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[ サスペンス ]
仮面
宮下真人刑事
伊岡瞬 出版月: 2021年06月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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KADOKAWA
2021年06月

No.1 6点 人並由真 2022/04/17 07:37
(ネタバレなし)
 テレビトークでも活躍するハンサムな作家・評論家、三条公彦。だが彼が読者から支持を得る最大のポイントは、同人が「読字障害」というハンディキャップを抱えながらも文筆家として活動する、その独特な属性にあった。そんななか、三条の秘書として働くジャーナリスト志望で28歳の女性・菊井早紀は、三条が出演するテレビ局のプロデューサー、堤彰久から、さりげなく今後の活躍の場と引き換えの枕営業の話を持ち掛けられる。一方で東京と埼玉の県境では、白骨化した身元不明の女性の他殺らしい死体が発見されていた。

 2016年の『痣』で、主人公の刑事、真壁修のパートナーとして初登場。その後『悪寒』でまた真壁と組んだのち、2018年の『本性』では別の先輩刑事、安井と、さらに今回は女性刑事・小野田静と相棒になる青年刑事、宮下真人。
 彼が登場する作品シリーズの第四弾。
(このカウントで間違ってないだろーな。実言うと評者はまだ『本性』だけ読んでないが。)
 ちなみに本シリーズの次作『水脈』(これから本になる)の噂も聞こえているが、詳しくはナイショ。

 事件の主題はこの作者お得意のモンスター的なサイコ犯罪者の凶行だが、一方で主人公の刑事コンビ(今回は小野田&宮下)の描写が軸になっているのも、いつもの通り。

 異常犯罪者のキャラクターについては、本の帯を含めて序盤から読者の前に小出しにされていくが、まあ、悪い言い方をすればこれまでも似たようなモンスター異常者を輩出してきた作者なので、さほど新鮮味はない。

 それでも終盤に至るまで、いろいろトリッキィな仕込みをしてあるのはさすがだが、その分、全体的にお話が冗長になってしまった印象もある。
 作者の著作のなかでは、Bの下か、Cの上クラスといったところ。ちゃんと、直球での主人公っぽい、今回の宮下の扱いはいいんだけどね。


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