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[ ホラー ]
白墨人形
C・J・チューダー 出版月: 2018年05月 平均: 6.00点 書評数: 4件

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文藝春秋
2018年05月

文藝春秋
2021年05月

No.4 6点 メルカトル 2021/11/30 22:58
スティーヴン・キング強力推薦!
少年時代の美しい思い出と、そこに隠された忌まわしい秘密。
最終ページに待ち受けるおそるべき真相。
世界36か国で刊行決定、叙情とたくらみに満ちた新鋭の傑作サスペンス。

あの日、僕たちが見つけた死体。そのはじまりは何だったのか。僕たちにもわからない。みんなで遊園地に出かけ、悲惨な事故を目撃したときか。白墨のように真っ白なハローラン先生が町にやってきたときか。それとも僕たちがチョークで描いた人形の絵で秘密のやりとりをはじめたときか――。
Amazon内容紹介より。

ホラー寄りのミステリともミステリ寄りのホラーとも言える微妙な作品。キングが推薦しているようですが、確かに作風は似ているかも知れません。特に読んでいませんが『スタンドバイミー』辺りか。
さて本作、やたら事件事故が起き過ぎて、内容がとっ散らかった印象が否めません。私にはどこに焦点を置いて読んで良いのか正直分かりませんでした。途中でそれまでの経緯を整理するとか、もう少し工夫して読者に理解しやすくした方が親しみが持てたのではないかと思います。

しかし、よくよく考えてみると様々な事件はそれぞれ解明されているし、怪奇色はあるもののミステリとしてちゃんと成立してはいます。残念なのはその真相を纏めて最後に披露するべきではなかったかという点です。本格ミステリの手法を倣って。そうすればホラーではなくミステリとしてもっと評価されたでしょう。個人的には何故か以前から気になっていた本だったので読めて良かったですが、なんだかスッキリしない曖昧さが残りました。ラストのオチはなかなかだと思います。

No.3 5点 八二一 2020/04/27 20:21
時系列ではない構成に少し混乱するが、実は非常によく計算されている。

No.2 5点 HORNET 2018/12/23 20:11
 1986年と2016年が交互に描かれる構成で、双方で事件の核心に迫っていくというパターン。
 チョークで描かれる棒人間のメッセージ、という物語の構えは期待感が高まるのだが、結果的にそれは付随的な脚色要素で、謎の核心には絡んでこない(つまりそれがなくても出来上がるミステリ)であったところが惜しい。
 (主人公も含めて)怪しげなミスリードがいろいろ張られているが、真相が明かされてみればそれらはすべて「思わせぶり」だっただけで、要は作者の脚色だったという感じ。雰囲気もいいし、読み進めやすかったのでこの点数だが、ミステリの仕掛けとして印象に残る作品とは言えなかった。

No.1 8点 YMY 2018/10/17 19:44
1986年夏。僕ら4人は「あの少女」のバラバラ死体を発見したが、犯人とおぼしき人物の死で事件は事件は幕を下ろしたはずだった。30年後、大人になった僕らに「真犯人を知っている」と手紙が届く。
過去の悪夢がじわじわと現在に忍び寄るホラーミステリ。巨匠スティーヴン・キングがツイッターで「私の書くものが好きなら、この本を気に入るはずだ」とつぶやいたことでも話題に。巧妙な語りと最後まで続く予想外の展開で引き込む。新人作家とは思えない出来。


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C・J・チューダー
2020年10月
アニーはどこにいった
平均:6.00 / 書評数:1
2018年05月
白墨人形
平均:6.00 / 書評数:4