皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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makomakoさん |
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| 平均点: 6.16点 | 書評数: 908件 |
| No.88 | 6点 | 三年坂 火の夢- 早瀬乱 | 2009/09/14 20:14 |
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| 52回の江戸川乱歩症受賞作品。出だしはなかなか良い。レトロな雰囲気もある。読み進んでいくと明治の東京(江戸といったほうが良い時代)の雰囲気も味わえるのだが、物語の進行が遅く中だるみとなってしまう。東京の地理に詳しくないものにとっては、途中で掲示される地図の意味もはっきり分からない。中盤あたりからだんだんつまらなくなってきて最後はそれなりの結論で何とか持ち直しまずまずといったところ。 | |||
| No.87 | 5点 | さよなら妖精- 米澤穂信 | 2009/09/13 09:02 |
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| これはあまりミステリーのしての要素は強くなく、青春小説といったところでしょう。ユーゴスラビアからきた少女の話。昨年訪れたところでもあり、スロベニア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、モンテネグロなどが懐かしく思い出され、国によって大分様相が異なることも実感しながら読んだ。ところがいかんせんこの少女が私にはあまり魅力的にうつらなかったため、妖精といった感じがせずかなり薄味の小説といった印象でした。もうちょっと味付けがほしいところ。そうしたら評価もずいぶん違うと思うのだが。 | |||
| No.86 | 7点 | 学ばない探偵たちの学園- 東川篤哉 | 2009/09/09 21:12 |
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| なかなか面白い。
二つの密室殺人はいずれもよほどの幸運に恵まれねば成立しないだろうが、独特のお遊び感覚にあふれている雰囲気のなかでは目くじらをたてるほうが野暮なんでしょう。 ただ探偵側は個性あふれて生き生きと描かれているのに、犯人側が実に平坦で没個性のため謎解きが終わったときのインパクトが少ないのが残念だ。 |
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| No.85 | 5点 | ニッポン硬貨の謎- 北村薫 | 2009/09/06 12:19 |
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| エラリークイーンが好きでたまらない人にとってはきっと何より面白い小説なのでしょう。本格推理作家や評論家などの評判はとてもよい。
しかし私のように彼の小説はそこそこ読んではいるのだが登場人物の多さや分かりにくいたとえがちりばめられた話はちょっとつらいといった程度の読者にとっては、こんなおたくな話題にはとてもついていけない。 そう思いつつ読んでいたら途中で全く同じ話の繰り返しが出てきて面食らってしまい、もう途中で止めようかと思った。 何とか読み続けていくと最後のほうはそれなりに面白いところもあるのでこんな評価です。 |
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| No.84 | 7点 | 氷菓- 米澤穂信 | 2009/08/31 07:54 |
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| 青春小説でもありミステリーでもある、こういった雰囲気は好きです。殺人もないしたいしたトリックも無いけど、小説の問題となっている時代に学生であった私はとても近親感を抱きました。思い出せば遠い昔同じような出来事に遭遇したこともあったな。
ところで氷菓の意味は小説の千反田さん同様ぜんぜん分からなかった。答えを読んでも久しぶりの単語に一瞬理解できなかった。ここの学校の生徒たちはみんな優秀なんだ。 |
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| No.83 | 5点 | 凍える島- 近藤史恵 | 2009/08/30 09:08 |
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| 雰囲気は詩的でカタカナの変な表現さえ我慢すればまず良いほうだと思う。孤島のなかで事件が次々と起きるというのは本格好きのものにとってありがちの話といわれてもやっぱり食指が動く。
ただ私としてはこのどんでん返しは理解不能でした。どうして殺人までした上に心臓までとるほどの残虐なことをしたのか。真相を突きつけられているときに退屈になったりするのか。 これが変人の集まりとして書かれていればまだ納得できるのですが、登場人物はなかなか素敵な感じの青年たちとして描かれているのが違和感を生じる原因かもしれない。普通の青年にはふとしてこんなニヒリズム風の感情を抱くことはあるとは思いますが、だからといってこんな残虐な手段で実行に移すとなるとちょっとね。 採点は初めの部分を入れてであって、最後まで読んだときはこんなのあり?という感じが強く私としての評価はもっと悪い。 |
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| No.82 | 7点 | 密室に向かって撃て!- 東川篤哉 | 2009/08/28 18:44 |
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| 密室といってもそれほど閉ざされた環境というわけでもない、犯人も途中で見当がついてしまったが楽しく読める小説ではある。
いいかげん風な割にはじつはそれなりに本格しているし。 厳格に考えると穴はいっぱいありそうだが、そこは軽いタッチの小説なのでこれで良しといった感じになってしまう。こういった感じは好みとしては結構好きです。 |
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| No.81 | 7点 | 密室の鍵貸します- 東川篤哉 | 2009/08/23 09:21 |
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| これはしっかりした本格推理小説なのでしょう。きちんと伏線も張ってあり複雑な推理もあってなかなか面白かった。おどろおどろしい雰囲気として本格好きをひきつけることも出来る内容なのに、ユーモア仕立てとしたところが作者の個性なのでしょう。こういった雰囲気は嫌いではない。
登場人物が少ないのも、人の名前を覚えるのが苦手な小生には好感がもてる。ただ私は後のシリーズを読んでいたため、怪しげな人物が犯人でないことが分かっており犯人探しとしてはちょっと興ざめであった。この作者の作品を読むなら、まずこの作品からはじめるべきでしょう。 なお違う作品に作者はプロットやトリックを考え抜いてから書き始めるのではなく書きながら作っていくほうだといっているが、この作品を読むかぎりよほど考え抜いてから書いたとしか思えないのですがね。 |
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| No.80 | 7点 | 交換殺人には向かない夜- 東川篤哉 | 2009/08/16 09:28 |
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| へんてこりんな地名やギャグを止めればもっと本格好きが喜ぶといった評もありますが、私はしんねりどろどろといった感じよりこちらのほうが好きです。
ちょっとやりすぎのところもありますが、まあ許しましょう。ことにこの話に限ってはこの軽いタッチがないといくら伏線が張ってあるとしても無理を感じてしまう。 こんな人間って本当にいるのと思うより、軽い話だからまあいいかで成り立っている本格物といったところか。 |
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| No.79 | 7点 | 名探偵に薔薇を- 城平京 | 2009/08/09 09:11 |
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| 人によって評価が分かれているようですが、私は好きなほうです。
まず登場人物が少なくてよい。しかもあまり変な人が出てこないのも好感が持てる。本格物として一応のラインを保っていると思います。こんな展開は確かに過去に読んだことのある物を流用したような気もするが、この程度なら良いのでは。 気になるのは探偵の言葉使いで、もちろん作者は意図的にこんなしゃべり方をさせているのだが、警察と探偵の会話なんかは何様の態度であるかと思ってしまう。悲しい経歴を抱えているため名探偵でしかいられないなら、丁寧なしゃべりのほうがより悲しいと思うのだが。 |
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| No.78 | 6点 | ロートレック荘事件- 筒井康隆 | 2009/08/02 09:00 |
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| こういった話は絶対映像化されない小説の世界のみで成り立つもので、ちょっと考えると登場人物たちにとっては現実にはほとんど推理することなどないことになる。
まあそれでも見事にひっかかり犯人が分かったときにはちょっとびっくりした。 その後実に丁寧に犯人自身の説明がある。私の読んだ文庫本では証明のためのページと行数まで記載があり、いかに作者が苦心して書いたが分かるとともに、こんなトリックはアンフェアではないかという読者に対して弁明しているようでもあるが、あまりに長くちょっとくどい。 せっかくロートレックの写真まで沢山組み込んであるのだからもうすこしロートレックが絡んだ話となったらもっとよかったのに。 |
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| No.77 | 7点 | カンナ 奥州の覇者- 高田崇史 | 2009/07/31 19:06 |
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| カンナシリーズはついにアテルイの話となった。QEDシリーズより中身が薄い気がするが、今回は個人的に興味を持っている歴史の話が含まれているので面白く読めた。続きもののストーリーなのである意味ずいぶん長い話ではある。これで終了かと思ったがまだ全貌が解明されておらず次回へ持ち越しとなった。もうそろそろおしまいでもよさそうなのだが。 | |||
| No.76 | 4点 | 殺戮にいたる病- 我孫子武丸 | 2009/07/31 18:54 |
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| こういったエログロはどうも好みでない。トリックには見事に引っかかったが、そこへいくまで変体風な話を読まされるのは苦痛だ。いろいろな意見があるようだが、こういったトリックを書くのに何もこんなエログロにしなくてもいくらでも話は出来そうに思うのだが。 | |||
| No.75 | 8点 | 七回死んだ男- 西澤保彦 | 2009/07/19 16:09 |
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| 設定はSF的だがすんなりと読んでいける。SFにあまり興味ないものが読んでももともと非現実的なお話であることを忘れさせてしまうほど。作者が聖典としている「生ける屍の死」よりもこちらのほうが私は好きです。
こういった設定だといろんな仕掛けが多方向から組み込めるため、ひとつの事件に対していろいろな角度からの「現実」が提示され、読み進むにつれてだんだん違った展開となってくるところが新鮮で面白い。読み始めたら止められなくなり一気に読んでしまった。 ところで。 私がこんな体質をもしも受け継いだなら、すぐに競馬に行って第9周に当たり馬券を買ったりして、なんて考えるのは下種根性でしょうね。 |
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| No.74 | 7点 | 完全犯罪に猫は何匹必要か?- 東川篤哉 | 2009/07/19 10:12 |
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| なかなか面白かった。ちょっとジョークがやりすぎぎみではあるが、それなりに笑わせてもらった。本格派が好きなものが読んでも結構いけると思う。ただ後の殺人の凶器はちょっと無理なんじゃないかな。
まあナンセンスミステリーならこれでいいか。だいたいこの題名では本格好きの読者は手にとらないかも知れないし。 好みからいえばもう少しギャグを減らして本格度を上げたような作品が良いのだが。 |
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| No.73 | 8点 | ゲッベルスの贈り物- 藤岡真 | 2009/07/16 07:57 |
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| 作者が仕掛けた小技はほとんどひっかかり(私はたいていの仕掛けにはきちんと引っかかるおめでたい読者であります)最後に見事に背負い投げを食わされた。
さえない中年男がやたら強かったり、冷静な殺人屋が急に素人のような失敗をしたり、実にうそっぽい展開。それをおもしろく最後まで読ませてくれた。なかなかのものだと思う。 |
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| No.72 | 6点 | 毒草師 白蛇の洗礼- 高田崇史 | 2009/07/10 14:58 |
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| 毒草師の第2弾。カンナよりは歴史推理ががっちりしているが、事件の推理に問題がある。推理小説の面白みのひとつは困難な事件をいろいろ探索していってもどうしても解決できず、そこで名探偵が登場してさっそうと解決に持ち込むところにあると思う。この間に作者が仕掛けたトリックや伏線がたくみに仕込んである。私などはたいていはだまされて探偵さんのご意見を拝聴して唖然とする。この小説では名探偵が快刀乱麻を断つといっても、ほとんど事件のことを知らない赤の他人がみんながわからないことをあっという間に解決してしまう。解決までの回り道など全くしないし伏線等もほとんどない。これでは複雑怪奇にみえた事件の最後に一部始終を見ていた目撃者が出てきて解決しましたといっているのとあまり変わりないではないか。もっと面白くなりそうなシリーズなのでもう少しがんばってもらいたいのだが。 | |||
| No.71 | 5点 | カンナ 吉野の暗闘- 高田崇史 | 2009/07/10 14:35 |
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| カンナシリーズはQEDの安易版なのであろうか。今回は役小角の話が中心となっているが、歴史推理も殺人事件のほうもかなり手抜きの感じ。読みやすくはあるが、中身はだいぶ薄い。これで大丈夫なんだろうかとファンとしてはちょっと心配になる。でも新しのが出るとやっぱり買ってしまうだろうな。 | |||
| No.70 | 6点 | 男爵最後の事件- 太田忠司 | 2009/07/10 14:28 |
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| 霞田シリーズの最終作という事でずいぶん期待して読んだ。このシリーズはいずれもストーリーや背景にこだわりのものが出てきてこれがまた楽しいのであるが、この作品にはそういったものはない。トリックもことになく淡々としたものだ。おなじみの人物がおなじみのように活躍して、多少のエンディング様のストーリーがあって、といったところか。ごひいきの作家の好みのシリーズの最後としては大分物足りない感じ。ちょっと残念。 | |||
| No.69 | 5点 | 雪虫- 堂場瞬一 | 2009/07/10 14:20 |
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| 主人公がいちいち他人の言葉にひっかかるいやなやつなのでよっぽど途中でやめようかと思ったが、読んでいくとストーリーはなかなかのもの。好みではない警察小説であるが、途中からはすんなりと読めた。
でも最後はいただけない。こんな結論ではやりきれないではないか。 これで次々とシリーズが発表できたものだと思うが。きっとこういったのが好みの人も大勢いるのだろう。 |
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