皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
江守森江さん |
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平均点: 5.00点 | 書評数: 1256件 |
No.52 | 5点 | 週刊女性セブン 2011年3月10日号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2011/02/25 08:10 |
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何で「ミステリの祭典」で女性週刊誌を取り上げるのか?疑問に思った方々も多いだろう。
讀賣新聞の下段広告欄に本誌の広告があり、なんと!今をトキメク本格ミステリでは稀有なベストセラー東川篤哉「謎解きはディナーのあとで」の最新読切続編が掲載されていると大きく書かれていた。 早速コンビニに出向き「週刊少年サンデー」(名探偵コナン)の立ち読みついでに読んで来た。 何で本格ミステリの短編集がベストセラーになったのかがハッキリした事に意義があった。 表紙イラストに執事×お嬢様設定が妙齢の女性達に受けた事がヒットの最大要因で、発行元の小学館も同様な分析をして更なる商業展開を目論んでいるのだろう。 それにしてもオヤジ世代向けのギャグ連発で読者を限定してきた東川篤哉の短編を読む為にコンビニで女性週刊誌を立ち読みする時代が到来するとは思ってもみなかった(若いアンチャンが先に立ち読みしてたのも驚きだった) 採点は純然たる週刊誌なので本来は基準点の3点だが、勇気を振るって立ち読みした自分へのご褒美で2点加点した。 ※これだけベストセラーになれば次の短編集は待たずに出版される筈なので、特別な東川ファン以外は敢えて今(女性週刊誌で)読む必要性を感じない。 |
No.51 | 4点 | GIALLO 2001年夏号 - 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2011/02/06 04:45 |
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「このミス」等のムックも含め雑誌の基準点を一律の3点に設定していて、本誌は季刊雑誌なので当然の3点。
本書の登録目的が「本格ミステリ大賞・全選評」の感想にあるので掲載小説等には一切触れない。 第一回は倉知淳が受賞したが、投票者も以降の仕事振りまでは想像出来なかっただろうし(その意味では本格ミステリ発展への貢献は小さく)ご愛敬と言った感がある。 選評投票者の顔ぶれも近年とは微妙に変わっているのが面白い。 完全なる新作揃いなら泡坂妻夫が受賞していただろう。 しかし、収録作品の大半が過去の仕事な短編集で第一回目の受賞作から過去へ向かうのは相応しくないとの意見で(功労賞か特別賞にすべきと)他作品への投票が結構多かった。 受賞作は本格ミステリの新たな方向性を示す作品ではあるが、犯人が指摘されてなんらカタルシスを得られない(登場人物一覧が付されていたなら名前が載らない)作品でもあり受賞作として相応しかったのか微妙ではあるが、犯人を指摘するプロファイリング過程は真っ当な本格ミステリではある。 一回目から理由ありの棄権票まであり、今以上に会員の本格ミステリへの熱意が伝わるのが嬉しく1点加点した。 短編集で受賞を狙うなら全収録短編が別の短編集に収録されない形式でないと長編に比べ不利な事が第一回から示されている。 |
No.50 | 5点 | ミステリマガジン2008年2月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2011/01/09 05:18 |
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雑誌の基準点を一律の3点にしているが、特集により掲載された5短編の愉しさに2点加点して5点。
古本屋の100円コーナーにミステリ・マガジンのバックナンバーが揃ってバラ売りしていて、私が海外ドラマ特集号を、息子が本号を購入した。 丁度、月続きで分割掲載されたエラリイ・クイーンJr.の「紫の鳥の秘密」を一挙に読めたのはナイスだった。 池井戸潤のジュヴナイルや「読者挑戦」付きなホックの2編にヒッチコックまで登場するロバート・アーサーと5短編が揃って、特集通りに親子で非常に愉しめた。 一方で海外ドラマ特集と違いエッセイやインタヴューは親子して嗜好からズレていたのでさほど愉しくなかったのが残念。 今号の特集は早川の「クリスティー・ジュニア・ミステリ」発刊連動企画で、親を巻き込みながら次世代開拓をする素晴らしい試みではある。 ※オマケ 私的に連載の日本人作家インタヴューが門井慶喜なのも嬉しい。 |
No.49 | 7点 | ミステリマガジン2008年3月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2011/01/05 02:14 |
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本来、雑誌の基準点は一律の3点だが、特集に対する思い入れで大例外の4点加点とし雑誌では最高の7点とした。
雑誌登録の私的な縛りで、連載や掲載小説等には極力触れない。 大倉崇裕ブログを勝手にアーカイブしていたら執筆記事に触れられていて非常に入手したかった。 お年玉なのか?新年早々に、古本屋店頭の雑誌100円コーナーにミステリ・マガジンのバックナンバーが揃って並んだ(当然バラ売り)(何処かのマニアが亡くなったのか?でもスゲー嬉しい) 視聴chの関係でワンテンポ遅れな海外ミステリ・ドラマにハマっている身には今読むのが正に旬な《特集》だった。 役者ではジェレミー、スーシェ。キャラならコロンボ、ジャック・バウアー、ホレイショ・ケインにエイドリアン・モンクと揃い踏み。 大絶賛の一番手は小山正(若竹の旦那)のノベライズ紹介。 次いで、ホレイショ・ケインのインタビュー。 気になっていた大倉崇裕のエッセイが三番手。 若竹七海のエッセイも含めて海外ミステリ・ドラマ視聴が何倍も楽しい。 原作ありな「Wire in the Blood」は放送の関係で微妙なのはご愛嬌。 ※希望的余談 大倉崇裕ブログのミステリ・ドラマ評は現役ミステリ作家がどんな視点で視聴しているかが解り面白い。 何処かの出版社で加筆補完して出版してくれないだろうか! |
No.48 | 4点 | 小説新潮 2011年1月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/12/22 23:34 |
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雑誌の基準点を一律の3点にしているが、特集の面白さで微妙に増減している(今号は面白いので1点加点)
特集を評するのが目的なので掲載小説などはスルー(連載中の今野敏・隠蔽捜査4を毎月読んでいるし欠かさずチェックしている) 取り上げる対象は八百号記念特集で「八百字の宇宙」と題した関係作家87名(何度数えても87だが広告では88名とうたっている)によるショート・ショートみたいな雑文。 結構好き放題やっていて笑える(法月綸太郎は特に好み、有栖川は上手い手抜き、海堂尊のオチも・・・) ミステリー的にはもう一つ目玉があり、高橋克彦・島田荘司による「東州斎写楽はどこにいる」と題した特別対談。 歴史認識に対する研究者と作家の立ち位置の違いや写楽蘊蓄は島荘の話題作も相まって楽しく読める。 島荘がこれからするロートル新人育成プロジェクトに関して「自己管理していれば何歳でもミステリーが書ける」発言は自分への叱咤激励なのだろうか?! 一般社会より進行は遅いが、ミステリーの書き手は高齢化社会へまっしぐら、読者も高齢化してミステリーは先細りの運命なのだろうか!! |
No.47 | 3点 | 週刊文春 2010年12月9日号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/12/07 16:42 |
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純然たる週刊誌で、ミステリーの年間ランキングに関してのみが、このサイトの登録対象範囲だから、これぞ「雑誌なので一律の3点」に相応しい。
元々海外翻訳作品のランキングには興味がないのでスルーだが、海外ドラマも同様で日本語版制作(翻訳)されるまでのタイムラグの存在が国内作品に比べ厄介なワンクッションだとドラマ視聴中に感じた。 9月からドラマ視聴に追われ今年後期以降の新刊を殆ど未読な状態なのでランキングを見ても楽しくないだろうと思い、例年している「早ミス」「このミス」「本ミス」「俺ミス」各ムックの書店での立ち読みは断念し、図書館の館内で楽に手に取れる来年3月以降に眺める事に方針転換した。 それでも、この雑誌だけ立ち読み時期を逃すと(図書館保存期間も短い)それまでなので毎週コンビニで立ち読みしている少年サンデー(名探偵コナンだけ)とヤンマガ(カイジと砂の栄冠)のついでに眺めたが、上記理由からさほど楽しめなかった。 ランキング発表は、雑誌の一特集程度が妥当だと思うが(私は雑誌全般を殆ど購入しないので)立ち読み可能期間が短い週刊誌だとツラい。 週刊誌側には販売促進に繋がっているので無理な注文かもしれないが、図書館に最低一年保管される系列の月刊小説誌「オール讀物」に同内容を掲載してほしい(ランキングだけ知るならネット検索や2chの書き込みで十分) ※ゴメンナサイm(_ _)m 大半の対象(期間)作品を未読でランキングの批評(侃々諤々)をする気が起きず愚痴に終始してしまいました。 |
No.46 | 7点 | ミステリマガジン2011年1月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/11/26 22:08 |
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一般的月刊小説誌の気になる連載や特集は毎月図書館に出向いてチェックし読んでいるが、普段ミステリ・マガジンは興味の対象外なので立ち読みすらしていない。
今回特集がテレ朝系放送中のミステリ・ドラマ「相棒」なので例外的に書店に出向き特集のみ立ち読みしてきた。 雑誌の編集姿勢としては翻訳ミステリ主体なので元来の支持者には、最近の特集が片岡義男だったり相棒だったりと迷走し、国内向きな読者に媚びながら売上を伸ばそうとする方針には納得しかねるだろうし、私みたいな国内&映像化作品を主体にした読者には立ち読みで済まされ売上は伸びないだろう! 本来なら雑誌なので一律の3点だが、雑誌としての評価を無視して、10周年分の「相棒」の評価を点数にして7点とした。 満点(8点)としなかったのは、脚本家により出来不出来の差が結構ある点を考慮したから。 杉下右京のキャラの二本柱である「些細な気付きの名探偵」&「正義を貫く信念の人」をバランス良く描き社会派警察モノ〜名探偵モノまで幅広く良質なドラマを地上波テレビで観られる日本人は凄く幸せだ! 因みに脚本家では櫻井武晴がコンスタントに良作を仕上げていて一番評価している(なので「科捜研の女」も同程度に好き) 最後に「相棒ー劇場版2」とのメディアミックスタイアップは映画の一人勝ちだろうと断言しておこう。 |
No.45 | 5点 | 小説新潮 2010年9月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/08/31 09:08 |
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書評目的が、書き下ろしミステリ・アンソロジーな「綴込別冊雑誌」なのでそれ以外の掲載(連載)小説等には触れない。
本来雑誌の基本点を3点にしているが、元来文庫で出版していた企画をミステリ特集な「綴込別冊雑誌」(5編収録)にした事を賞賛して5点とした。 しかも、目玉作品として「島荘の御手洗物」&「有栖川・江神シリーズ」を起用してきた手腕に+1点。 だが、上記2作品もマニア受けする程度なレベルだし、その他の作品は、安易な叙述ネタの手抜き作品な我孫子、ダークな方面の作者らしさはあるが平凡な米澤、本邦初訳な海外作家(アーバン・ウェイト)の売名宣伝作品(全然面白くない)と作品レベルが期待にそぐわなかった(−1点) 有栖川・江神シリーズのファンなら絶対に楽しめるので、現状最新号で書店や図書館で手に取れると思うので、一見の価値はあります! |
No.44 | 6点 | GIALLO 2008年夏号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/08/26 00:29 |
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はじめに!
「本格ミステリ大賞」全選評のみが、この雑誌の当サイトへの登録目的です。 本来なら雑誌なので一律の3点だが、下記に述べる思い入れで雑誌としては例外的に6点とする。 この年度は(私的見解だが多分異論は少ないハズ)ここ20年で「国内本格ミステリ」が一番充実し高レベルな年度だった。 その年度の「本格ミステリ大賞」選評は読み応え充分。 倉知淳の選評が年度の充実を端的に示していて、倉知らしい文章共々ニヤリとしてしまった。 さて、ここから愚痴ろう! 投票には全候補作を読む事が前提だが、全部読まずに投票した感のある投票が結構見受けられる。 次に本格ミステリ作家クラブの会員だが何者か不明な投票者や近年作家活動等をしていないと思しき方々の投票と、文句なしに投票権を有すると思う方々が一票で同価値なのも微妙ではある(もっとも作家は他人の作品を読むのが仕事では断じてない!のだが) 私的に「女王国の城」(決して悪い作品ではないが江神シリーズへの渇望が票を集めたとも思える)が大賞作品で良かったのか非常に疑問で、年月の洗礼を受けた後には「首無し〜」の方が大賞に相応しかったと語られるだろうと思っている。 それでも上記は些細な事で、総括すれば一時的とはいえ本格ミステリの主流を旧来型探偵小説に引き戻した意義ある一年だった。 |
No.43 | 5点 | 小説新潮 2010年3月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/08/22 04:28 |
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登録目的が特集記事の書評なので掲載(及び連載)小説については一切触れない。
本来なら雑誌なので一律の3点だが、秀逸な特集記事が単行本で出版される事は考えられないので特別に2点加点した。 月刊小説誌を定期購入している図書館なら今でもバックナンバーとして読めると思うので登録した。 手嶋龍一×真山仁の「小説世界のインテリジェンス」と題したスペシャル対談は雑誌ならではの企画で面白く読めた。 企画の目玉は佐藤優「実践的スパイ入門」と題したスパイ適性検査で、これも面白い(私の結果は佐藤優と同じだった) さして面白くない(好みの問題)「史料が語る日本の情報戦」を挟んで、もう一方の目玉である西上心太のブックガイド「東西スパイ小説10選」で特集は終わる。 いつになく面白い特集だった。 |
No.42 | 3点 | ジャーロ 2010年夏号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/08/22 03:29 |
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毎度のごとく雑誌に関しては一律の3点。
現在好評?発売中だが取り扱い数は極めて少ない。 掲載される小説は偶に傑作があるが作家個人の本になってから読めばいいと思っているし、夏号しか見ないので連載作品も読まない事にしている。 さて、本題である本格ミステリ大賞の愚痴に入ろう。 極めて私的な嗜好の問題だが、近年の本格ミステリでは頂点を争えると思っている古野まほろ「天帝の〜」が有栖川有栖以外の選考委員に受け入れられず候補落ちした時点で本格ミステリ大賞への期待が激減した。 受賞争いだが、綾辻「Another」が本格ミステリとして受け入れられ投票が伸びるか? 明らかに今回の候補作より高レベル作品(首無し)で受賞を逃した三津田信三をどう評価するか? 既受賞作家でシリーズ前作が低評価だった歌野をどう扱うか(前年度の既受賞作家の扱いに関する問題提起が有利に働くのか?) 終わってみれば「Another」を本格ミステリ扱いせず他作への投票も多くなり評が割れ、三津田・歌野のダブル受賞になった。 大賞受賞の両作とも受賞レベルに到達しているか甚だ疑問だが、受賞作無しで10周年では寂しすぎる面もあった。 総括して、この年度の国内本格ミステリは突出した作品も無く出版不況を象徴していた。 本格ミステリの現状一番の問題は若いファンが増えず読者の高齢化なのだそうだ。 |
No.41 | 3点 | ジャーロ 2009年夏号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/08/22 02:35 |
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毎度のごとく季刊(年4回発行)雑誌なので一律の3点。
ミステリ専門誌で小説主体な構成の雑誌だが、一度も購入した事がなく掲載された小説も読んでいない。 例年夏号(7月号)のみ「本格ミステリ大賞」の全選評が掲載されるので、その部分だけ立ち読みするか、本格ミステリ作家クラブのホームページに掲載されるのを待って読んでいる。 この雑誌を登録する事で、例年の本格ミステリ大賞の在り方・受賞作・候補作について愚痴りたい。 選評にも問題提起されているが、候補作選びで既受賞作家の作品である事で「聖女の救済」「ラットマン」が候補落ちしているが(大賞受賞に至るかは兎も角)他の候補作に劣るとは思えない。 受賞作と候補作については納得の結果だが、狙いがミエミエな最終章を思い切って削っていれば連城「造花の蜜」が受賞作「完全恋愛」に際どく詰め寄ったと思う。 総括してこの年度の国内本格ミステリは平年並みなレベルだろう。 |
No.40 | 3点 | 本格ミステリー・ワールド 2008- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/26 18:53 |
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毎度のごとく年刊雑誌なので一律の3点。
この雑誌に関しては海外翻訳情報の扱いは「本ミス」以上に限定的なので私的な不満はない。 この年度は、本格ミステリ作品が原点回帰していて、二階堂一派の主張と一般本格ミステリ読者の意見に違いが見られない。 その意味で、他誌で読めない「自作解説」が読めるのは素直に嬉しい。 二階堂一派の自己満足本な事は変わらないが(私的見解だが国内では一般読者に見限られている)島荘が台湾に活路を求めだし、その意向が反映されだした。 同じ「俺ミス」と揶揄されても、この年度から二階堂一派と並び島荘も‘俺’(オナニー仲間)に含まれだした。 ※私的見解 作品自体は嫌いではないが二階堂は人間性に問題がある。 島荘は人間性は気にならないが、主張する現代本格の方向性が相容れない。 小森は小難しくミステリが娯楽ではなく、勉強を強要される気分になってしまう。 |
No.39 | 2点 | 本格ミステリー・ワールド2007- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/26 18:35 |
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本来なら年刊雑誌なので一律の3点だが出版姿勢に疑問があり1点減点し、最低なミステリーと同格とした。
出版社&書店には年末の販売促進祭りであるランキング本に対して‘島荘’が巻頭言で「ランキングと作品の絶対評価の在り方」をブチあげた内容を実践した点では、非常に出版意義を感じる。 しかし、最大の失敗は島荘が(僻みから「容疑者X」論争を巻き起こした)二階堂に煽てられて実質の監修を任せてしまった事だろう。 しかも、その二階堂が、作品選抜者を小森&つづみの二階堂一派で固めてしまった。 島田荘司監修に名を借りた二階堂黎人の自己満足本にしかならなかった(巷で「俺ミス」と揶揄されているのが明確に分かる) 後追い雑誌ながら、創刊号?が一応書店に並んだ事は(「本ミス」は長い間並ばなかった)驚きで、ミステリーにおける島田荘司のネームバリューの凄さだけは明確に感じられた。 ※多くの図書館が所蔵している「このミス」「本ミス」と違い、所蔵する図書館の少なさが資料としての価値を物語ってもいる。 |
No.38 | 5点 | 本格ミステリ・ベスト10 2008- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/26 17:59 |
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最初に、海外翻訳ランキングには興味なし。
本来なら年刊雑誌なので一律の3点だが、国内・本格ミステリに原点回帰を齎したランキング上位2作品に敬意を込めて2点加点した。 その上位2作品の優劣だが、シリーズ新作を読者が渇望した状態で出版された有栖川「女王国の城」には多分に贔屓点が加算されていると思っている。 時を経た絶対評価なら差は小さいとはいえ三津田「首無し〜」の方が優っていると思う。 上位2作品から離されたが歌野「密室殺人ゲーム〜」などは、続編が今年度のランキング1位&本格ミステリ大賞を獲得し先に繋いだ。 年度的に、近年の国内・本格ミステリ最強年度と云える豊作だった。 国内・本格ミステリ・シーンの盛り上がりと違い「本ミス」自体は例年に変わらなかった。 それでも、本格分野ではラノベ・コミック・映像の方が柔軟性があると感じさせ意義はある。 映像では、私的に傑作だと思っている「キサラギ」を紹介しているのが特筆できる。 最後に、特集「ジャンル力学の周縁」でピックアップされた作品達を多くの方々が読んで是非とも悶絶してほしい(笑) |
No.37 | 2点 | ミステリが読みたい!2009年版- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/20 06:01 |
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前年の酷い雑誌から何ら変化の無い事に驚きを禁じ得ない。
よって、前年同様に最低レベルのミステリーと同じ2点とする。 ランキング自体ネット発表か、一応ミステリ・マガジンを抱えるメンツを考慮して月刊誌発表に戻すべきだろう。 それにしても早川書房出版作品の国内と海外ランクイン数の落差が酷すぎて口あんぐり! しかも、販促ツールとしても「このミス」とは格段の差があるし出版意義を感じない。 せめて「本ミス」と住み分けするとか工夫してほしい。 ここまで書店に「このミス」と差をつけた扱い方をされたら普通の感覚なら翌年の発売はないのにメンツとは恐ろしい。 ※余談 流石に認識したのか翌年は売るための工夫がなされ充実した目録にはなった。 でも目録(昔は、書店で無料配布してたしネット検索の時代なので)に金は出したくない。 |
No.36 | 2点 | ミステリが読みたい!2008年版- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/20 05:37 |
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本来なら年刊雑誌なので採点は一律の3点だが、出版意義が老舗ミステリ出版社としての会社のメンツとしか思えない不快感に最低レベルのミステリーと同じ2点とする。
初期の「本ミス」以上に地味な構成の雑誌で「このミス」とミステリーの範疇が近い事を考えればランキングはネット発表か従来のミステリ・マガジン内での発表で良かったと思う。 しかも、後半は単なる作品目録でしかない。 私的に、早川書房とはミステリ嗜好が相容れず平行線だと確実に認識できた事は良かったのだろう。 それにしても早川書房は、マトモナ国内ミステリーを出版していず、依怙贔屓で一作だけランクインする国内と、依怙贔屓と販売戦略を兼ねて上位を席巻する海外翻訳との落差は如何ともし難い。 いっそのこと販売ツールとして出版に踏み切ったのなら海外翻訳ランキングと解説に特化し「本ミス」と住み分けすれば良いのに!と痛感する。 |
No.35 | 4点 | このミステリーがすごい!2008年版- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/20 04:57 |
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本来なら年刊雑誌なので採点は一律の3点だが、自前の「このミス大賞」作品の抄録と「このミス大賞」作家の看板である海堂尊の短編を掲載し始めた事に1点加点した。
圧倒的に非難されたがランキング自体がネットでの雑談ネタになった現実を察知する嗅覚は宝島社が一番上手で、雑誌を売る術にも長けているのだろう。 海外翻訳ランキングは相変わらず興味なし。 国内ランクでは「このミス大賞」看板作家・海堂尊の他社出版作品(宝島社の作品はランク対象外)「ブラックペアン1988」(←このサイトで私は満点の8点にしている)が4点足りずランクインを逃し残念。 逆に、このサイトで唯一逆満点である1点を献上している古野まほろ「天帝のはしたなき果実」が23点も獲得していてビックリした。 「本ミス」ではないので旧来の路線に本格ミステリを引き戻した「首無しの如き〜」「女王国の城」の二作品がトップではないのが「このミス」らしく良いと思う。 作家・ランク共にバラエティーに富んでいてミステリーの裾野は広がる。 |
No.34 | 4点 | 本格ミステリ・ベスト10 2009- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/20 04:38 |
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本来なら年刊雑誌なので採点は一律の3点だが、この年度の特集「ミステリ映画マニアックス」が個人的にツボだったので1点加点する。
海外翻訳ランキングは相変わらず興味なし。 マニアックな雑誌自体の構成は安定してきて良い。 その一方で「早ミス」の発売も継続され、どちらもミステリー普及と宣伝効果は「このミス」に到底かなわないのだから「本ミス」は国内「早ミス」は海外と完全住み分けして生き残りを模索するべきだと個人的には思えた。 ランキング自体はネットでの雑談ネタでしかなく、わざわざ雑誌を見る時代ではなくなった。 しかし、ミステリ映像作品には今でこそ観たい作品がゴロゴロあり嬉しい反面で脅迫観念すら感じる。 |
No.33 | 3点 | 本格ミステリ・ベスト10 2007- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 2010/06/20 04:23 |
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毎度のごとく年刊雑誌なので採点は一律の3点。
海外翻訳ランキングも相変わらず興味なし。 この年は読んでいる作品が結構ランクインしていて、頭抜けた作品はないが粒ぞろいな印象。 インタビューもある道尾秀介の三作ランクインは凄い(最近のミステリ離れは悩ましい) 映像等でのマニアックな拾い物はないが、10年間の総括ランキングと「容疑者X」論争に関する座談会は楽しく読める。 ※私的には、この年度も混戦で7点同点で甲乙つけ難い作品が結構ある。 三津田信三・刀城シリーズ二冊に田中啓文「落下する緑」本格かは微妙だが東野圭吾「赤い指」あたりが上位だと思う。 |