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[ SF/ファンタジー ]
イブの時代
多岐川恭 出版月: 1961年01月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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中央公論社
1961年01月

日本文華社
1966年01月

早川書房
1977年01月

No.1 5点 kanamori 2016/04/10 16:18
200年間の冷凍冬眠から目覚めた時雄は、未来社会のポリス・チーフから、ヌード・ダンサー”乳色のイブ”が殺された事件の捜査を指示される。この22世紀の世界では、殺人はほとんど発生せず、捜査技術が劣化していたため、元検事の時雄を捜査にあたらせるため冬眠から覚醒させたという事情があった--------。

ぶっちゃけ謎解きミステリとして読むと、ちょっと微妙な出来と言わざるを得ません。
主人公が目覚めた200年後の世界は、貧富の差やつらい労働がなくなっており、はだか同然の姿をした男女が、毎日自由恋愛を楽しむユートピアのような社会ですが、作者の筆は、その未来社会のシステムを描くSF小説と、フリーセックスを描く官能小説(といっても淫靡な感じはなく、あっけらかんとしたセックス描写ですが)のほうに力点がおかれ、途中、謎解きミステリの要素がどこかへ行ってしまっているのです。
ミステリとしては、スタッフが見守るテレビ・スタジオという衆人環視状況下の殺人の謎が中核になるのですが、この真相は読者には分かりようがありません。ハウダニットの興味は持たないほうがいいですw  ただ、「ほとんどの犯罪者が自首を選択する」というこの世界の特殊設定があるなかで、なぜ犯人が名乗り出ないのか?という”ホワイ”の部分はそれなりに面白いといえるかな。


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多岐川恭
1988年07月
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平均:6.00 / 書評数:1
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