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ミステリの祭典

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弓月さんの登録情報
平均点:7.80点 書評数:10件

プロフィール| 書評

No.10 6点 頼子のために
法月綸太郎
(2007/06/19 22:56登録)
 あの手記、普通に読んでも全然違和感無かったんですけど、言われてみれば・・・という感じでなかなか面白い。物語自体も、読めば読むほど引き込まれていく感じでなかなかよくできた作品だと思います。
 ある物が庭から出てきた時は、正直寒気がしましたよ・・
 とても楽しめたんですが、ただ一つ、結末はちょっと・・後味が悪いというか何と言うか、あまり好きではない終わり方でした。こうならざるを得ないんですかね・・


No.9 7点 誰彼
法月綸太郎
(2007/06/19 22:55登録)
 密室の謎は、意外と早めの段階で解けてしまったり、中盤でかなり立ち入った推理が展開されたりと、話をまとめに入るのが早いなぁなんて思ったりしましたが、そこはやはり法月作品。これでもか、これでもかと、推理→仮説→破壊を何度も何度も繰り返します。終わりの際まで繰り返します。
 ほんとにややこしいのは否めないです。でもやっぱり、最後まで楽しめました。
 それにしてもアナグラムお好きなことで・・


No.8 8点 雪密室
法月綸太郎
(2007/06/19 22:53登録)
 全員の靴のサイズが並んだところでくる“読者への挑戦状”は、キターーという喜び。
 こういうシンプルな作品をもう少し何本か書いて欲しかったなぁ


No.7 8点 密閉教室
法月綸太郎
(2007/06/19 22:51登録)
 超常現象みたいな事が起きて、それを“不思議ですね”で
終わらせず、きちんと論理立てて説明する。そこまで手を伸
ばすものの方が面白いなぁと、この作品呼んでつくづく思い
ました。
 内容そのものも面白いんですが、この密室教室で特筆した
いのは、その構成、書き方。というのも、1章というか一つ
一つの章立てされた文章が細かいのです。サブタイトルが1
47もある小説も珍しい気がします。そのせいか、とても読
みやすい作品でした。


No.6 8点 姑獲鳥の夏
京極夏彦
(2007/06/19 22:49登録)
 やはりこの怪しく濃密な世界観・・いいですなぁ
 冒頭からいきなり延々と続く、京極堂による脳と心について
の薀蓄、それだけでももうお腹いっぱいになりそうです。
 ミステリーとしての真相部分は、今回そんなに面白いわけで
はないのですが、冒頭の薀蓄がきちんとそこに落とし込まれ
いるのは凄いですね。


No.5 10点 魍魎の匣
京極夏彦
(2007/06/19 22:48登録)
 “ほう”という声や、“みっしり”と詰まる音にすっかりやられてしまいました。何でしょうこの雰囲気。ミステリーとしてのトリックとか仕掛け的なものはそんなに“目から鱗が落ちる”ような凄いものがあるわけではないのに、ただそこで繰り広げられる会話や物語を堪能するだけで十分。
 まるで、【箱】のように分厚いので、読み始めたらしばらくかかりっきり。でも、冒頭の妖しい幕開けからその世界に引き込まれたら最後、全く飽きないんですよこれが。


No.4 5点 人形館の殺人
綾辻行人
(2007/06/19 22:45登録)
 よくあることですけど、作者自身はこういう異色作に限って
一番のお気に入りとか言うわけですが、個人的には全く馴染めなかったです。特に犯人が・・・
 最初から描き方もおかしいなとは思ってましたが、やはりという感じ。こういうネタはどうも肌に合わないようです。
 雰囲気は好きなんですけどね~
 点在する人形の意味なんかも、“名探偵コナン”が好きそうな機械的な意味と、それを作った意思的な意味の両方から見てもなかなか面白かったです。時間を置いて読み返したら評価が変わるような作品かもしれません。


No.3 8点 迷路館の殺人
綾辻行人
(2007/06/19 22:43登録)
 迷路館の平面図には度肝を抜かれました。何じゃこりゃとwこんな屋敷ありえないですけど、そこがいいんですよね。住んでみたいな~
 ただ、最後の扉の仕掛けは無理な気がしてしかたがな・・・発想は面白いけれど。
 正直、フェアとアンフェアのほんとギリギリだと思いますけど、嫌いにはなれません。


No.2 8点 水車館の殺人
綾辻行人
(2007/06/19 22:40登録)
 館に、車椅子に乗り仮面をかぶった男、幽閉同然の美しい少女、執事、家政婦、怪しい客、そして探偵・・・
 いかにも古めかしい探偵推理小説の舞台ですが、そのクラシックな感じはなかなか好きです。いいですねーやっぱりこういう雰囲気は。使用人とか、執事とかがいるお屋敷に泊まってみたいものです。ただ、犯人の正体は多分ほとんどの人に途中で看破されるでしょうし、密室に関してはこの館シリーズについては、何らかの“からくり”が示唆されていますから衝撃的な解法というのはないので、その辺は楽しめないかもしれません。ちょっと怪奇的なラストは◎。

 


No.1 10点 十角館の殺人
綾辻行人
(2007/06/19 22:38登録)
 一番印象的だったのは、島の二日目に、何者かによってテーブルに並べられたプレートでしょう。第1~第4の被害者、最後の被害者、探偵、殺人犯人という7枚のプレート。あれは、恐ろしいですね。
 これだけ綿密に練られた犯行計画、いわばこれは完全犯罪成功なんじゃ・・?とも思えるものなのに、読者に対して真相の明かし方がたったの1行で行っているのは鮮やかですね。犯人の見当がついていたんですが、それでも鮮やかでした、あの一行は。

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