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[ 本格/新本格 ]
センティメンタル・ブルー
建築探偵シリーズ番外編「蒼の物語」
篠田真由美 出版月: 2001年06月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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講談社
2001年06月

講談社
2007年08月

No.1 5点 nukkam 2022/02/14 16:43
(ネタバレなしです) 桜井京介を主人公にした建築探偵シリーズ短編集には「桜闇」(1999年)がありますが、2001年発表の本書は蒼を主人公にしたシリーズ番外編の第1中短編集です(桜井京介は登場してもほんのわずかで、登場しない作品もあります)。作中時代は「ブルー・ハート、ブルー・スカイ」が蒼が12歳の1991年、「センティメンタル・ブルー」が2000年で蒼は大学生になっています。エラリー・クイーンの「Yの悲劇」(1932年)をモチーフにした短編アンソロジー用に書いた「ダイイング メッセージ 《Y》」はクイーン風の論理的推理はありませんが、社会派推理小説ネタになりそうな悲劇性が印象的です(しかし有栖川有栖、法月綸太郎、二階堂黎人が同じ依頼されていたのは納得できますが、明らかにクイーンとは作風の違う篠田が依頼された理由は何でしょう?)。その後日談的な「センティメンタル・ブルー」はサイコ・スリラー要素のある本格派です。解決は好都合過ぎで謎解きも微妙にすっきりしませんが(「相乗り」は感心できません)。謎解きよりも様々な恐怖症を抱えていた蒼が少しずつ他人との交流を深めていく成長物語として楽しむのが正しいのかもしれません。


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篠田真由美
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