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[ 本格 ]
デスチェアの殺人
ワシントン・ポーシリーズ
M・W・クレイヴン 出版月: 2025年09月 平均: 8.00点 書評数: 1件

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早川書房
2025年09月

早川書房
2025年09月

No.1 8点 HORNET 2025/09/30 22:19
 カルト教団の指導者が木に縛られ石打ちで殺された。さらに遺体には、意味不明の暗号が入れ墨で刻まれていた。ポーとティリーのコンビは捜査を開始するが、同じ頃にアナグマにより墓地が荒らされる事件が起きる。埋葬された遺体の棺が露されるが、その下に全く別の遺体が現れて…。無関係と思われた二つの事件が、捜査を進めるにつれつながっていき―







<ネタバレ>
 死んだアーロンの生前の写真を、イヴに求めた時点で真相は見えた。(一方的に主導権を握っていたのはイヴだった、というところまでは読めなかったが…
 にしても、そもそも物語の舞台がすでに「事件後」で、心身の復調を目指すポーが心療内科医のカウンセリング治療を受ける中で事件の様相が語られていく、というまどろっこしい設定は何のため?と思って読んでいた(まぁそこに仕掛けがあるのも、最後にそれが明かされるのも織込み済みだったが)が、ラストに明かされるそもそもの設定の仕掛けは…一枚上をいかれたかな。
 手の込んだ企みで、シリーズの質が保たれているのは素直に感嘆。ただ今回は若干、暗い雰囲気が作品を支配していた感じがあり、既刊の作品のほうが好みかも。
 現時点で、海外のシリーズものでもっとも新刊を待ち焦がれているシリーズ。それもひとえにポーとティリーのコンビが大好きだから。その点で、今回の結末は今後の不安の種である。


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M・W・クレイヴン
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