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[ サスペンス ]
折鶴が知った…
日下圭介 出版月: 1977年10月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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光文社
1977年10月

光文社
1985年02月

No.1 5点 nukkam 2016/02/07 04:20
(ネタバレなしです) 26の長編と18の短編集を残した日下圭介(1940-2006)はジャーナリスト出身者ですが、「新聞記者が推理小説を書いたと聞いて『ははあ、社会派』と先回りする人が多い。勘弁してほしい」と述べているように国内ミステリーで人気の高い社会派推理小説には背を向け、フレンチ・ミステリーに影響を受けたサスペンス小説と本格派推理小説が創作の中心でした。1977年発表の長編第3作の本書は前者に属する作品です。私はフランスのサスペンス小説を読んでいないので比較はできませんが、婚約破棄の理由がはっきりしない上に殺人犯と疑われてしまった主人公(結城京子)が被害者の家族につきまとわれるプロットはサスペンス豊かで、作者がねらった「過去の傷痕を負った人間たち」「穏やかな川面の下の暗い底流」「激しく静かなドラマ」が過不足なく描かれています。また折鶴や絵葉書や不思議なメッセージが謎を深め、終盤にはよく考えられたアリバイ崩しがあるなど本格派も意識したようなところがあります。最後は自白に頼ってしまったため本格派になりきれていませんが。


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日下圭介
2015年03月
バラの中の死
平均:5.50 / 書評数:2
1997年05月
密室・十年目の扉
平均:5.00 / 書評数:1
1994年08月
脅迫者たちのサーカス
平均:5.00 / 書評数:1
1994年04月
女怪盗が盗まれた
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1992年09月
手錠はバラの花に―女性刑事・倉原真樹の名推理
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1992年08月
三千万秒の悪夢
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1991年04月
61年目の謀殺
平均:5.00 / 書評数:1
1989年02月
密室20秒の謎
平均:6.00 / 書評数:1
1988年10月
「野菊の墓」殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
1987年05月
笛の鳴る闇
平均:6.00 / 書評数:1
1984年09月
罪の女の涙は青
平均:6.00 / 書評数:2
1982年07月
鶯を呼ぶ少年
平均:8.00 / 書評数:1
1982年04月
木に登る犬
平均:7.00 / 書評数:2
1981年01月
血の色の花々の伝説
平均:6.00 / 書評数:1
1977年11月
花の復讐
平均:6.00 / 書評数:1
1977年10月
折鶴が知った…
平均:5.00 / 書評数:1
1976年01月
悪夢は三度見る
1975年01月
蝶たちは今…
平均:4.50 / 書評数:2