10ドルだって大金だ ヘンリー・ターンバックル部長刑事もの、私立探偵カーデュラもの ほか |
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作家 | ジャック・リッチー |
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出版日 | 2006年10月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | 蟷螂の斧 | |
(2022/12/16 20:45登録) ①妻を殺さば 6点 結婚して三ヶ月、そろそろ、妻を殺す頃合だ。その妻が脅迫されているのを知り・・・殺す相手 ②毒薬であそぼう 6点 青酸カリの丸薬を手に入れた幼い兄妹はそれを隠す。あと一つ見つからない・・・使用方法 ③10ドルだって大金だ 9点 銀行の会計検査で10ドル余剰であった。10ドルを余計に入れたのは二人の従業員のうちどちらなのか?。翌日再検査すると帳簿と合っていた・・・3人の行動 ④50セントの殺人 5点 資産を狙う親戚たちに無理やり精神病院へ入院させられた私。彼らを殺害することを計画。患者のKをそそのかすが・・・見返り ⑤とっておきの場所 8点 妻を殺した。庭を掘っているのを隣人に見られた。通報により警察は庭や地下室を掘りかえした。庭から出てきたのは猫の死骸だった。妻はどこに・・・交換条件 ⑥世界の片隅で 5点 青年は叔父のために狂言強盗を働くが、警察に追われる羽目に。逃げ込んだ先がコンビニの倉庫・・・心地よい場所 ⑦円周率は殺しの番号 5点 死体が発見された場所に止まっていた車。そのナンバーは31416だったという数学の女性教師が現れた・・・プレートの制度(日本と異なる) ⑧誰が貴婦人を手に入れたか 4点 絵画「貴婦人像」の強奪計画・・・真贋 ⑨キッド・カーデュラ 8点 ボクシング界に強力なパンチを持つ男が現れた。ただし光恐怖症という・・・身分は伯爵 ⑩誰も教えてくれない 4点 家族3人からそれぞれメイドの行方を探さないで欲しいという依頼が・・・アンチ? ⑪可能性の問題 4点 50年刑務所暮らしをしていた老人は、世話になった恩人を殺した・・・理由(多重解決) ⑫ウィリンガーの苦境 6点 6年前に記憶喪失になり、手元には大金があった。わたしは誰? 嘘の目的 ⑬殺人の環 4点 連続殺人事件。共通項を発見した。次は防ぐことが?・・・まぐれ? ⑭第五の墓 6点 男性名の墓に女性の白骨体が発見された・・・今回は見事な推理? |
No.2 | 6点 | ROM大臣 | |
(2022/02/21 14:43登録) 銀行で金庫の中の勘定が合わなかったことが思わぬ事態を招いてしまう表題作をはじめ、シチュエーション・コメディにも似た軽妙な語り口と、何とも言えない絶妙の捻りのある作品が十四作収録されている。 なかでも、貧乏吸血鬼カーデュラとともに、作者の二大キャラクターともいうべきヘンリー・ターンバックル部長刑事が登場する作品が五遍も入っているのが嬉しい。 主人公のお門違いの推理も愉快だが、その定石が必ずしも守られないという一種ひねくれた趣向もあり、先読みを許さない。読者を煙に巻くその手口は、見事としか言いようがない。 |
No.1 | 6点 | 八二一 | |
(2021/09/26 20:11登録) 殺しという物騒な要素があるのに、そこはかとないユーモアが漂い、明るくて嫌みがない。最後には笑顔で、人間が愛おしく思えること請け合い。 |