皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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[ 本格/新本格 ] 死んだら永遠に休めます |
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| 遠坂八重 | 出版月: 2025年02月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 4件 |
![]() 朝日新聞出版 2025年02月 |
| No.4 | 7点 | 人並由真 | 2025/11/26 07:05 |
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| (ネタバレなし)
中盤までは、なんかフツーの巻き込まれ型サスペンス謎解き……!? という感触で読み進む。 で、 最後の反転は、こういう手で来たか!? とその方向性(というか作者の着想)に驚いた。 本の帯(腰巻)は、通読までにあまりしっかり読み込まない方がいいだろう。 確かに破壊力はある。 ……ただ一方で、こういう人物造形って、あるのかなあ、とも思わされた。 その辺はsophiaさんのネタバレ書評に同意である。 いや世の中広いから、そういう成分バランスで形成された人間が、現実の世界またはその相似形のフィクション世界のどっかに、いるのかもしれんのだけど。 佐野洋がこの2020年代に、90歳過ぎてもまだ頭がしっかりしていて健在で現役で、世の中の趨勢にレーダーを張っていたら、こんなものを書いたんじゃないか、という気分もある。 クロージングはね、この作者らしいのでしょう。たぶん。 まだ二冊しか読んでないけれど。 |
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| No.3 | 7点 | レッドキング | 2025/05/05 22:08 |
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| 作者第三作。国立大を出て、一流企業在籍だけに己の存在意義を見い出し、人生の全て・・死ぬ事さえもが「オックウで面倒」な、不器用アラサーOLの第一人称叙述。絵に描いた様なパワハラ上司の元で、過激なブラック仕事に心身を削られる鬱叙述が、上司の行方不明事件で一転、サイコ風味を帯びたグロコミカルなサスペンス&ミステリへと転調。前二作同様、今回も、サイコ風味キャラを陽動にしたWhoダニットかと、二人の人物に見当つけていたら、ラストで予想を超えたツイストが待っていた。ホームズ役の天然陽キャラ派遣女子が実に愉しく、点数オマケ。 | |||
| No.2 | 6点 | sophia | 2025/05/05 00:17 |
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| ネタバレあり
第四章までで完全に解決しているように思われる事件、最終章で明かされるその背景は確かに驚愕に値しおぞましさすら感じるものでありますが、仁菜による種明かしは裏付けに乏しく、推理というよりも推測の色合いの方を濃く感じます。伏線ももう少し欲しかったところ。主人公の記憶力が低いのは散々描写されていますが、それは多忙すぎるがゆえのことではなく、そもそもの記憶力が低いという解釈で合っているのでしょうか?各章終わりに挿入される独白パートを最後まで読むとそのような暗示を感じるのですが、ここはちょっと分かりにくいかもしれません。というか、そんなに記憶力も低く絶望的に仕事ができない人が結構なレベルの国立大学に合格できるとは思えませんし、自分が仕事ができないということすら自覚できていないというのは設定に無理があると言わざるを得ません。サプライズありきで話を作ったからこうなってしまったのでしょう(自分が本来お気楽人間であったことまで忘れていますよね?)。それからラストはあのようなビターな終わり方でもよいと思いますが、あっさりしすぎていて勿体なさを感じました。 |
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| No.1 | 8点 | 文生 | 2025/04/08 20:09 |
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| パワハラ上司が突然失踪し、続いて「私は殺されました」と記されたメールが送られてくる。しかも容疑者として彼の部下である総務経理本部全員の名前が挙げられており…。
限界会社員ミステリと銘打たれた本作はなんといっても事件の謎を追う女性2人のコンビがが秀逸です。仕事に疲れ果てて今にも倒れそうな主人公と、底抜けに明るく空気を読まない派遣女子のかけ合いはブラックなコメディとしてよくできています。そして、紆余曲折の末、最後に明かされるあの真相。これがもう犯人の意外性とかトリックの独創性とかとは全然別の意味で衝撃的です。完全に読者の心をへし折りにかかってきています。 エグい話をユーモアで包み込んで苦みのあるエンタメ作品に仕上げ、そこに意表を突く真相をぶち込んでさらにエグさを引き立てるという作風はもともと作者の十八番ですが、本作ではその持ち味が最大限に引き出されています。デビュー3作目にして才気が大きく花開いた傑作です。 |
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