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[ 本格/新本格 ] 探偵三影潤全集1 白の巻 私立探偵・三影潤 |
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仁木悦子 | 出版月: 2005年02月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
出版芸術社 2005年02月 |
No.1 | 6点 | 空 | 2022/04/16 08:19 |
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私立探偵三影潤ものの作品を集めたこの第1巻は、シリーズ唯一の長編『冷えきった街』、及び『白い時間』『白い部屋』の2短編を収めています。
三影潤は以前大きな探偵社に勤めていたのが、友人の桐崎と一緒に独立したという設定で、現実的な私立探偵ではありますが、『冷えきった街』(初出1971)を読んでいくと、コンチネンタル・オプ由来の一人称形式ですし途中格闘シーンもありますが、最初のうちハードボイルドらしい感じはしませんでした。事件の起こる邸宅の見取り図が載っていたりして、やはりパズラー系の雰囲気が濃厚です。しかし後半に入り、三影の過去が語られ、竪岡家の過去の事件の様相が明らかになってくるあたりから、ロス・マク(後期)っぽくなってきます。そんな作品としては、真相はなかなか味わい深いものになっていました。 2短編はさらにパズラー寄りで、特に『白い部屋』はほとんどベッド・ディテクティヴです。 |