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[ SF/ファンタジー ] 虎と月 |
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柳広司 | 出版月: 2009年02月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
理論社 2009年02月 |
文藝春秋 2014年01月 |
No.1 | 6点 | 猫サーカス | 2021/09/21 19:13 |
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中島敦氏の名作「山月記」を題材にした異色ミステリ。父は虎になった。幼い頃から、そう聞かされて育った十四歳の「ぼく」は、父がなぜ虎になったのか、その真相を突き止めるための旅に出ることにした。やがて「ぼく」は、目的地の村で遭遇した出来事を経て、父が詠んだという一編の漢詩の謎に迫る。恐らく高校時代の教科書で「山月記」を読んだという人は多いでしょう。中国の説話を元にしたこの作品をさらに作者は、李徴の息子を主人公にして書き直した。唐の時代の歴史的な背景をそのまま生かしつつ、子供の語りを導入することにより、ミステリとしての謎、ひねり、そしてユーモアまでも効果的に盛り込んでいる。若者向けに書かれた平明な現代文で読む「新・山月記」として、大人の読者もぜひ手に取ってほしい。 |