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[ 本格 ]
グレイ・フラノの屍衣
ヘンリー・スレッサー 出版月: 1960年01月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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早川書房
1960年01月

早川書房
1978年04月

No.1 6点 人並由真 2017/08/03 10:22
(ネタバレなし)
大手の広告会社ハガティ・テイト・アソシエイト。38歳の代表者補佐役デヴィッド(デイヴ、デイヴィ)・テイトは前線でばりばり職務をこなしていたが、ある日、会社の最大級の顧客であるバーク食品会社の広告ビジュアルについて疑念を抱く。それは自社が同食品会社のイメージキャラクターとして提供した実在の赤ん坊のモデルが、ひそかにすり替わっているのではというものだった。デイヴは社長の姪で同僚の美術監督でもある恋人ジャニイとともに真相に迫るが、その周囲では奇妙な変死事件が 勃発して……。

短編の名手スレッサーのミステリとしての第一長編。
以前に読んだジュリアン・シモンズの『二月三十一日』を想起させるような当時の企業風俗ミステリで、そのためか初読のはずなのに、しょっちゅう既視感を覚えた。
とまれ多数の登場人物のポジションを捌きながら物語を進めていく筆致はなかなか達者で、石川喬司などが当時のミステリマガジンの書評でスレッサーは長編もなかなかイケると語っていたのも思い出す。
最後に明かされる真犯人の意外性も作者は心得ており、全体的には佳作〜秀作といえるのではないか。


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ヘンリー・スレッサー
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