島田荘司 2009/09/12 23:29
短編集。何かしみじみした作品。
表題作は、これまで何度もあった「冤罪事件&吉敷刑事」の組み合わせですが、このペアの相性の良さを感じさせます。
「吉敷竹史の肖像」はミステリーというか、青春小説という趣き。吉敷ファンにとっては、若き日の彼の姿を知ることができて良いのではないでしょうか。
「電車最中」はおまけみたいな短編。

No.65 9点 斜め屋敷の犯罪- 島田荘司 2009/09/12 23:17
御手洗潔シリーズ初期の名作中の名作。
今回、新装ノベルズの完全改訂版で再読。
オホーツク海を見下ろす宗谷岬に傾斜して建つ奇妙な館・・・通称「斜め屋敷」。雪の降る聖夜に開かれたパーティー、そして翌朝、堅牢無比な密室の中で発見された招待客の死体・・・
何て魅力的な設定でしょうか! ミステリー作家なら一度は書いてみたいプロットでしょうし、ミステリーファンならばこれこそ一番の「大好物」。
とにかく、初読のときの「衝撃度」がスゴかった。巻頭にある斜め屋敷の「図」・・・ここに作者の企みが凝縮されています。
加えて、なぜ「斜めに傾いているのか?」・・・ラスト、御手洗の解決編を読んだときに、すべてが腑に落ちていきます。
島田氏にしては珍しく、本筋に余計な薀蓄話やサイドストーリーを一切挟まず、たいへんシンプルな構成ですし、そこにも好感が持てます。
真相解明以降に明かされる「動機」については、C.ドイルの名作「緋色の研究」にオーバーラップしてきます。
というわけで、ミステリー中毒ならば是非一度は手にとって読まなければいけない一冊と断言します。
これを「バカミス」と否定的に見る方もいるかもしれませんが、まぁいいじゃありませんか、「バカミス」でも! こんな迫力のある作品を書ける作家は二人といないはずです。
(牛越刑事が戸惑うだけで、全く活躍できなかったのが唯一の不満。もう少し、渋い役どころを与えて欲しかったなぁ・・・)

No.64 6点 シャドウ- 道尾秀介 2009/09/12 22:58
作者初期の長編作品。
ミスリードの技巧が冴えてます。
~「人は死んだらどうなるの。いなくなって、それだけなの?」。その会話から3年後、凰介の母親は病死した。父と2人だけの生活が始まって数日後、幼馴染の母親が自殺したのを皮切りに、つぎつぎと不幸が・・・父とのささやかな幸せを願う小学校5年生の少年が、苦悩の果てに辿りついた驚愕の真実とはなにか。いま最も注目される俊英がはなつ、巧緻に描かれた傑作~

紹介文のとおり「うまい」作品。
普通に読んでると、作者のミスリードに嵌って、確実に騙されます。
精神性疾患や幼児虐待という「テーマ」を見せながら、読者が自然に「一方向の考え」に陥るように仕向ける・・・
いったい、誰が狂っているのか、誰が本当の悪人なのか?
個人的にはもう少し捻って予想していたため、ラストの種明かしについてのサプライズ感はやや中途半端でしたかねぇー
(ちょっときれいすぎる感じ)

まぁ、ハッピーエンドで終っていて読後感はいいですし、十分に楽しめるレベルの作品なのは確かでしょう。
(人間って、割と簡単に狂えるんですよね)

No.63 6点 鳴風荘事件- 綾辻行人 2009/09/09 22:36
「殺人方程式」に続く、明日香井兄弟シリーズの第2作目。
「館」シリーズとは一味違った、純粋パズラー小説。
~奇天烈な洋館に集まった人々は目を疑った。6年前に殺された女流作家そっくりに、その妹が変貌していたのだ。そして、姉の事件と同じ月食の晩に悲劇が彼女を襲う。不思議な力を持っているという黒髪を切られるという手口も酷似して! 必要な手掛かりをすべて掲示して読者へ挑戦する新本格ミステリーの白眉~

やっぱり、前作よりは落ちるという印象。
「本格物らしい本格物を書くつもりで書いた」と作者あとがきでありますが、まずは提示される「謎」そのものが小粒な感があります。
特に、「なぜ被害者の黒髪が切られたのか」については、本作の中心的な仕掛けでありながら、ミステリーファンには「見え見え」ではないでしょうか?
その辺、もう少し捻りが欲しかったなぁ。

ロジックの積み重ねで、真相を暴いていくというスタイルは好ましいと思えますし、個人的に好きなシリーズですので、評点はこんなもんで・・・
(是非、新作が読みたいシリーズなんですけどねぇ。無理かな?)

No.62 6点 交渉人- 五十嵐貴久 2009/09/09 22:28
途中までは、警視庁一の腕利き交渉人(ネゴシエーター)と病院立てこもりグループとの闘いを良いテンポで描いており、質のいい映画のような展開です。
後半に入ると話が一転、主役が入れ替わり、「実は・・・」という驚きのラストを迎えます。
なかなか練られていると思いますし、水準級の面白さは感じます。

No.61 5点 マレー鉄道の謎- 有栖川有栖 2009/09/09 22:15
一連の火村助教授シリーズでは上位、作者全体としては中くらいの出来の作品。
目張りを施した部屋の密室についてはまあまあの出来ですが、真犯人の意外性のなさをはじめ、なにか全体的に物足りない印象が残る。まぁ、シリーズ全体でも言えることですが・・・
ちなみに、マレー鉄道に関する謎は特に出てきません。

No.60 6点 地獄の奇術師- 二階堂黎人 2009/09/07 22:28
二階堂蘭子の探偵譚第1章。
作者の記念すべきデビュー作。
~十字架屋敷と呼ばれる実業家の邸宅に、ミイラのような男が出現した。顔中に包帯を巻いた、異様な格好である。自らを「地獄の奇術師」と名乗り、復讐のためにこの実業家一族を皆殺しにすると予告したのだ。「地獄の奇術師」の目的は何なのか? 女子高生で名探偵・二階堂蘭子の推理が冴え渡る~

「江戸川乱歩」の世界が甦った!というべき雰囲気。
時は昭和40年代。かろうじて、東京郊外であれば、まだ夜の闇に怖さが残っていた時代なのでしょう。
それ以上に、現代であれば当然行われる「DNA鑑定」などの先進的科学捜査が、まだ運用されていなかった時代、という方がより重要な時代設定なのでしょう。
しかし、前半のくだりはどうなんでしょうねぇ・・・
昔読んだ、怪人二十面相シリーズを彷彿させる、ゾクゾクさせるような展開。
あまりにも大時代的すぎて、ついていけなくなる読者も多いことでしょう。
2作目(「吸血の家」)以降は、大掛かりなトリックで、読者の度肝を抜くようなプロットが登場しますが、本作ではその辺りが弱くて、中途半端。
まぁ、意外な真犯人とその動機が本作の「肝」だとは思いますが、ちょっと荒唐無稽な感がどうしてもつきまといます。

ただ、本シリーズの作品中には、本作のエピソードがたびたび登場しますので、シリーズ作を読まれる方にとってはどうしても避けて通れない1冊とは言えるでしょう。
(しかし、「地獄の奇術師」なんてネーミング! 二階堂氏以外は付けないだろうなぁ・・・)

No.59 5点 暗黒館の殺人- 綾辻行人 2009/09/07 21:52
「館」シリーズ第7作目にして、一応のラスト作品。(まだ続くようですが・・・)
ノベルズ版で上下分冊という、シリーズ最長のボリューム。
~九州の山深く、外界から隔絶された湖の小島に建つ異形の館・「暗黒館」。光沢のない黒一色に塗られたこの浦登家の屋敷を、当主の息子・玄児に招かれて訪れた学生・中也は、「ダリヤの日」の奇妙な宴に参加する。その席上、怪しげな料理を饗された中也の身には何が起こる? 続発する殺人事件の無意味の意味とはなにか? シリーズ最大・最深・最驚の「館」、ここに落成~

これは「長すぎ」でしょう。
「出るぞ、出るぞ」という前振りだけで、長いこと待たされた作品ですが、結果がこれでは・・・ツライところ。
何か、ミステリーというよりは、ファンタジー作品を読んでる気がしました。
ロジックやらトリックとは基本的に無縁な作品ですねぇ。
「館」シリーズの完結編がこれでいいんでしょうか?
もちろん、最後に明かされる「アレ」には一応驚かされましたし、そこにやっと「完結編」の意味を見出したわけですが・・・

まぁ、細かい部分がどうこうっていう作品じゃないですけど、作者のファン以外にはキツイ作品じゃないでしょうか。
高評価はちょっと無理かな。

No.58 3点 重力ピエロ- 伊坂幸太郎 2009/09/07 21:43
すみません。どこが面白いのかよく分かりませんでした。
作者の作品は初めて読みましたが、続けて読んでいこうという気には今のところならない感じです。
何というか、読みながらのドキドキ感やワクワク感が全く味わえませんでした。

No.57 6点 そして名探偵は生まれた- 歌野晶午 2009/09/05 23:23
一番面白かったのは「生存者一名」ですかねえ。最後のどんでん返しというか、オチは効いていると思います。
「館という名の楽園で」も水準級の作品です。「館」好きなら読んでみてもよいのではないでしょうか。
あとは、正直覚えていない・・・

No.56 7点 仇敵- 池井戸潤 2009/09/05 23:18
大銀行を退職に追い込まれ、地方銀行の庶務係に左遷させられた一人の男を主人公にした連作短編集。
本作を含めて、作者はこういった連作短編集が得意ですね。本作では、銀行の1支店を舞台として、さまざま事件が起こりながら、それがラストにつながっていきます。
銀行の内幕なんかも書かれていますが、詳しくない方も十分楽しめます。

No.55 8点 毒猿 新宿鮫II- 大沢在昌 2009/09/05 23:10
「新宿鮫シリーズ」の第2作目。
台湾から来た殺し屋、その名も「毒猿」。シリーズ屈指の感動作。
~歌舞伎町の女・奈美。孤独な彼女が心惹かれる外国人・楊は、謎の影を持つ男だった。一方、「新宿鮫」と恐れられる新宿署刑事・鮫島は、完璧な職業兇手(殺し屋)が台湾から潜入していることを知る。「毒猿」と呼ばれる男が動き始めた刹那、新宿を戦慄が襲う! 鮫島は恐るべき人間兇器の暴走を止めることができるのか?~

「名作」の名に恥じない作品。
とにかく、新宿御苑を舞台に描かれるラストが秀逸。
傷を負いながらも、まさに神がかりの強さでヤクザたちを次々に血祭りにあげていく「毒猿」。そんな相手に、1人で挑んでいく孤高の男・鮫島!
何とも言えない緊張感が読者の心を捕らえて離しません。
そして、ついに迎える悲しい終局には美しささえ感じてしまう・・・

本シリーズでは、1作品ごとに魅力的なサブキャラクターが登場しますが、本作では、台湾から「毒猿」を追ってやって来た刑事・郭がいい味出してます。
銃撃戦で鮫島の身代わりになり命を落としてしまう郭、そして「毒猿」の逮捕を鮫島に託すシーン・・・まさに名場面です。
胸が震えるようなシーンの連続!
感動を覚えること必死の作品。

No.54 8点 新宿鮫- 大沢在昌 2009/09/05 23:00
まさに記念すべき「新宿鮫」シリーズの第1作目。
この作品が、この後20年以上も続いていく超人気シリーズになるとは、このとき誰が想像したでしょう。
~ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく・・・「新宿鮫」と恐れられる新宿署刑事・鮫島。歌舞伎町を中心に警官が連続して射殺された。犯人逮捕に躍起になる署員たちをよそに、鮫島は銃密造の天才・木津を執拗に追う。待ち受ける巧妙な罠。絶体絶命の鮫島。登場人物の圧倒的な個性と最後まで息をつかせぬ緊迫感~

もはや書評の必要もない作品でしょう。
大沢氏は本作発表まで、これといったヒット作にめぐまれず、不遇を囲っていた作家でしたが、それまでの鬱憤を全て晴らすが如く、才能を見事に開花。
いやぁ、とにかく登場人物がこれほど魅力的&個性的に書かれた作品(シリーズ)には、いまだにお目にかかれません。
そして、何とも言えない緊張感溢れる展開。
手に汗握りながら、終盤を迎え、感動のラストでは涙さえ流したくなる・・・
これぞ、エンターテイメントの到達点とさえ感じてしまいます。

本作では、改造銃の名手・木津に絶体絶命のピンチに追い込まれた鮫島を、普段は「昼行灯」と思われていた上司の桃井警部が救出するという、シリーズ通しての重要な場面が出てきます。(これだけでも必読)
孤独な闘いを強いられきた鮫島にわずかながらでも差してきた光明。
桃井や、藪、そして晶・・・今後のシリーズでも重要な人物たちもすべて登場。
本シリーズは、是非順番に読んでいただきたい!
中途半端な読書はして欲しくないとさえ言いたい!(それくらいの「思い」なのです)

No.53 7点 8の殺人- 我孫子武丸 2009/09/03 23:00
速水3兄弟シリーズの第1弾にして、作者の処女長編作品。
速水警部補と木下刑事の迷(?)コンビぶりもかなり面白い! 新装版で再読。
~建物の内部にある中庭が渡り廊下で結ばれた通称「8の字屋敷」で起きたボウガンによる殺人事件。最初の被害者は鍵をかけ、人が寝ていた部屋から撃たれ、2人目は密室のドアの内側に磔になる。速水警部補が推理マニアの弟、妹ともにこの難解な謎に挑戦する!~

個人的に好きな作品。
もちろん、多くの方が指摘するようにアラの目立つ作品ではあります。
「8」という形状自体、すでにトリックのネタバレではないかというのはたいへん尤もなご指摘。
でも、いいではないですか。
時は、新本格の作家たちが次々と登場していた頃。
そもそも、デビュー作品から高い水準を求めようとするのが土台無茶な要求というものです。
大胆かつサプライズ感のあるトリック。意外な真犯人。そして、魅力的な登場人物・・・
十分に、期待には応えているように思うのですが・・・
(評価が甘すぎるのでしょうか?)

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E-BANKERさん
ひとこと
好きな作家
島田荘司、折原一、池井戸潤などなど
採点傾向
平均点: 6.01点   採点数: 1812件
採点の多い作家(TOP10)
島田荘司(72)
折原一(54)
西村京太郎(43)
アガサ・クリスティー(38)
池井戸潤(35)
森博嗣(33)
エラリイ・クイーン(31)
東野圭吾(31)
伊坂幸太郎(30)
大沢在昌(27)