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ミステリの祭典

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八二一さんの登録情報
平均点:5.76点 書評数:397件

プロフィール| 書評

No.177 5点 私刑連鎖犯
ジャン・バーク
(2021/06/21 20:25登録)
様々な要素をぶち込んで飽きさせないが、同時に「罪と倫理」について考えさせられた。しかしこれ、無理に邦題をつけなくても良かったんじゃなかろうか。


No.176 7点 夜の来訪者
プリーストリー
(2021/06/21 20:21登録)
登場人物たちがどこでどう関係しあっているのか、警部の問いにより謎が少しずつクリアになっていく面白さと、明かされていく過程のスリリングさが堪らなかった。戯曲はほとんど読んだことが無かったが、一気読みした。


No.175 4点 荒涼の町
ジム・トンプスン
(2021/06/09 20:30登録)
小説としては破綻しているのかもしれないが、なんといってもこの猥雑なパワー。それだけで読まされる。寄り添いにくいはずの作者の視点に忠実に沿っているのであろう訳者の力量にも感服。


No.174 5点 ジブラルタルの女王
アルトゥーロ・ペレス・レべルテ
(2021/06/09 20:24登録)
話の進め方が時に主人公だったり、時に作者だったりして、立体的な展開になり、ノヴェルというよりドキュメンタリーを読んでいる気にさせられるところが見事。


No.173 6点 リヴァイアサン号殺人事件
ボリス・アクーニン
(2021/06/09 20:20登録)
大型客船に乗り込んだ客の中に大量殺人犯がいるという本格グランド・ミステリ。それぞれの国の歴史を背負う登場人物たちがよく描き込まれている。文学的香り高い作品。


No.172 7点 夜愁
サラ・ウォーターズ
(2021/05/26 20:39登録)
殺人が起こるわけでもないし、犯罪が出てくるわけでもないが、語りの手法を「ミステリ」と呼ぶほかない小説。ヒロイン三人が現在なぜこのような境遇に陥っているか、という過去に向かう謎解きの語り口、人物造形、プロット、文章の全てにコクがある。


No.171 6点 市民ヴィンス
ジェス・ウォルター
(2021/05/26 20:30登録)
組織を裏切り、マフィアの犯罪を裏付けるために刑事事件の証人となり、証人保護プログラムの下に、新しい生活を始めたヴィンスの再生の物語。一九八〇年の大統領選挙が背景となっている。イランの米国大使館占拠事件で苦境に立つカーターがレーガンに敗れるのだが、どうでもいいような一票が世界を大きく動かしていることを、静かに語りかけてくる。


No.170 6点 通訳/インタープリター
スキ・キム
(2021/05/26 20:25登録)
ニューヨークに生きるコーリア系の一・五世のスージーの物語。法廷通訳をしているスージーは、法廷で両親を殺害した犯人の手掛かりをつかみ、真相にたどり着くのだが、その過程で、あぶり出されていく自身の不安定なアイデンティティの世界がスリリング。


No.169 6点 苦いオードブル
レックス・スタウト
(2021/05/12 20:44登録)
名探偵テカムス・フォックスの虜になる作品。綿密に容疑者の間を調べ上げる正統的な推理小説の面白さはもちろん、おしゃれでウィット富んだ会話で楽しませてくれる。


No.168 6点 双生児
クリストファー・プリースト
(2021/05/12 20:36登録)
第二次世界大戦、ヨーロッパ戦線に表と裏を双生児一人一人に語らせる。対立する二人の男の目を通して描く壮大な「騙り」の世界に感動。


No.167 7点 切り裂かれたミンクコート事件
ジェームズ・アンダースン
(2021/05/12 20:34登録)
キャラクターは楽しいし、ユーモア抜群だし、展開は意表を突いているし、本格ミステリとしてのインパクトも強い。このような遊び心満点の小説を読むとエレガントな気分になれる。


No.166 5点 病める狐
ミネット・ウォルターズ
(2021/04/27 20:41登録)
ヒロインの颯爽たる魅力、中年男性の大逆襲、無欲の勝利とも言うべき快い結末が印象的。


No.165 5点 血と暴力の国
コーマック・マッカーシー
(2021/04/27 20:39登録)
ほとんど神話的な広がりをもつ、まさに圧倒的なノワール。コーエン兄弟が映画化する理由がよく分かる。


No.164 4点 グランダンの怪奇事件簿
シーバリー・クイン
(2021/04/27 20:35登録)
オカルト探偵ものの中でも、レ・ファニュやブラックウッドやホジスンや、ラムレイに較べて格段に軽く、いってみれば、オカルト探偵ものの軽ハードボイルドといったところ。


No.163 5点 中庭の出来事
恩田陸
(2021/04/12 20:16登録)
シンプルな情景が少しずつ微妙に表情を変えながら何回となく繰り返し語られていく。登場人物がもう少し個性的だったらと欲張りつつも、入れ子構造に引き込まれた。


No.162 6点 螢坂
北森鴻
(2021/04/12 20:13登録)
ビア・バーに出入りする客を描いたシリーズ作の一つ。人情味あふれるエピソードのひねりが絶妙だし、マスターの作るつきだしにもよだれが出る。


No.161 5点 いつか陽のあたる場所で
乃南アサ
(2021/04/12 20:11登録)
下町でひっそり生きる元受刑者の女を描いた物語。つつましく引っ込み思案な芭子と、臭い飯を食った仲間である、陽気な綾香の日常生活が面白おかしく綴られるうちに、じんと胸を打つものがある。


No.160 7点 赤朽葉家の伝説
桜庭一樹
(2021/03/27 20:49登録)
時間のつながり、人のつながり、広がり、深まり、一つの物語になる今とは違う時、人生を感じながら読むことが出来た。


No.159 6点 玻璃の天
北村薫
(2021/03/27 20:48登録)
今時のミステリに珍しいゆったりした時間の流れと優雅さ、そこにある毅然とした言動もよい。


No.158 7点 聖餐城
皆川博子
(2021/03/27 20:47登録)
十七世紀初頭のヨーロッパ。あの複雑極まりない世界に縦横に切り込みつつ、読み手をグングン引き込む力量に感服。

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