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ミステリの祭典

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YMYさんの登録情報
平均点:5.91点 書評数:386件

プロフィール| 書評

No.6 5点 無名騎手
蓮見恭子
(2018/04/18 21:40登録)
女性騎手の紺野夏海が主人公。
夏海は自殺した先輩騎手の死に疑問を抱いた。そのころ、検量室で盗難事件が起きたり、救護室での騒ぎの映像がネットにアップされたり、ありえない誤植がスポーツ紙に掲載されたりするなど、奇妙な出来事が頻発していく。
競馬学校を出てプロになったとしても、やがて花形騎手になるのはほんの一握り。騎乗機会が与えられないまま消えていく騎手も少なくないという。
本作はそんな競馬界の現状を背景にした驚くべき犯罪を扱っている。また、競馬の検量室をはじめ、スポーツ紙競馬欄の制作現場などのディテールが鮮やかに描かれているばかりか、次々に不可解な事件が起こり、その先の展開を読まずにおれない巧みな話運びに仕上がっている。


No.5 6点 ペナンブラ氏の24時間書店
ロビン・スローン
(2018/04/06 20:50登録)
魔法と最新のテクノロジーが混然一体となった不思議な味わいの小説。
失業中の青年クレイがアルバイトを始めた書店は変わっていた。奥に暗号で書かれているらしい本の書棚があり、会員だけが借り出せるようになっている。
好奇心をくすぐられたクレイは、グーグルに勤めるガールフレンドの力も借りて謎を解き明かそうとする。
紙の本を好きな方はもちろん、インターネットにはまっている若者にこそ、ぜひお薦めしたい。


No.4 7点 ワニの町へ来たスパイ
ジャナ・デリオン
(2018/03/31 09:45登録)
主人公のレディングはCIA工作員。任務を超えて大暴れしてしまい、犯罪組織に命を狙われることに。CIA長官は、彼女にしばらくルイジアナの田舎町に身を隠すよう命じる。
自分とは正反対のおとなしい女性を装って静かに暮らすはずだったが、町で彼女を待っていたのは、奇妙な騒動と奇妙な住人たちだった・・・。
強烈なキャラクターと愉快な展開で読ませる、ユーモアに満ちた物語。


No.3 5点 誰の墓なの?
ジェイミー・メイスン
(2018/03/26 22:43登録)
ブラックユーモアたっぷりの作品。
窮地に立たされた人間の焦燥が手に取るように伝わり、随所でニヤリとさせられた。
ラストの追跡劇で活躍する犬には、犬好きならずとも胸がキュンとなるでしょう。


No.2 7点 古書贋作師
ブラッドフォード・モロー
(2018/03/19 23:32登録)
稀覯本の世界が舞台。有名作家の直筆を偽造する贋作師の変死に始まる物語。
特色はその語り口。被害者と同じく贋作師だった語り手が、不安の中で揺れ動く心情を、時には贋作の価値を、饒舌に語る。
言葉の魔力で読者を幻惑する小説。


No.1 7点 殺人者の顔をした男
マッティ・ロンカ
(2018/03/07 21:45登録)
失踪した妻を探してほしいという夫からの依頼を受け、ヴィクトルは調査を始める。だが手掛かりはようとしてつかめず、ヴィクトルは大きな陰謀に巻き込まれていく。歴史に翻弄される移民という、いわば弱者である主人公の生きざまが独特の味を醸し出している。

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