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[ サスペンス ]
ランボー・クラブ
改題『血の色の記憶』
岸田るり子 出版月: 2007年12月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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東京創元社
2007年12月

東京創元社
2015年10月

No.1 6点 2011/03/03 22:13
タイトルの「ランボー」は、散文詩『地獄の季節』等が有名な19世紀フランスの詩人アルチュール・ランボーのこと。
15歳の少年と私立探偵の2人の視点を章ごとに交互に配置していく構成の作品で、そのパターンは最後まで続きます。といっても、2つの話が最終的にどうつながってくるかが見所というタイプではありません。私立探偵の視点の方に、少々うるさいユーモアがあるのが好みではないのですが、視点交替はかなり効果を上げていると思います。
少年が非常に珍しい後天性の色覚障害という設定で、早い段階から医学ミステリ系だということは想像がつくようになっていますが、隠された秘密は悪くありませんし、疑惑が膨らんでいくサスペンスもなかなかのものです。最後の1ページも無駄なくまとめてありますしね。
しかしこの作者、『出口のない部屋』でも感じたのですが、謎めいた小説構成はいいのに、密室などの物理的不可能犯罪トリックの扱いがどうも冴えないのです。不可能性は無理に入れなくてもよかったのではないかと思えてしまいます。


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