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[ 青春ミステリ ] カササギの計略 |
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才羽楽 | 出版月: 2016年07月 | 平均: 5.86点 | 書評数: 7件 |
宝島社 2016年07月 |
No.7 | 5点 | Kingscorss | 2020/08/21 23:30 |
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普通の恋愛ラノベにミステリー要素を足しただけという感じ。ラノベっぽいから読む気は全くなかったけど、人からおすすめされたので読んでみました。
恋愛小説もライトノベルも超苦手なので、最後のどんでん返しネタまでは全くおもしろくなかったです。ただし、この手の小説をキチンと評価できる人ならもう少し点数が上がるはず。 一言でいえば、新海誠チックな恋愛アニメを活字にした感じといえばわかりやすいだろうか。まぁ映像でやるには難しいネタなので、この小説がアニメ化するのは無理かもですが。 ホワイトどんでん返し!と銘打った最後のネタは、どこかで見たトリック&展開でしたが、個人的にはよくできていたと思います。ただ、そこに行くまでの準備、過程、理由に納得できない部分が多数あったのは事実。プロット有りきで、後付けで話を作った感がするのが残念なところ。あと、主人公含めた出てくるキャラクターの殆どにあまり共感できなかったです。 個人的にこの手の恋愛小説は超苦手なのでこの点数です。イニシエーション・ラブ同様、最後のネタに行くまでは読んでて苦痛でした。恋愛小説&ラノベOKな人ならもっと楽しめるんじゃないでしょうか… |
No.6 | 5点 | 雪の日 | 2020/04/15 15:35 |
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ホワイトではないような気がする。 |
No.5 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2017/07/14 12:44 |
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恋愛小説としては、とても楽しめました。ミステリーとして評価すると、まあ普通かな~といったところ。「ホワイト」より「ブラック」の方が大好物なもんで・・・。 |
No.4 | 6点 | メルカトル | 2017/05/07 21:58 |
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終盤までは正真正銘の恋愛小説です。恋愛ミステリとも違います。いったいこの小説のどの辺りがミステリなのかしらと、終始疑問を抱きながら読み進めましたが、終盤でやられました。計略とはよく言ったもので、まさしくある策略というか、陰謀といえば大げさでしょうか、そういった黒い影が突如差し込みます。
まあしかしながら、道中はとても読み心地のよい流れるような文章で、しかも何気ない仕草や細かな情景、背景などにも神経が行き届いており、非常に手慣れた書き手との印象を受けます。 ベビーカーに人形を乗せて歩く「ベビーさん」やアパートのドアの前で遅くまで母親を待ち続ける少年のサイドストーリーなども単なるエピソードとしてではなく、しっかりと描き切っています。この辺りも高評価ですね。 ただ、先述のようにある計略が裏では進行しているわけですが、私には少々納得のいかない点があったのが、どうもすっきりしない後味となってしこりのように残り続けています。そこが感動の名作、涙なくして読めないというわけにはいかないところなのです。期待通りの展開にならないからと言って、作者を責めることはできませんが、やはり想像の斜め上を行くのも一概に意外性があってよろしいとは言いがたいってことでしょうかね。 |
No.3 | 7点 | makomako | 2017/04/29 10:29 |
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どこかで読んだような設定で始まるのです。アパートに帰ったら見知らぬ美女が待っていた。全然心当たりがないのに部屋に入れてしまい、ついには住み着いてしまう。
なんという都合に良いお話か。 こんなことがあるとよいですなあ。でも絶対このままでは済まないのは目に見えている。どういう結末となるかかなり興味深く、しかもとても読みやすい。 ほとんど恋愛小説風となった後で突然お話の展開が起きる。推理小説なのだから当たり前といえば当たり前です。 なかなか楽しめたのですが、何となく物足りないような気もしました。 |
No.2 | 7点 | 斎藤警部 | 2017/03/15 12:34 |
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これ、ホワイト反転なの? 純白ってより、臙脂か、濃いめの(ちょっといやらしい)青緑でね? と思ってたら、最高に刺さるあの脇役さんが全面的結末ホワイト化の演出家に突如変身。参ったね! これぞ『逆クリスチアナ・ブランド』の精髄。彼女(クリス)が生きてたら本作の爪の垢でも反面教師にして、更なるブラック反転、否ディープターコイズブルー反転への精進にますます勤しんだかも知れない、などとあらぬ妄想しました。 「後者であることを祈ります」なる独白には笑った。
ミステリとして重要な「或るパーツ」に、小説としても実質ある重みを蒸着させた、ラストシーンの泣け過ぎるダブルミーニングには胸をつかまれました。 タイトルの、ちょっと冷たい『計略』というワードにもあらためて泣けたね。いいなあ、老衰。。 ネタバラシをちょこちょこ出したり、某叙述トリックが作品自身に一瞬にして呑み込まれちまったりしてるくせに、この。。。。 いや、その叙述なんとかの伴走者たるもう一方のアレが小説全体の厚みある何かしらと密接に絡み合い、なにしろ味わい濃く深かった(こんなに読み易いのに!)。 敬語による殊更の念押しか。。 大きな苦言は、主人公男子が「その事」に気付かなかった理由が単に 特別な経緯も無く 忘れていたから .. というあまりに大味な主要パーツの立ち位置だが .。.。.。それすらどうでもよくなるこの気持ち良い小説輪郭と、終結の、雨上がりの虹っぶりよ。 8点に大きく迫る7点を! |
No.1 | 6点 | 人並由真 | 2017/03/05 01:39 |
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あくまで普通の青春恋愛小説として物語は進み、事件性も犯罪の片鱗も見えてこない。どこでどうミステリとしての形質を獲得するのか……と思いながら読んでいると、終盤でようやく、ああ、こういう作品だったのね、と。
××トリックの楷書のような<ひとつの狙いを達成したスタンダード感>がとても強い作品。作品の構造としては目新しいものはないけど、その分、まとまりは良い。 さらに、何故か人形を乳母車に乗せて徘徊する女性「ベビーさん」や、ヒロインが夜間に出会った街頭のミュージシャンのような脇役の描写など、作者の(中略~ある修辞が入る~)人間観も胸に応える。文章も新人としてはかなりの練度で、全体的に流麗なのもいい。 ただ惜しむらくは、最後の仕上げがなあ…(汗)。普通なら大好きなクロージングの方向が、この作品に限っては似合わない思いが強いのだ。 310ページで心情吐露された主人公の内面は信じられるけど、この結末ではそれも台無しになっちゃうんじゃないのかと(いや、その作劇思想的なアンチテーゼとして、それより先の205ページの会話を前もって用意してあるのもわかるんだけど)。 最後の最後にひとさじだけ多く、作者の神の意志が働き過ぎた感じ。そこだけはもうちょっと微妙な書き方をしてほしかった。 |