皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
測量ボ-イさん |
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平均点: 6.27点 | 書評数: 615件 |
No.595 | 8点 | 誘拐者- 折原一 | 2023/03/07 21:22 |
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叙述トリックの名手である氏の意欲作であり、力作です。
単なるありきたりの誘拐ものとは異なる趣向があります。 章によって時制が変わったり語り手が変わったりでいろんな 人物や事実が錯綜し、読者を混乱させます。 そしてスッキリと騙されます 笑 そこが良いところでもあり、人によっては向かないかも。 筆者の場合も、話しの最後に事実が時系列で書いた表があっ たので把握できましたが、これがなかったらいまだにわかっ てなかったかもです。 難点は他の方も指摘のように、ちょっと無駄に人が殺されて る感がありますが、敢えて減点にはしませんでした。 |
No.594 | 6点 | 死神の戯れ- ピーター・ラヴゼイ | 2023/02/14 20:28 |
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英ミステリ界巨匠の作品を初拝読。
「偽のデュ-警部」が地元図書館になく、まずはここから 読みました。 内容は牧師の犯罪を描く倒叙もの?あるいはサスペンス? ちょっと中途半端感もありました。 ただ結末は意外感あります(良い意味で)。 訳文も読みやすかったです。 採点は 5点(基礎点)+1点(読みやすさを好感) |
No.593 | 4点 | ブルートレイン特急富士殺人事件- 福田洋 | 2023/01/27 19:52 |
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題名からみてトラベルミステリかと連想しますが、
そこまでトラベルミステリではありません 笑 また謎の設定や解決もありきたりで、やや物足り ない印象。 |
No.592 | 4点 | 城崎殺人事件- 内田康夫 | 2023/01/21 09:19 |
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まずは良いところから行きましょう。
城崎・豊岡いわゆる但馬地方の歴史のべんきようには なりました。 ただミステリ-としては、なにぶん薄味。 謎の解決はありきたりですし、先の方が指摘されている ように解決すらされていない箇所も。 量産作家の方に多いのですが、謎の設定を思いついたら 書き始め、解決を思いつかないと強引な手段に出たり、 解決そのものを放棄したり… 1〜2年に1作とか丹念な書き方をする作家さんならこ のようなことはないとおもいますが。 |
No.591 | 6点 | あわせ鏡に飛び込んで- 井上夢人 | 2023/01/14 09:17 |
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この作者の作品を読むのは2作め。
前回読んだ長編の印象があまり良くなかったのですが、 これは期待以上のクオリティでした。 個人的なベストは「さよならの転送」。二転三転する 真相の妙があります。 次点は「千載一遇」。まるで鮎川氏が書く短編のよう。 皮肉なラストもまさに鮎哲の短編です 笑 短編集の場合、原則各作品の平均で採点するので6点 としますが、前述の2作品なら7〜8点の出来です。 |
No.590 | 7点 | 慈雨- 柚月裕子 | 2023/01/01 16:30 |
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期待以上の良作でした。
この作者は、女性なのに男性の心理を書くのに 長けているかと思います。採点は、 7点(基礎点)-1点(本格とは言いづらい)+1点 (四国八十八ヶ所巡りの参考になりそう) <少しネタばれ> 八十八ヶ所巡りで出会った人か犯人かとにらみ ましたが、考えすぎだったようです 笑 |
No.589 | 7点 | 天啓の殺意- 中町信 | 2022/12/17 09:00 |
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この作者の作品は、いつも楽しませてくれます。
今回も読み応え十分でした。 犯人はすれっからしの読者ならわかるのでしょうが、 なるほど、今回はそうきましたか… 平成以降なら結構あるパタ-ンですが、これは昭和 の作品なので、時代を先取っているものです。 |
No.588 | 6点 | 神の悪手- 芦沢央 | 2022/11/13 17:11 |
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将棋を題材とした短編集。
○○薫氏の「日常の謎」、将棋版と言った趣き。 楽しめはしましたが、専門用語とかもあって、将棋がわからない人には 少々キツイかも。 他の方も言及されてますが、この作家さんは引き出しが多そう。 将棋ミステリは過去にもありますが、女性の作家でここまで書ける人は なかなかいないのでは。 |
No.587 | 5点 | 推理小説のようにはいかない ミュージック・クルーズの殺人- 宮ヶ瀬水 | 2022/11/03 17:21 |
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ロジカルな作風には好感持てますが、これ専門知識がないとこの謎はわからないのでは?
〈ここからネタばれ〉 このトリック、某人気作家の探偵○○○○に出てきそうな物理トリックですねえ。 |
No.586 | 7点 | medium 霊媒探偵城塚翡翠- 相沢沙呼 | 2022/10/14 18:33 |
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このサイトをはじめ、世間の高評価をみて拝読。
たしかに、この伏線回収の妙は秀逸ですね。 不満点は各事件の見取り図がなく、状況が把握 しにくいことでしょうか(僕だけかな?) 状況がわかりにくいと、読んでいてストレスに なりますので。 採点は 8点(基礎点)-1点(このわかりにくさ) 〈ここからネタばれ〉 事件の真犯人、このサイトの読者なら、多く の人が正解にたどりつくでしょう。 けど翡翠が○○○○霊媒師だったとは… ここにたどり着いた人は、少ないのでは? |
No.585 | 7点 | 暗闇の殺意- 中町信 | 2022/10/09 17:20 |
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氏の短編集を初めて読みましたが、どれも本格色が濃く、粒よりの短編集です。
満足度は大きかったですね。 個人的なベストは他の方も挙げていますが「裸の密室」 他の作品では「手を振る女」ですかね。 |
No.584 | 6点 | 阿弥陀ヶ滝の雪密室- 黒田研二 | 2022/09/10 10:09 |
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この作者の作品を初めて拝読。
謎の設定は密室、アリバイ、ダイイングメッセージと盛りだくさんで、 話しにはすんなり入れます。 けど真相は若干う-ん、ですかね。 密室は海外某古典の亜流ですし、犯人の意外性はあってもリアリティ がちょっと、という感じです。 海外古典の○の○○ではあるまいし、○○にここまでできるか? これは多くの人が疑問に思うでしょう。 苦言も言いましたが、構成的には魅力ある作品です。 採点は 5点(基礎点)+1点(魅力ある構成に) |
No.583 | 8点 | 黒衣の花嫁- コーネル・ウールリッチ | 2022/08/28 15:22 |
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う-ん、この作品もウ-ルリッチ節は健在です。
プロットが魅力的なので、最後まで飽きずに読めます。 最後の皮肉な結末は絶妙。 他の方の感想で、ウ-ルリッチ(アイリッシュ)の作品は、 ツッコミどころもあるが、そのような目線は不要ではと いうコメントありましたが、同意見です。 採点は 7点(基礎点)+1点(ウ-ルリッチ効果) |
No.582 | 7点 | 新本格ミステリを識るための100冊 令和のためのミステリブックガイド- 事典・ガイド | 2022/08/27 17:20 |
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「十角館」以降の本格ミステリを紹介したガイド本。
東西ミステリと並んで、小生が今後読破すべき作品の道標になりそうです。 余談ですが、小生もメルカトルさんに倣って、既読作品をカウントしてみました。 ・・・100編中、34編でした。 まだまだ修行が足りませんね 苦笑 |
No.581 | 6点 | インド倶楽部の謎- 有栖川有栖 | 2022/08/06 09:36 |
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久々に氏の国名シリ-ズを拝読。
読めばわかりますが、これまでと比べるとやや異色の作品。 犯人の意外性もあり、それは特定するロジックは秀逸。 でも動機は理解不能ですかね 笑 |
No.580 | 5点 | 越中八尾、恩讐の殺人- 石川真介 | 2022/06/26 15:34 |
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この作者を拝読するのは2作め。
動機はあまり同調できないし、トリックも地元に詳しく ないとなかなか推理が難しい。 若干不満の残る出来でした。 〈余談〉 本編の最後の舞台となった雨晴海岸は、いいところです ね。小生も30年前に、一度訪れただけですが、いつか また行きたいです。 |
No.579 | 7点 | 黒牢城- 米澤穂信 | 2022/05/28 18:57 |
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昨年の「このミス」で1位、また直木賞受賞の話題の作品。
氏がこのような正統の歴史ミステリを書くとは少々意外 でした。 内容は、城主が城を捨てて逃亡した?という歴史的事実に 新しい解釈を加えたというところでしょうか。 数年前の大河ドラマで黒田官兵衛を見ていたので、丁度 良い予習?になりました。 採点は 6点(基礎点)+1点(作品の意外性に) (余談) 本編の最後の方に出てくるある寺、何か聞いたことあると 思いきや、下名が通学していた小学校のすぐ近くなんです ね! 何度も通ったありきたりのお寺がこのような由緒あるとこ ろとは全く知りませんでした。 いつか再訪したいです(どんなところかを知って再訪する と、また違うので) |
No.578 | 7点 | 兇人邸の殺人- 今村昌弘 | 2022/05/08 12:51 |
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話題の作品を先日読了。この作品もなかなかのものでした。
詳細は先に書評くださった方の意見と同様なので繰り返しませんが、一口で言えば、 よくこれだけの設定をつくれたなあというところに感心。 CC(クロ-ズドサークル)好きの方にはもちろん、そうでない方にも一読をおす すめします。 「屍人荘・・」と「魔眼のハコ・・」に続く第3弾ですが、個人的には「魔眼のハ コ」が最も好みかな。この作者はしばらく追いかけたいと思います。 |
No.577 | 7点 | キングを探せ- 法月綸太郎 | 2022/04/09 18:57 |
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単なる交換殺人の話しではなく、そこからの一捻りが楽しめます。
ロジック的な作品を好む方にはおすすめ。 |
No.576 | 4点 | 京都紅葉伝説殺人事件- 木谷恭介 | 2022/03/26 17:55 |
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いくつも殺人が起こる割に、収束があっけなく、伏線回収も不十分。
本格色もいまひとつで、やや不満あるかな。 採点は 5点(基礎点)-1点(このもの足りなさ) |