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[ ハードボイルド ] 夏の稲妻 事件記者ジョン・ウェルズ |
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キース・ピータースン | 出版月: 1991年12月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 3件 |
東京創元社 1991年12月 |
No.3 | 7点 | メルカトル | 2021/07/16 22:52 |
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情報屋のケンドリックから数枚の写真を見せられたのは、八月の暑い盛りのことだった。上院選立候補中の議員がSM行為?ウェルズは慎ましく情報提供の申し出を断ったが、翌日ケンドリックは死体となって発見された。失職の危機に瀕したウェルズは、職業生命を賭けて卑しき街をさ迷うが…。夏の終わりに、彼が到達した真実とは?アメリカ探偵作家クラブ最優秀ペイパーバック賞に輝く第三弾。
『BOOK』データベースより。 ハードボイルドのお手本のような作品。流麗な文体、的確かつ情感溢れる翻訳、適度なドラマ性、人間が描けている事、そして何と言っても主人公が魅力的な事。これだけの条件が揃えば必然的に傑作が生まれるというものです。ジョン・ウェルズは46歳の新聞記者。深酒も頻繁にするし、煙草は一日三箱吸う、どちらかと言えば破滅型のアンチヒーローでしょう。しかし、離婚した後に一人娘はが自殺するという苦い過去を引き摺りながら、その身を危険に晒さざるを得ない危なっかしさと、身に沁みる様な悲哀は裏を返せばカッコいい、文句なしのヒーローと言えそうです。 そして彼を廻る女性たち三人がまた、それぞれ個性的で内面が非常によく描き込まれていると思います。特にウェルズに想いを寄せる同僚ランシングの揺れ動く女心がいじらしく、過去に何があったのかとやきもきします。シリーズ一作目から読んでいない為、その辺りよく分かりませんが、いずれ読む機会があれば特に注目したいですね。こういった男女間の愛情の機微を見るにつけ、翻訳者が女性で本当に良かったなと思います。 |
No.2 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2020/08/09 16:52 |
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裏表紙より~『情報屋のケンドリックから数枚の写真を見せられたのは、八月の暑い盛りのことだった。上院選立候補中の議員がSM行為?ウェルズは慎ましく情報提供の申し出を断ったが、翌日ケンドリックは死体となって発見された。失職の危機に瀕したウェルズは、職業生命を賭けて卑しき街をさ迷うが…。夏の終わりに、彼が到達した真実とは?【MWA最優秀ペイパーバック賞受賞】』~
ハードボイルド系サスペンス。スキャンダル写真の女性は女優志望で、フィアンセを田舎に置いてNYへ出てきていた。彼女を捜す純朴な牧師見習いの青年・・・。ウィットに富んだ会話が心地よい。主人公(新聞記者)と同僚ランシングとの年齢差のある恋?の行方も気になるところ。勧善懲悪小説と思っていたら、意外な方向へ。楽しめました。 |
No.1 | 4点 | mini | 2009/08/04 10:30 |
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夏だからね(^_^;)
本名のアンドリュー・クラヴァン名義は登録済みで既に書評書かれた方もいるようですね クラヴァンはマンネリを嫌う性格なのか、せっかくピータースン名義の新聞記者ウェルズもので人気を得てMWA賞ペイパーバック賞まで受賞したのに、シリーズを4作で止めてしまった その後クラヴァン名義ではサスペンス調に転向したり、色々な傾向のものを書いているようだ 同時にいくつものシリーズを並行して書いているのではなく、どうも同じシリーズを続けるのが好きじゃないのだろう ピータースン名義のウェルズものは事件記者という職業だが、内容はハードボイルドと思って間違いない 主人公の熱い性格にハマル人もいると思うが、私はちょっと苦手 ラストなど感動的なのだが、途中でこの展開だったらこう締め括るよりないんじゃないのと予想した通りで、やはりキャラ萌え出来るか否かが勝負のシリーズですな ちなみに同僚の女性記者ランシングは、ハードボイルド史上最も萌え~な女性キャラとして有名だが、そこまで魅力的なのかなあ? |