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[ クライム/倒叙 ] ダーク・ムーン |
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馳星周 | 出版月: 2001年11月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
集英社 2001年11月 |
集英社 2004年10月 |
No.1 | 6点 | Tetchy | 2012/09/29 23:03 |
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上下巻1,040ページ弱の作品でそれぞれの因果や鬱屈が呪詛のように繰り返され、彼らの行く末が存分に書き込まれた作品だが、やはり私にはどうも合わなかったようだ。
平たく云うと理解が出来ないのだ。お互いが他を出し抜いてのし上がり、手にした大金の前で、なぜか身の破滅を願う自分がいる。この感覚が理解できない。彼らが辿り着くのはいつ追手に見つかって殺されるか、びくびくするだけの日々からの解放。その気持ちは解るが、なぜか彼らは自らを危機に陥れる愚行を犯す。まるで敢えて罠に嵌っていこうとするかのように。これが理解しがたい。本作の終盤で繰り言のように頻出するのは“とち狂っている”という言葉。みんなが正気ではなく、とち狂っている。だからこそこんな道に陥るのだ。書いてしまえば簡単だが、それゆえそんな理由で?といった浅さを感じてしまう。 中国系マフィアの横行を描く物語はもう読み飽きてしまった。新たな機軸を打ち出す作品を読みたいものだ。 |