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[ 本格 ]
ペンギンは知っていた
ミス・ヒルデガード・ウィザーズ
スチュアート・パーマー 出版月: 1999年06月 平均: 5.67点 書評数: 3件

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新樹社
1999年06月

No.3 6点 nukkam 2016/09/14 13:26
(ネタバレなしです) スチュアート・パーマー(1905-1968)は米国の本格派推理小説家で、ヒルデガード・ウィザーズのシリーズが大変な人気を獲得し、あのクレイグ・ライスと合作でマローン弁護士とヒルデガードが共演する作品を書いたりもしています。1931年発表のデビュー作である本書を読む限りではライスの作品ほどのどたばた劇はないもののユーモアが豊かな作品です。第1作だからでしょうかヒルデガードは意外と名探偵らしくなく、法廷場面ではかなりしどろもどろになったりもしてますが最後には見事な逆転劇を見せてくれます。なお本書は新樹社版で「エラリー・クイーンのライヴァルたち」として紹介されましたが、クイーン風のガチガチのパズル・ストーリーというよりはむしろコージー派を彷彿させるような軽いタッチのミステリーです。

No.2 5点 kanamori 2010/08/09 21:03
オールド・ミスの女教師・ウィザーズが探偵役を務めるシリーズ第1作。
シリーズ長編は14冊あるも邦訳は本書のみのようで全貌は覗えないが、本書はコージー風ながら伏線がきっちり張られたオーソドックスな本格ミステリ。
ただ、同時代のエラリー・クイーンと比べるとロジックは比較的単純でパズラーとしての歯ごたえがあまりなかった。

No.1 6点 mini 2008/10/19 10:58
新樹社には『クイーンのライヴァルたち』という企画があって、全四作のうち、日本だけで変な人気があるロジャー・スカーレットや、不可能犯罪マニアに人気のデイリー・キングが好まれているようだ
最も好まれていないのがパーマーみたいなので、擁護したい
スチュアート・パーマーはクイーンなどと同期のアメリカ本格全盛時代を代表するパズラー作家の一人で、当時のアメリカでは人気作家だった
いかにもなアメリカ風な雰囲気が日本人に受けないのかもしれないが、この時代のアメリカ本格を語る上で絶対外せない作家なので、もっと他の作も翻訳されるべきである
水族館のペンギン・プールから死体が登場する冒頭部や、その後のドタバタな展開など魅力的で、探偵役の女教師ヒルディのキャラも含めて雰囲気を楽しめれば面白いと思うのだが


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