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[ 本格 ]
ブラックサマーの殺人
ワシントン・ポーシリーズ
M・W・クレイヴン 出版月: 2021年10月 平均: 7.00点 書評数: 2件

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早川書房
2021年10月

No.2 6点 文生 2022/08/19 04:00
6年前に父親に殺されたはずの女性が突然、姿を現すオープニングのインパクトが強烈で一気に引き込まれました。謎を追うポー刑事とティリー分析官のコンビも魅力的。
ただ、トリックに無理があるのが残念。ハイテクな衣を着せつつも、根幹にあるのは古典的な×っ××××トリックであり、そんなに都合よく×っ××××は見つからないだろうと思ってしまう。

No.1 8点 HORNET 2022/01/16 19:27
 6年前、三ツ星レストランのカリスマシェフとして名声を誇るジャレド・キートンの娘殺しの罪を暴き、投獄に追い込んだポー部長刑事。ところが殺されたはずの娘が生きて帰ってきた。冤罪を生んだ刑事として、一気に批判の的となったポー。しかしポーは自身の捜査に絶対の自信を持っていた。追われる身となったポーだが、ポーを助けるべく、親友のブラッドショーとフリン警視が立ち上がる。巧妙に仕組まれた、警察を出し抜くキートンの手口とは―?

 600ページを超える力作だが、止まることなく進展する展開にどんどん読み進めてしまう。息つく間もなく繰り出される新情報から、「それによってどうなるのか?」という興味が尽きない。上手い。
 捜査過程で何気なく出てきたワードが偶然アンテナに引っ掛かり、そこから一足飛びに前進する、という展開は、多少映画的なご都合主義を感じるところもあるが、逆に不要なミスディレクションがないとも言え、長さの割に無駄を感じない。最大の謎である、「生還したキートンの娘が、血液のDNA検査によって間違いなく本人と確かめられた」ことに対するトリックは一般人には推理しようがないレベルではあったが、事件を覆う様相を解き明かしていく過程には無理な飛びはなく、丁寧に描かれている。
 本シリーズは今後もチェックしていきたい。


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