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[ 本格/新本格 ]
コミケ殺人事件
小森健太朗 出版月: 1994年11月 平均: 6.50点 書評数: 4件

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出版芸術社
1994年11月

角川春樹事務所
1998年12月

No.4 5点 ボナンザ 2015/12/05 22:09
コミケ中興期を舞台にした良作。
最後のオチはおまけみたいなものだが、全体的に凝った作りで作者の本気度が伺える。

No.3 6点 メルカトル 2013/11/05 22:50
同人誌をそのまま取り込むアイディアはなかなか面白いと思う。
メイントリックも一発勝負の、これっきりでもう二度と使用できないもので、斬新とは言えるだろう。だが、当然こうした無理のあるトリックに関しては批判の声が上がってもおかしくはないと考えられる。それを許容できるか否かで、評価も随分違ってくるのではないだろうか。
ここに書かれている方は、大方好意的にとらえられているようだが、それはこの作品の形体に対しての評価も含まれているのかもしれない。どことなくメタな本作は、その新鮮味においては十分高い評価が与えられてもおかしくはないと思う。

No.2 8点 isurrender 2009/08/05 22:31
今、だからこそ価値が高まってくる作品ではないだろうかと思います
最後の終わり方が特によかったと思います

No.1 7点 Tetchy 2008/11/22 14:34
1994年刊行の本書。当時はまだオタクに対する偏見が強かっただろうからその内容に生理的嫌悪感を示す人も多かったかもしれないが、現在ではその認識も改善されており、逆に今頃に読めば案外一般的なミステリ読者にもすんなりと受け入れられるかもしれない。

本作はメタミステリを得意とする作家らしく、なんと同人誌が丸々作中作として盛り込まれている。
7人の同人誌サークル員が寄稿した『ルナティック・ドリーム』なる美少女戦隊物の最終話を予想したその内容は論文体、ホラー小説、ペダンチック溢れる小栗虫太郎風ミステリ、やおい風味小説と、ヴァラエティに富んでおり、この作者の正に独壇場である。そしてそれらがなかなか面白いのだ。

本作ではどんでん返しも盛り込まれているが、逆に真相が覆るたびに明かされる真相がパワーダウンしてしまうのが瑕か。
私としては一番最初の真相が正にこの作品で扱ったコミケ、オタクの世界をもっとも具体的に現しており、チェスタトン的な狂人論理に通ずる物があり、結構好きなのだが。

一般のミステリ読者でも推理出来るよう、一番ケレン味のない真相が本当の真相になってしまっているが、本作ではあえてコミケという特殊状況ならではのケレン味を大事にした方がよかったのではないかと思った次第。


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小森健太朗
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