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[ 本格/新本格 ]
回転寿司殺人事件
志垣警部シリーズ
吉村達也 出版月: 2001年06月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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勁文社
2001年06月

講談社
2003年02月

No.1 7点 メルカトル 2023/07/23 22:42
和久井刑事の忘れえぬ初恋の人は、小学五年生のとき北陸の糸魚川市から転校してきた美少女・蓮台寺翠。十六年後、その彼女が「他人の心を読める超能力者」として世間に登場。志垣警部の忠告を振り切って彼女と対面した和久井は、実際に心を透視され愕然となる。それが回転寿司にヒントを得たトリックとも知らずに驚く和久井へ事件発生の追い討ち。旧親不知トンネルで発生した殺人に、初恋の人は関与しているのか。
『BOOK』データベースより。

巻末にある、恒例の作品紹介に「志垣警部シリーズ」とあったので、こちらにもそのように表記しましたが、今回の探偵役は部下の和久井刑事。しかも、本件には彼の因縁浅からぬ初恋の相手が絡んでおり、完全に主役です。
とにかく最初に披露される超能力のトリックが、余りにも不思議で全く理解不能です。いきなりのカウンターパンチに、その後も頭の中にチラチラその事が過ぎり、事件そっちのけで脳細胞を駆使出来れば良かったんですがね・・・。結果的には当然そのタネを見破る事は叶わず、驚かされることになりました。これは元ネタは手品にあったそうですが、成程よく考えられているなと感心しました。もうこれだけで高得点の価値は十分あったと思いますよ。

実在した「びっくり寿司」を舞台に、志垣警部と和久井が事件について、論戦を交わしますが、別にタイトルを『回転寿司殺人事件』にする必然性はないじゃないかと思ってもみました。しかし、読み終わって考え直しました。寿司ネタの蘊蓄ばかりでなく、事件そのものが回転寿司チェーン店を新たに開店させようとする中で起こるものだし、謎を解くきっかけも回転寿司にあったりして、結局タイトルに偽りなしと判断しました。
勿論、お腹が空いていない時でも楽しめます。


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