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カジュアル・ベイカンシー 突然の空席
J・K・ローリング 出版月: 2012年12月 平均: 10.00点 書評数: 1件

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講談社
2012年12月

No.1 10点 ボンボン 2013/04/14 22:43
巧過ぎる。ぶ厚い2冊組みだが、一気読みは確実。
実にローリングらしく、驚くほど大勢の登場人物を全員丁寧に描写していく。全くバラバラな人々の内面を細切れに説明し続けていくうちに、なんと最後に、全てがひとつの大きな物語に織りあがってしまう。
「いい人・悪い人」ではない、複雑で、なかなかマトモにはいかない、リアルな人間の心のひだの捉え方は、日本人向きだ。
これまたローリングらしく、辛くて嫌なことばかり次々と起こるが、最後の最後に多くの人の気持ちが劇的に変化するところが、カタルシスで気持ちいい。
書店ではミステリーとして売られていたけれど、これがミステリーかどうかは、私には分からなかった。読者にとって、というよりも登場人物にとっては充分にミステリーのような状況だったろうなあ、とは思った。


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