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[ サスペンス ] ケイトが恐れるすべて |
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ピーター・スワンソン | 出版月: 2019年07月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2019年07月 |
No.2 | 7点 | HORNET | 2020/01/04 17:45 |
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この方の作品は、両方とも本サイトにある「そしてミランダを殺す」と本作品しか読んでいないが、この方がよいのか、訳者が優れているのか、非常に読みやすい。「海外作品はちょっと読みにくい」と感じられている人も、すいすい読めるのではないかと思う。
大学時代に偏執的な恋人にストーキングされたあげく同じ部屋で銃で自殺され、心に大きな傷とトラウマを抱えたイギリス女性、ケイト・プリディー。ある時、アメリカに住む又従妹のコービン・デルから「6か月間、住居を交換してほしい」との申し出が。心的障害を抱えるケイトだったが、勇気を出してその申し出を受けることに。ところが、コービンの住居に着いてボストンでの生活を始めたその日に、隣人の女性が不審死を遂げる― 主人公ケイト、コービン、同じアパートメントに住む男と、かわるがわるそれぞれの視点から物語が展開していく。しかし、持って回った複雑な言い回しなどがないので、すっと頭に入っていく。 本作品は「閉じた狭い空間で繰り広げられる、人に見られたくない人間性」という雰囲気を感じ、個人的にルース・レンデルの作風を彷彿とさせた。主人公ケイトの病的な神経質さも上手く描かれ、映画などで映像化されたらかなり映えるのではないかとも思う。 今後もこの作家の作品はチェックしたいな、と思える面白さはあった。 |
No.1 | 5点 | YMY | 2019/11/12 22:36 |
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見知らぬ街で半年間暮らすことになった女性が、隣人の不審な死に巻き込まれるサスペンス。
同じ出来事を複数の人物の視点から語ることで、意外な事実を少しずつ明かし、一方で謎と緊張を増幅させている。物語を語る視点と順序に工夫を凝らして、比較的シンプルな事件を五里霧中の迷宮に仕立て上げた作品。 |