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[ ハードボイルド ]
偽りの街
ベルンハルト・グンター/ベルリン三部作
フィリップ・カー 出版月: 1992年06月 平均: 7.00点 書評数: 2件

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新潮社
1992年06月

No.2 7点 mini 2011/09/13 10:02
PHPというのは松下幸之助が創設したシンクタンクや出版業で、野田総理も身を置いた松下政経塾とも深い繋がりがある
出版社にしては珍しく東京ではなく京都に本部が在る
PHP出版社はその設立経緯からちょっと保守色の政治臭の強い出版社というイメージで、ミステリーも出しているとは知らなかった
調べてみたらPHP文庫からは意外と国内ミステリーは何冊も出してるのね、最近は海外ものにも手を染めたようだ
どうやら現代作家の見逃されている作品狙いなようで、レジナルド・ヒルの別シリーズ刊行時にも意外な気がしたが、さらなる驚きは近日17日にフィリップ・カー「変わらざるもの」が予定されていてしかも、あのベルリン3部作の私立探偵グンター再登場なのだ

カーはカーでもフィリップ・カーって言ったら何たってベルリン3部作だ、3部作だぜ、あれで完結しているんじゃねえのかよ、グンターが再登場するとは思わんかった
そこでまたちょっと調べたら不確定情報だがグンターのシリーズって原著では既に3部作以外に4作くらいはあるらしい
実は新潮文庫の3部作はずっと以前から持っていたんだけど積読のままだったので、この機会に3部作の第1作を初めて読んでみる事にした
おぉ!良いじゃないかフィリップ・カー、英国作家なので能天気なアメリカン・ハードボイルドとは一味違う感じで、なんか英国流スパイ小説作家が無理矢理ハードボイルドを真似して書いてみましたって印象
アメリカン・ハードボイルドにはない緻密さと気品が有って、スパイ小説とハードボイルド両者の良いとこ取りだな
フィリップ・カー、ファンになったぜ!

No.1 7点 kanamori 2010/04/27 18:00
ナチス独裁政権下のベルリンを舞台にしたハードボイルド、シリーズ第1作。
暗い政治の翳に包まれた卑しい街ベルリンに孤高の騎士を登場させる、これはもう設定の勝利でしょう。
私立探偵グンターの造形はマーロウを意識したものに間違いないと思います。当時の状況を考えれば失踪人探しは結構需要があったでしょうしね。最後が三部作を前提にしたような終りかたなのが少々不満ですが、かなり楽しめた私立探偵小説です。


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フィリップ・カー
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