皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 呪いと殺しは飯のタネ 伝記作家・烏丸尚奇の調査録 |
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烏丸尚奇 | 出版月: 2022年04月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 4件 |
宝島社 2022年04月 |
No.4 | 5点 | ʖˋ ၊၂ ਡ | 2023/11/13 12:22 |
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フィクションを生み出すことに行き詰まり、伝記を書いていた作家・烏丸尚奇。
ある企業の依頼を受けて創業者の伝記を書くことになった彼は、長野県にある創業者の家を訪ねる。一家について調べるうちに、数々の不幸な出来事と不穏な痕跡を見出した烏丸は、ついに自分が書きたかったテーマと巡りあえたことを実感する。後戻りできなくなった彼は、禁断の謎を解き明かそうとするが。 小説家を主人公に据えて、創作者としての焦燥と渇望を根底に据えた小説。解き明かされる真相は強引なところもあるけれど、主人公を突き動かす欲求と重なり合って、刺激に満ちた物語に仕上げられている。 |
No.3 | 7点 | 人並由真 | 2022/09/08 07:15 |
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(ネタバレなし)
7年前に期待の新鋭ミステリ作家としてデビューした「俺」こと烏丸尚奇は長編3作目で、ミステリ創作者としての自分の限界を早くも痛感した。そして33歳のいまでは、路線変更した伝記作家として、そこそこ波に乗っていた。そんなある日、なじみの若手女性編集者・長尾澪を通じて新たな仕事の依頼がくる。それは大企業「ミヤマ・コーポレーション」の創業者で故人の深山波平の伝記を自費出版するので、その原稿を書いてほしいというものだ。そして取材に向かった深山家の周辺には、何やら奥深い秘密の気配が漂う。烏丸はこの取材で、久々にミステリ創作の題材を得られそうだと喜ぶが。 昭和のB級謎解きスリラー、ただし結構出来がいいヤツに出会った感触で、なかなか面白かった。 終盤のドンデン返しの波状攻撃など、ノリの良さで読者を引き込み丸め込む感じで、気が付いたらイッキ読みしている。 (ちょっとだけ、登場人物の後半の行動にヘンテコな個所はひとつふたつあったが。) 終盤のまとめ方もある意味でのお約束だが、個人的には、作者がこういう方向を選択した上で、なかなか味わい深いクロージングを用意できたという印象。 ひと晩、時間がそんなにないなかで、新作ミステリでそれなりの楽しみを得ようと言う向きには、結構いい一冊かもしれない。 評点は0,5点くらいオマケして。 評者も、今後どういう方向に行くのかな? という種類の関心も込めて、シリーズ化を期待します。 |
No.2 | 6点 | 文生 | 2022/07/31 20:10 |
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ミステリとしては荒削りですが、読ませる力はかなりのもので、取材を通して意外な事実が明らかになっていく展開にぐいぐいと引き込まれていきました。ただ、ラストはあまり好みではないかな |
No.1 | 6点 | makomako | 2022/07/31 10:01 |
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このミス大賞の最終選考候補を改修したものとのことです。
全体としてかなり粗削りで、トリックも大胆だが無理も多少あるように思えますが、読んでいてなかなか興味深く、一気読みしました。 新進作家の第1作として期待できる作品と思います。 次作に期待しましょう。 |