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[ 警察小説 ] 砕かれた夜 ベルンハルト・グンター/ベルリン三部作 |
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フィリップ・カー | 出版月: 1993年10月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
新潮社 1993年10月 |
No.1 | 7点 | 空 | 2019/12/29 08:39 |
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カーといっても KERR ですから、密室の巨匠とは綴りだけでなく、おそらく発音も違うはずです。
作者初期のグンター・シリーズ3部作の第2作ですが、本作では、彼は刑事警察総監からの要請(「きみにはあまり選択の余地がなさそうだ」と言われて)で、警察に警部として一時復帰し、部下の刑事たちを指揮して、少女連続殺人事件の捜査に当たります。そんなプロットですから、ジャンルとしては警察小説としました。しかし、私立探偵になった者が一時的に警察官に戻るなんて、戦争の準備を着々と整えつつあったヒトラー政権下のドイツという特殊状況でも、あり得るんでしょうか。 その点を除けば、1938年ベルリンの情勢がリアルに描かれていて、迫力があります。と言っても、当時のドイツ史については細かいことはほとんど知らないのですが。ただ殺人事件真相と史実のユダヤ人迫害との絡め方には、少々疑問も感じました。 |