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ただし、無音に限り
霊視探偵・天野春近シリーズ
織守きょうや 出版月: 2018年08月 平均: 6.50点 書評数: 2件

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東京創元社
2018年08月

東京創元社
2021年12月

No.2 6点 虫暮部 2022/06/20 11:52
 人死にを扱っていても優しいまなざしを感じるところが良い。ただし、霊関係のルールが未整理なので、ミステリだかホラーだかどっちつかず。

No.1 7点 HORNET 2022/03/06 20:09
 探偵・天野春近には、霊が見え、その霊の視覚記憶を読み取るという特殊能力がある。普段はその能力を生かすこともなく、浮気調査などに追われる日々だが、友人の弁護士・朽木の紹介で、時には人の死が関わる、探偵らしい依頼も。とはいえ依頼された時点では事件性のない案件なのだが、天野の特殊能力が、見えなかった真相を明らかにしていく―

 事故や行方不明で片付けられていた事案も、「霊の記憶を読み取れる」天野には、そうではない真実が見えてしまう。とはいえその記憶に音声はなく、死んだ者の視点から見た映像だけなので、そこから推理と捜査が必要になる。自然死ではなく、あるいは行方不明ではなく殺人だった、という結論だけが先に見え、しかし犯人やその様態は分からない。そんな構成により「謎」がずっと持続され、興味が尽きることなく読み進められる。現実的に解決するために真相の解明は確かな捜査、証拠がなくてはならず、その謎解きはしっかりと行われて解に至る。
 これはなかなか面白かった。


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