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mozartさん
平均点: 6.01点 書評数: 206件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.46 7点 ここに死体を捨てないでください!- 東川篤哉 2012/09/10 15:22
これまでに読んだ烏賊川市シリーズの中でも、ギャグ度は出色だと思う。本格ミステリーとしても十分考えられていて、大がかりなトリックとともに十分楽しめました。

No.45 4点 月光ゲーム- 有栖川有栖 2012/09/10 15:18
これも「孤島パズル」や「双頭の悪魔」とともに久々に読み返したけれど、やはり年齢のせいか(惚けたせいか)、内容をすっかり忘れていました。
ただ、他の二作品と比べると、色々な意味で読後の満足感が格段に落ち、再度楽しめた、と言うよりも、ちょっとがっかり・・・でした(特に動機が不満)。

No.44 5点 密室の鍵貸します- 東川篤哉 2012/09/08 12:04
烏賊川市シリーズの「第1作」をやっと読みました。後作品群を先に読んだ者としては、砂川警部が思ったよりも「まとも」な役割だったのがちょっと意外かも。

動機については・・・・。

まぁ、それに比べれば、戸村君も、その後の「お嬢様」のアタックなど「屁」でもないでしょうね。

No.43 3点 彼女らは雪の迷宮に- 芦辺拓 2012/09/08 11:53
「閉ざされた雪の山荘」でのワクワク感が乏しすぎです。ある意味、ひねりの少ないトリックについては置いておくとしても、もうちょっと、拉致された「彼女ら」が徐々に追い詰められていく恐怖感を読者と共有する形で描写しても良かったんじゃないか、と思いました。犯行の動機も「後出し」感が拭えず、タイトルの割に楽しめなかったというのが正直な感想です。

【ややネタバレ?】
まぁ、被害者となるべきは「彼女ら」ではないので、このくらいが限度、と思えば仕方がないのかも。

No.42 6点 完全犯罪に猫は何匹必要か?- 東川篤哉 2012/09/02 18:22
テンポ良く読了。最初の殺人の動機については、「猫」事情に詳しくないのでちょっと納得できなかった。メインのトリックについても、「どこかで見たような・・・」感が拭いきれず、ちょっと拍子抜けかな。とは言っても、各登場人物のキャラクターの魅力は、シリーズ作品としても十分で、非常に好感が持てました。

No.41 8点 双月城の惨劇- 加賀美雅之 2012/09/02 17:52
【やや、本作以外の作品のネタバレになるかも知れないのでご注意】


本作より先に「監獄島」を読んでしまったため、「監獄島」での楽しみ(と言うかショック)の一部が得られなかったこと(「まさかこの人物が!」となるはずのところが「ふ~ん、だから?」みたいな感じで終わってしまったこと)については、ベルトラン(+パット)シリーズの読者としては痛恨の極みでした。
それはそれとしても、この作品にインプリメントされている本格ミステリ作品のあるべき姿と、作者-読者間のプロトコルについては、私のような、作品の発表順を無視するシリーズ読者としての瑕疵についても、いささかも問題としないほど見事であり、もはや、何も言うべきことはないでしょう。

No.40 8点 監獄島- 加賀美雅之 2012/08/30 12:07
本作と「双月城の惨劇」を同時に図書館で借りてきたのですが、返却期限を気遣って、先に分厚い方から読み始めてしまいました(発表順は逆だったのですね)。
まさしく本格ミステリーの王道を行く作品で大変面白く、ほぼ1日で読了しました。謎解きに入ってからも随分ページが残っているな~、と思っていましたが、あそこまで入念に繰り返し「もう一つの真相」が暴き出されていくとは・・・、感服しました。ふぅ・・・。
これから読む予定の「双月城の惨劇」も楽しみです。

No.39 7点 交換殺人には向かない夜- 東川篤哉 2012/08/20 13:53
こうしたトリックには悉く引っかかってきたのですが、さすがに二人のキャラクターがダブり過ぎだったので、怪しみながら(?)読んでいました。最後にもう一ひねりあったので、結果的には見事に騙されてしまいましたが・・・。ギャグ度も(過剰ではなく)良い具合で、大変楽しめました。

No.38 4点 虚像の道化師- 東野圭吾 2012/08/17 09:45
ガリレオ短編(中編?)集「~る(/す/う)」シリーズ。全体的な印象としては、謎解き部分だけでなく、ヒューマンドラマとしても、従来作のレベルと比べると、やや劣っているんじゃないかな~、と言った感じでした。でも、湯川が割と「すんなり」事件にコミットしてくれているのは、無駄に勿体付けていなくて好感が持てました。以下、個別の感想;
『幻惑す』:「科学ミステリー」としてのトリックが比較的単純なので、最初の段階である程度想像できるし、悪徳宗教団体の構図もややステレオタイプで、もう少しひねりがほしいところ。
『心聴る』:現時点で「実用化されていない」ものをトリックに使うのはどうかと・・・。
『偽装う』:4作の中では、一番面白かった。容疑者を追求していく状況は「ガリレオ」というより「加賀恭一郎」風かも(一応数式で現場を「検証」しているが)。
『演技る』:う~ん、あの動機はちょっとないんじゃないかな~(最後まで騙されていた一読者の僻みかも知れないけど)。

No.37 7点 『ギロチン城』殺人事件- 北山猛邦 2012/08/07 17:23
「アリス・ミラー城」同様、これもまた、ちょっとあんまりじゃないかと思って何度も読み返したけれど、反則ギリギリのところで、何とか踏みとどまっている感じです。でも、あの物理トリックは現実味が薄いんじゃないかと思います。
とは言え、自分の好みにはフィットする作品でした。

No.36 7点 『アリス・ミラー城』殺人事件- 北山猛邦 2012/08/07 17:18
ラストまで気づきませんでした(見事に騙されました)。ちょっとあんまりじゃないかと読み返してみましたが、確かに、アンフェアではない・・・んでしょうね。でも、こういった話は結構好きです。

No.35 6点 密室に向かって撃て!- 東川篤哉 2012/08/06 14:13
「ベスト本格ミステリ2012」に収録されていた「雀の森の異常な夜」を読んで、烏賊川市シリーズが気に入ったので、図書館で借りてきました。「謎解きは・・・」に比べるとギャグ度(?)はそれほどではないけれど、本格度(?)はそこそこ、といった感じです。ただ、「謎解き」自体はそれほど意外性はなく、犯人もあの程度の理由でホームレスを殺害する、というのはどうかな~、と・・・。
それでも、鵜飼探偵のキャラクターは大変気に入ったので、他のシリーズ作も是非読んでみたくなりました。

No.34 7点 人狼城の恐怖- 二階堂黎人 2012/08/01 14:17
確かに、質/量ともサクサク読める作品ではないかも知れませんが、リアルタイムで読んでいた当時の感想としては、それほど長さは気になりませんでした。むしろ、次作、次々作・・・が書店に並ぶのを心待ちにしていて、発売と同時に購入・一気読みをするほど気に入っていました。特に、ドイツ編、フランス編については、サスペンス感や雰囲気も申し分なく、解決編(=探偵編+完結編)でこれがどのように決着をみせるのか、大変ワクワクしながら何度も読み返していました。
二階堂蘭子については、好みが分かれるところでしょうが(世の中には蘭子ファンもいるのでしょうが)、私自身は単なる謎解き用解説員だと思って読んでいるので、それほど気になりませんでした。

No.33 8点 双頭の悪魔- 有栖川有栖 2012/08/01 13:56
孤島パズルに続き、ン十年ぶりに文庫本を買い直して再読。年のせいか、内容をすっかり忘れていたこともあって、大変楽しめた(ボケて記憶力が低下していくのも悪くないかも・・・)。とにかく、正統的(伝統的)本格ミステリに徹する作者の真摯な姿勢には、ただただ敬服するのみです。最後の方で、真犯人が江神部長による詰めに対して反論を続けるのは、それまでの真犯人のキャラクターとしてやや違和感があるものの、私のような(凡庸な)読者の疑問を代弁してくれていると思えば、それほど問題はないかと。

No.32 6点 マスカレード・ホテル- 東野圭吾 2012/07/17 10:41
図書館で予約したものの、さんざん待たされた後、ようやくゲット。例によって非常に読みやすく一気読み。純粋に面白かった。根がコンサバなので、新田浩介(&能勢)「シリーズ」として今後も読みたいかというと、彼の探偵役としての「立ち位置」がはっきりしないので、現時点では何とも言えないところですが、今後の作品次第、といったところでしょうか。加賀恭一郎シリーズは確かにすばらしい作品ばかりですが、あの格好良すぎるキャラクターには、ちょっと息が詰まりそうなので、案外こちらの方が好きになったりして。

No.31 2点 幽女の如き怨むもの- 三津田信三 2012/05/01 19:58
刀城言耶「~の如き」シリーズの長編ということで、非常に期待して読み始めたものの、これまでの作品に溢れていたホラー&ミステリー感がほとんどないと言うだけでなく、最終章に至って言耶によって提示される、「事件」に対するそれなりの「合理的解釈」にもいつもの切れ味がなくて、自分にとっては所謂「壁本」に近い作品だった、というのが正直な感想です。遊郭についての蘊蓄本として読むならばそれなりに興味深かったけれど、やはりこのシリーズとしては、「試行錯誤によってもたらされる多重解決やどんでん返し」は不可欠だと思います(「はじめに」でそうしたものは本作品には「何もない」と明言されていますが・・・)。この「~の如き」シリーズは、まだ、次作、次々作、・・・、と続くでしょうから(是非続けてもらいたいし)、たまには毛色の変わった作品もありなのかも知れませんが、自分としては次作に期待する、と言うことで。
あるいは、ひょっとしたら、何か重要なことを自分が見落としていたために低い評価としてしまっただけかも知れないので、是非、他の方の評価も知りたいところです。

No.30 4点 白銀ジャック- 東野圭吾 2012/04/23 15:48
非常に読みやすいし、サスペンスとしてもそこそこの作品とは思うけれど、ちょっと「軽過ぎ」というか、深みが足りない、というのが正直な感想。

No.29 7点 孤島パズル- 有栖川有栖 2012/04/23 15:37
ン十年ぶりに再読してみたけれど、率直に面白かった。犯人が序盤で(「論理的」ではないものの)想像できるため、「驚愕の結末」というわけにはいかないが、「読者への挑戦」後に、次々と伏線が回収されていくという流れが、本格ミステリーの醍醐味であることは間違いないと思う。

No.28 7点 奇面館の殺人- 綾辻行人 2012/02/22 16:44
久々の「館」シリーズということで、それなりに期待しながら(前(々)作のこともあるので、「裏切られる」こともある程度覚悟しながら)読みましたが、結果的には、随分と読みやすかった割に、「本格」色も十分濃くて、かなり楽しめました。まだまだ綾辻先生も「現役」なんだ~、と再認識(失礼)しました。シリーズ最後となるであろう次作にも十分期待できそうです。
[ややネタバレになるかも]特に、登場人物に鍵のかかる仮面をかぶせたことが、犯人だけでなく、作者にとっても好都合だった、というところなども秀逸だと思いました。

No.27 5点 生霊の如き重るもの- 三津田信三 2011/08/31 22:06
図書館で予約後、暫く待たされた後、ようやくゲットして1日で読了。
中・短編集なので、驚愕の謎解きやカタルシスはそれほど望めないが、「密室の如き・・・」よりは楽しめた。
「死霊の如き・・・」例によって建物などの配置が文章だけでは分かりにくいが、ちゃんと見取り図もあって、その点は親切。ただ、あの殺害方法はちょっと確実性も低く、現実的ではないような・・・。
「天魔の如き・・・」最後の(お約束の)ホラー部分の出来はイマイチだと思う。
「屍蠟の如き・・・」最後の方でダミーの解を列挙して悉く否定していく様子が刀城言耶のいつものパターンとして楽しめる。
「生霊の如き・・・」中編。内容的にも一番充実している。最後の「解決」->「否定」・・・の繰り返しパターンもいつも通り。ただ、最終解があれだと、生霊の謎や恐怖が、実は・・・となってしまうのがやや残念かな。
「顔無の如き・・・」これも最後は上と同じパターン。ただ、最終解で、被差別者たちが、その暗い生い立ちのため、いくら常人と異なる感性を持っていたとしても、ちょっとあれはないんじゃないかな。それとも、まだまだ、そうした差別意識に基づく冤罪も普通にあった時代だ、ということなのだろうか(「狭山事件」のように)。

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