皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
|
[ ホラー ] 痛苦の聖母 |
|||
|---|---|---|---|
| ジョン・ブラックバーン | 出版月: 2026年05月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 国書刊行会 2026年05月 |
| No.1 | 6点 | kanamori | 2026/08/05 12:00 |
|---|---|---|---|
| ”血の伯爵夫人”ことエリザベート・バートリの伝説に材を取った新作舞台「痛苦の聖母」が、ロンドンのペガサス劇場でまもなく初日を迎えようとしていた。主演のスーザン・ヴァランスは大女優ながら傲慢・不穏な性格で悪評があった。ゴシップ紙の記者ハリー・クレイは、暗い過去を持つ医師トレントンが彼女の元に出入りするのを目撃する。
また別の日、パブの隣のブースで強盗団の三人組の、財宝の所在と遭遇した恐怖体験についての密談を漏れ聞いたハリーは、特ダネの臭いを感じ取り、彼らを追跡調査していると、次々と不審死に遭遇する。やがて事件はトレントン医師や女優のスーザンとの関連が見え隠れしてきた。精神科医ミリアムと知り合ったハリーは、悪夢のような事態を防ぐべく開演直前のペガサス劇場に向かう……………。 80年代以降のキングやクーンツが人気を博する前の、モダン・ホラーの先駆者とも言われる英国人作家ジョン・ブラックバーンの1974年の作品です。国際謀略スリラー担当の英国情報部カーク将軍や、バイオ・ホラー担当のレヴィン卿というレギュラーキャラクターが出てこない単発モノなため、かえって先が読めないというか、物語の全貌が分からない。伏線を効かせたミステリ要素が楽しめて、また怪奇趣向の強い作品です。翻訳既刊でいえば「闇に葬れ」に近い感じを受けました。 17世紀のハンガリーの伝説、「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリの悪魔じみた所業と、その後日譚が重要な要素になっていますが、本文で説明があるので知らなくても問題はありません。(ちなみに、島田荘司の「アトポス」にも詳しく書かれているw) |
|||