皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
nukkamさん |
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平均点: 5.44点 | 書評数: 2814件 |
No.1494 | 5点 | ベウラの頂- レジナルド・ヒル | 2016/07/27 16:16 |
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(ネタバレなしです) 1998年発表のダルジール警視シリーズ第15作でずっしりと重さを感じさせる大作です。本書では女刑事シャーリー・ノヴェロが第4の主役ばりに存在感を示しています。その一方でダルジールは時に言葉づかいが下品になったり皮肉屋になることはあっても全般的にはおとなしく、いつものように羽目を外すことがないのには物足りなささえ感じます。パスコーの娘ロージーの病気を心配する場面なんかは結構しみじみしますけど。謎解きはそれほど論理的ではなく、夢判断でヒントを掴んだりしていてどこかもやもやした感じですがその中に恐さや痛々しさをひしひしと感じさせます。でもさすがにこの長大さには疲れました(とはいえヒルの大作主義は本書以降も更に拍車がかかるのですが)。入門編としてはちょっと薦めにくいです。 |
No.1493 | 6点 | 殺人ア・ラ・モード- パトリシア・モイーズ | 2016/07/27 16:07 |
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(ネタバレなしです) 1963年発表のヘンリ・ティベットシリーズ第4作の本格派推理小説です。モイーズは作家になる前にファッション誌出版社で約5年間働いていた実績があるためか本書でのファッション業界の描写が(多少演出過剰に思えるところもあるけれど)とても生々しく感じられます。トリックもやや専門的過ぎて私には理解しにくい面がありますがこれまた作品舞台によく合っています。だけど男の登場人物を「小母ちゃん」と呼んでいるのには混乱しました(笑)。これもファッション業界ではよくあることなのでしょうか? |
No.1492 | 6点 | 鉄路のオベリスト- C・デイリー・キング | 2016/07/27 15:58 |
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(ネタバレなしです) 1934年発表のオベリスト3部作の第2弾で前作「海のオベリスト」(1932年)と同じく巻末に「手掛かり索引」が置かれています。私はカッパノベルズ版で本書を読みましたがびっくりしたことに内容をカットした抄訳だそうです。戦前や戦後まもなくならともかく、現代では原作通りに翻訳するのが常識でしょう。翻訳者が著名な推理小説家の鮎川哲也なのでおそらく謎解きに関連する部分は全部残してあるだろうし、私が読んだオベリスト3部作の中では1番読み易かったのですがやはり抄訳というのは残念な気がします。内容的には前作よりも謎解きが(詳細は書けませんが)技巧的になりました。(ほとんど)最初から最後まで列車を舞台にしている本格派推理小説としてはクリスティーの「オリエント急行の殺人」(1934年)と並ぶ存在です。再版の際にはぜひ完訳版をお願いしたいです。⇒2017年についに完訳版で再販されました。 |
No.1491 | 5点 | 夜の闇のように- ハーバート・ブリーン | 2016/07/26 09:25 |
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(ネタバレなしです) オカルト趣味濃厚な「ワイルダー一家の失踪」(1948年)に次いで1949年に発表されたレイノルド・フレームシリーズ第2作の本書は前作とは対照的にクレイグ・ライスを彷彿させるような都会風にすっきりと仕上げられた本格派推理小説です(ライスほどの強烈な個性があるわけではありませんけど)。怪しげな「催眠術」が物語のあちこちで登場していますが(これ、ネタバレではありません)、これはオカルトネタではないでしょう。ただハヤカワポケットブック版は大変古い翻訳のため洗練された雰囲気がいまひとつ伝わってこないのが残念です。 |
No.1490 | 5点 | 富豪の災難- シャーロット・マクラウド | 2016/07/26 09:19 |
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(ネタバレなしです) 1988年発表のセーラ・ケリングシリーズ第8作です。過去作品のネタバレはしていませんが「消えた鱈」(1984年)の登場人物が大変重要な役割を果たしているので、そちらを先に読んでおくことをお勧めします。登場人物が多くしかも関係がかなり複雑なので前半はそれの整理で手一杯でしたが、ジェム伯父さんが登場する第11章あたりからは話が俄然面白くなります。いやあこのジェム伯父さん、私にとってはセーラやマックスよりもお気に入りのキャラです。謎解きはこのシリーズとしてはかなり緻密に考えられていますが動機が後づけ説明気味になっているのがちょっと残念です。あと扶桑社文庫版の巻末解説は訳者と作者の交流が描かれていてなかなかいい味出していますが、第16章の内容に触れているのがちょっと勇み足に感じますので本文より先には読まない方がいいと思います。 |
No.1489 | 5点 | ルーヴルの怪事件- エリオット・ポール | 2016/07/26 09:11 |
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(ネタバレなしです) 1940年発表のホーマー・エヴァンズシリーズ第2作で前作同様舞台となったパリの描写に力を入れていますが地名が沢山登場するので地図は欲しかったです。世界推理小説全集版は「古代音楽」(クラシック音楽のことか?)などびっくりする単語もあるけれど古い割にはしっかりした翻訳だと思いますが、全体的にはどうも読みにくいです。登場人物リストに載っている人数は12人ですが彼らに劣らず重要な役割を果たす登場人物がその倍近くもいますので補足のリストを作りながら整理することを勧めます。脈絡がはっきりしないまま物語が急展開するのは前作「不思議なミッキー・フィン」(1939年)と同じです。個々のキャラクターはそれなりに魅力的で、特にやたら銃をぶっ放すミレイユがすごい存在感(笑)。謎解きは推理要素が少なくて結果のみの説明といった感があり、本格派推理小説ファンにはちょっと物足りないかもしれません。 |
No.1488 | 5点 | ボニーと砂に消えた男- アーサー・アップフィールド | 2016/07/26 08:35 |
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(ネタバレなしです) オーストラリアを代表する本格派推理小説家アーサー・アップフィールド(1888-1964)は白人とアボリジニの混血(ハーフカースト)で両民族の長所が結合しているユニークな探偵ナポレオン・ボナパルト警部(ボニー警部)シリーズを中心に30冊を越える作品を残したことで知られます。1931年発表のシリーズ第2作の本書は作中のトリックが現実の殺人事件でも使われて、作者も証人として裁判に出廷したことで有名です(詳細はハヤカワ文庫版巻末解説に書かれています)。もっともこのトリック、実行するにはある種の条件をクリアしないとまず無理なので個人的にはそれほど感銘しませんでした。また犯人当てとしては謎解き伏線がかなり粗いようにも思えます。しかし本書の特色は何といってもスケール感の大きな舞台や活き活きとした風俗習慣の描写で、これはちょっと他の作家には真似できない個性でしょう。 |
No.1487 | 6点 | 手袋の中の手- レックス・スタウト | 2016/07/26 08:28 |
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(ネタバレなしです) 1937年に発表された本書は女性の私立探偵を主人公にしたミステリーとして時代を先取りした作品と評価されています。もっともキャラクター小説を期待すると肩透かしを感じるかもしれません。探偵役のドル・ボナーが死体を発見してショックを受けたり自分自身にはっぱをかけたりと感情を表に出すシーンもありますが、全般的にはドライに描かれています。スタウトは個性的な女性を描くのは決して苦手ではないと思いますが、探偵役としてはうまく書ける自信がなかったのかドルは本書以外にも中編「探偵が多すぎる」(1938年)と長編「苦いオードブル」(1940年)にも登場していますがそちらでは脇役扱いです。ミステリーとしての出来栄えは平均点的な本格派推理小説といったところでしょうか。 |
No.1486 | 6点 | ウエディング・プランナーは狙われる- ローラ・ダラム | 2016/07/25 02:09 |
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(ネタバレなしです) 2007年発表のアナベル・アーチャーシリーズ第3作はユーモアがますます快調、死体発見場面でのどたばたぶりはクレイグ・ライスの域にまで達しています。「犯人を探しているのではなく、情報を集めているだけ」というアナベルの言い訳もツッコミを入れたくてうずうずします。ある謎に対する手掛かりがほとんど終盤になってからようやく現れるので駆け足気味の解決になってはいますが前作よりは推理要素が濃いです。 |
No.1485 | 6点 | 死と陽気な女- エリス・ピーターズ | 2016/07/25 02:04 |
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(ネタバレなしです) 1962年発表の本書は「カマフォード村の哀惜」(1951年)から久方ぶりに書かれたフェルス一家シリーズ第2作ですがミステリーとして格段の進歩が見られます。丁寧な人物描写は後年のカドフェルシリーズと共通していますが、探偵役が警官なので(解決はやや強引ながらも)謎解き要素はカドフェルシリーズより濃厚です。プロであるジョージ・フェルス(部長刑事)の探偵活動とアマチュアであるドミニック・フェルスの探偵活動の両方が絡み合うプロットはユニークで、そこにフェルス一家の家族交流や少年ドミニックの成長物語の要素が上手く絡み合い、MWA(アメリカ探偵作家協会)の最優秀長編賞を受賞したのも納得の出来栄えになっています。 |
No.1484 | 5点 | 塩沢地の霧- ヘンリー・ウエイド | 2016/07/25 01:59 |
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(ネタバレなしです) 1933年に発表されたシリーズ探偵の登場しないミステリーです。本書は「半倒叙」と評価されることもあるようですがそれはいかにも犯人らしい人物を描きながら肝心の犯行場面を直接描写しないことによって犯人当て要素も残しているからのようです。もっとも有力な犯人候補が意外と少ないため犯人当て本格派推理小説としてはあまり面白くありません。物語としては良く出来ており、事件が中盤まで発生しないながら筋運びがだれることもなく結末の印象度も高いです。ところで国書刊行会版の巻末解説では結末のアイデアが某有名ミステリーを先取りしているかのように誉めていましたが、よく考えるとその某ミステリーの方が本書より先に出版されているではないですか! |
No.1483 | 5点 | これは殺人だ- E・S・ガードナー | 2016/07/25 01:54 |
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(ネタバレなしです) ガードナーがチャールズ・ケニー名義で1935年に発表したミステリーでシリーズ探偵は登場しません。探偵役のサム・モレインは行動力やはったりを駆使して捜査当局と渡り合いますがこれはハードボイルド探偵によくありがちな特徴で、弁護士ペリイ・メイスンに比べると個性には乏しいです。ハードボイルド的でありながらも非情さや残虐性はなく、本格派の謎解きも楽しめるところはペリイ・メイスンシリーズと共通しています。モレインが法廷場面で尋問役になれたのは地方検事ダンカンとの友情あってのものという設定は少々好都合すぎの気もします。犯人のトリックはなかなか機知に富んだものではありますがあの偶然のチャンスがなかったら打つ手なしだったように思え、やはりこれまたご都合主義的に感じられます。 |
No.1482 | 5点 | シャーロック・ホームズのクロニクル- ジューン・トムスン | 2016/07/25 01:44 |
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(ネタバレなしです) 「正調贋作」と何とも不思議な紹介をされている1992年発表のホームズ・パスティシュシリーズ第2短編集で、ミュージックホールの楽屋で起こった密室殺人の「ハマースミスの怪人」、英国政府を脅迫する凶悪犯パイド・パイパーを追い詰める「スマトラの大鼠」など7作品を収録いています。時代描写だけでなく作品自体の出来栄えもいかにもコナン・ドイルが書きそうなミステリーに仕上げられていますが、そのためか純粋な謎解きを期待するとやや肩透かしかもしれません。中では「キャンバウェルの毒殺事件」が1番本格派推理小説らしいと思いますが犯人の意外性は全くといっていいほどありませんし、「ハマースミスの怪人」のトリックも感心するようなものではありません。むしろ印象に残るのは「ハーレー街の医師」でのユーモア溢れる締めくくりとか、「スマトラの大鼠」でワトスンの頭の冴えにホームズが驚く場面などで、雰囲気を楽しむべき作品だと思います。 |
No.1481 | 6点 | 証拠は眠る- R・オースティン・フリーマン | 2016/07/24 06:59 |
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(ネタバレなしです) 1928年発表のソーンダイク博士シリーズ第11作です。本書が発表されたのは本格派推理小説黄金時代の真っ只中で、次々と新進作家の意欲作が発表される中、先輩作家にあたるフリーマンはこの時期どういう立場だったんでしょう?時代遅れのレッテルを貼られてたんでしょうか?でも本書を読む限りではフリーマンらしさは十分主張できていると思います。珍しいトリック、グラフまで使った科学者探偵にふさわしいソーンダイクの推理などは他の作家には容易に真似できないでしょう。一方で読者の裏をかくような工夫はほとんどなく、しかも描写や説明がとても丁寧なため犯人当てとしてはわかりやす過ぎると思う読者もいるでしょう。 |
No.1480 | 5点 | 黒後家蜘蛛の会3- アイザック・アシモフ | 2016/07/24 06:47 |
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(ネタバレなしです) 1976年から1980年にかけて出版された作品を集めて1980年に発表された短編集ですが謎解きレベルはますます下がっているような気がします。専門知識が必要な謎解きが多いだけでなく真相(正解)の説得力が弱い作品さえあります。そういう不満点が少ない作品というと「犯行時刻」(といっても犯人探しではない)と「欠けているもの」(意外にも天文学知識なしでも何とかなる謎解きです)ぐらいでしょうか。レギュラーキャラクターたちの謎解き議論の楽しさは相変わらずです。1番アシモフらしい作品というなら(これはミステリーといえるかやや疑問ですが)どんでん返しがユニークな「かえりみすれば」かもしれません。 |
No.1479 | 4点 | 武器と女たち- レジナルド・ヒル | 2016/07/24 06:39 |
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(ネタバレなしです) 2000年発表のダルジールシリーズ第16作は(タイトルからも推測できるでしょうが)女性陣が目立つ作品です。とはいえダルジールも裏側でしっかり活躍しています。本書は過去作品の人物再登場や回想シーンが目立ちますのでダルジールシリーズ入門編としてはふさわしくありません。少なくとも「殺人のすすめ」(1971年)と「薔薇は死を夢見る」(1983年)は本書より先に読んでおいた方がいいと思います。本格派推理小説の要素は全くなく、(〇〇組織がらみの)スリラー小説系なのもシリーズ作品としては異色です。本の分厚さを感じさせないサスペンス豊かな展開はさすがですが個人的には推理による謎解きを楽しめないのが残念でした。 |
No.1478 | 5点 | エミリーの不在- ピーター・ロビンスン | 2016/07/24 06:35 |
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(ネタバレなしです) 2000年発表のアラン・バンクスシリーズ第11作となる警察小説で本格派推理小説の推理要素がほとんどないのは個人的には残念。でも非常によくできた作品だと思います(私の好みのタイプではないので評価点は低いのですが)。序盤でバンクスがまるでハードボイルド小説の私立探偵みたいな活動をしているのが印象的です(派手なアクションシーンはありません)。中盤からはいつもどおりに警察官として活躍しますがどうも本書はハードボイルドでありながら内省的なロス・マクドナルドの作品を彷彿させます。マクドナルドがハードボイルドらしく人間をドライに描いているのとは対照的にロビンスンはきめ細やかな心理描写が特徴で、そのためか事件の悲劇性ややるせなさは息苦しいほどです。(ネタバレ防止のため曖昧な書き方になりますが)バンクスが最後にある人物に対してああいう態度をとるシーンの何と重苦しく悲痛なことでしょう。講談社文庫版が上下巻で出版されるほどの長大なボリュームを感じさせないストーリーテリングは見事ですがここまで救いの少ない物語は読者を選ぶかも。でも本書の講談社文庫版巻末解説によると後年作にはもっと気分が落ち込みそうな作品もあるようです。 |
No.1477 | 5点 | 最後の刑事- ピーター・ラヴゼイ | 2016/07/21 15:50 |
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(ネタバレなしです) クリッブ部長刑事&サッカレイ巡査、アルバート・エドワード皇太子殿下に続く第3のシリーズ探偵が1991年発表の本書でデビューしたピーター・ダイヤモンド(本書では警視)で、初めて現代を舞台にしたシリーズでもあります。捜査の初期段階では対決色が強かった容疑者から後半は頼りにされるなど、一見とっつきにくそうですが意外と人情味あふれる探偵役を演じています。大作の割に読み易い作品ですがダイヤモンドがどうやって犯人の正体に気づいたかの推理を説明しないのは本格派推理小説としては減点です。またこれは作者のせいではないのですが、ハヤカワ文庫版の裏表紙粗筋紹介で6部構成の物語の第5部での出来事まで紹介しているのはさすがに勇み足だと思います。せっかくの驚きの展開が効果減少になってしまいました。 |
No.1476 | 5点 | 引き潮の魔女- ジョン・ディクスン・カー | 2016/07/21 15:30 |
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(ネタバレなしです) 1961年発表の本書はシリーズ探偵の登場しない歴史本格派推理小説ですが、空さんのご講評で指摘されているように1907年という作中時代は歴史を感じさせるのには中途半端で、現代を舞台にしたミステリーと大差ないように感じました。そしてこれも空さんのご講評の通りですが、出てくる人物がそろいもそろって筋が見えにくい話ばかりするので特に序盤は非常に読みにくかったです。探偵競争的な要素を織り込んだ後半はサスペンスがそこそこありますが。カーが得意とする不可能犯罪(足跡のない犯罪)を本書でも扱っていますが現場見取り図はできれば付けてほしかったです。なおTetchyさんのご講評にあるように、作中にガストン・ルルーの「黄色い部屋の謎」(1907年)の露骨なまでのネタバレがあり、本書に手を出すような読者ならこの有名な古典的作品を既読でもおかしくないとはいえちょっとマナー違反行為ではないかなと思います。密室トリックから犯人の名前までばらしていますので。 |
No.1475 | 4点 | シミソラ- ルース・レンデル | 2016/07/21 12:23 |
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(ネタバレなしです) 1994年発表のウェクスフォードシリーズ第16作は人種差別問題を取り上げた作品です。ウェクスフォードは保守的な人間ながら新世代の人間や価値観の異なる人間とも上手く迎合するだけの度量を持ち合わせ、例えば「無慈悲な鴉」(1985年)では過激なフェミニストへの事情聴取も無難にこなしていましたが本書では無意識の内に人種差別的な言動をとったことに衝撃を受けています。社会性描写に重きをおいたシリアスな作品で物語としては充実してますが残念ながらあまり推理場面はなく謎解としては物足りません。また登場人物が約50人近くと極めて多く、角川文庫版ではその内23人が登場人物リストに載っていますがあの重要人物(24章で〇〇を殴った人です)がリスト外扱いなのはちょっと問題ではないでしょうか。 |